「マインドフルネス」と「脳」について

「マインドフルネス(Mindfulness)」と「脳」について

NHKのサイエンスZEROで放送していた「新・瞑(めい)想法 “マインドフルネス”で脳を改善!を視聴して、最近、書店に行っても「マインドフルネス」関連の書籍が平積みになって、たくさん紹介されていて気になっていましたが、なんでこれが、良いのか? 今一、わかりませんでした。

これをやると、何が、どうなるのか。。。。なんで、これが、人間にとって必要な事なのか?
すべての人間にとって、必要な事なのか、必要でない人もいるのか?

Apple、Intel、Google、facebookなど名だたるIT企業も採用しだした「マインドフルネス」とは、宗教的要素を排した「禅(瞑想)」、「ヨガ」みたいなものらしいです。

私のような「ストレス・フリー」の人間には、必要ないような気もしますが。。。そう云わず、ちょと調べてみましょう。

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1.今、なぜ「マインドフルネス」が必要なのか。。。という処から始めると

現代社会で生活していると、少なからず「ストレス」がかかります。全く無いもの問題でしょうが。。

この「ストレス」がかかると、自分では、意識してコントロールすることのできない「脳」や「体」を蝕み、心や体が病んでしまうそうです。

そこで、ストレスから脳や体を守るための対処法の一つとして「マインドフルネス」の存在価値があります。

最新科学によってその効果が裏付けられた誰にでもできる画期的なストレス対策が、瞑想をベースに生まれたプログラムが「マインドフルネス」です。また、認知行動療法をストレス対策に応用した「コーピング」と云う方法もあります。

心を蝕むストレスの正体として、出てきたのが「コルチゾール」です。
ストレスが長く続くと、「副腎」から「コルチゾール( 副腎皮質で生産されるステロイドホルモンの1つ)」が多量に分泌され、脳に回ってくると、脳の「海馬」で、神経細胞の樹状突起を減少させることが分かってきました。
「海馬」は、記憶を司り感情に関わる部位で、損傷すると、「認知症」や「うつ病」につながる可能性が見えてきたのです。

NHKスペシャル 「キラーストレス」を参照
・第1回「あなたを蝕むストレスの正体~こうして命を守れ~」
・第2回「ストレスから脳を守れ ~最新科学で迫る対処法~」

2.「マインドフルネス」をすると脳はどうなるのか?

「マインドフルネス」を高めれば、集中力が増し、創造性や幸福感、健康、リラックス感が高まり、もっと自分をコントロールできるようになる可能性がありますと。。。。

とはいっても、脳のどの部分が、どのように、どう変化するのか?

これが理解できないと、マインドフルネスが良いなどと、評価できませんので、しつこく、掘り下げてゆきますよ。

しかし、不思議なのは、ストレスがかかっていそうで、ストレス耐性が強いのか、体が悪くなることもなく、普通に生きている人間も、多くいます。

ストレスがかかると、どんなメカニズムで、体の具合が悪くなるのか理解できますが、体の具合が悪くならない奴もいます。 これが不思議です。 人間の脳をしていないのではと思うこともありますが。。。どうなんでしょう。 このストレスが有っても、全然元気な奴って、人間という生き物なんでしょうか?

ちなみに、もうすでに「鬱病」にかかっている人は、「マインドフルネス」をしない方が、良いみたいです。 「鬱病」が、改善してからでないと良くないそうです。

1)「マインドフルネス」をすると、実際に脳はどうなるのか?

NHKのサイエンスZEROで放送していた「新・瞑(めい)想法 “マインドフルネス”で脳を改善!」で云っていたのは、

DLPFC(背外側前頭前野)がうまく働き  デフォルトモードネットワーク(DMN)働きが良くなると。。。。。何言っているのか? 理解できないですよね。

マインドフルネスで、雑念に気づくこと、体の感覚を全体に感じ取るようにする。そうすると脳の構造まで変化して、5%海馬が大きくなる、扁桃体は減少する。「鬱病」の患者の場合は、逆に海馬は小さくなり、扁桃体が大きくなると云われています。

まずは、「DLPFC(背外側前頭前野)」と「デフォルトネットワーク」についてですが、なんだそれはと聞いたことのない言葉が、いきなり出てきますが、慣れてくると頭のなかに浮かんでくるようになると思いますので、ちょっと我慢してください。

「マインドフルネス」が、脳に良いらしいという事は大雑把に理解できましたが、じゃ実際、脳のどの部分に作用しているのか、今一、ピンときません。なんだか、雲の中にいるようで、それこそマインドが晴れませんので、実際、脳のどの部分が、関わり、どのように作用しているのか、詳しく調べてみたいと思います。

やはり、脳科学の領域の中でも、神経のネットワーク、海馬扁桃体側坐核大脳の前頭前野の働きまで理解しないと、神経ネットワークの繋がりと、流れが、理解できないと思いますので、脳の細かなパーツの機能から説明してゆきます。

蛇足
最近、脳科学の研究の進歩が著しいのですが、日本の大衆では、未だに「血液型」で他人を判断する輩が多いのですが、もうこの人たちは困ったもので、地球100周分くらい世の中の進歩から遅れています。

「あの人はB型だから。。。」とか、まあイワシの頭も信心からと云いますが、今時「血液型」で人を判断する? そんな日本人を「極楽トンボ」、「脳みそが足りない」と云います。

「脳みそが足りない」とは、正確ではありません。
実際には、グリア細胞や「脳細胞(ニューロン)」自体が足りないわけではありません。足りないのは、ネットワーク(シナプス)が、ちゃんと、つながっていないので、「脳細胞(ニューロン)」が孤立している状態でしょうか。。。。脳の外から見ると、この状態を「アホ」とでも言いますか。 多分、死ぬまでネットワークは改善できないでしょう。

これが、「××は死んでも治らない!」と言われる所以です。

ちょっと、話が脱線してしまいましたが、忘れてください。

ちょっと、難しいですが、脳のある部位と脳のある活動について、理解していないと「マインドフルネス」が、何故いいのか理解できませんので、その辺から行きます。

2)DLPFC(背外側前頭前野)の機能とは

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DLPFC(背外側前頭前野)の役目は、以下のようなものになるようです。

①判断、意欲、興味をつかさどる
この機能が低下すると、活力を失い、やる気がなくなる。

②扁桃体のバランスを整える機能
扁桃体は、不安、悲しみ、自己嫌悪、恐怖などの感情を司りますが、この機能( DLPFCは扁桃体の正常な活動を制御する)が低下すると、これらの色々な感情が強く出てしまいます。

③痛みを制御する機能
幻痛(まぼろしの痛み)を制御し、痛みを減少させ、ついには痛みを無くしてしまう
痛みの興奮を抑える役目があると考えられています。

DLPFC(背外側前頭前野)の働きは、脳に起きた興奮を抑制するために指令を出し、「痛みの回路」を抑制するのが仕事で、体の各部位から送られた痛みの信号は、「痛みの回路」に集められ脳内に記憶され一定の期間保存されます。

しかし、慢性化する痛みはどうして起こるのでしょうか?、慢性化する原因は何んなのでしょうか?

DLPFCは、「痛みの回路」を抑制するのが仕事なのですが、感覚野の神経回路をつくる神経と神経のつながり(シナプス)が、痛みを感じる末梢神経の損傷前と後で劇的に変化して、脳の中の神経回路の組み換えが発生して、シナプスの繋がりに変化が生じてしまうことが明らかになりました。ですので、神経のネットワークが変化してしまい「痛みの回路」を抑制するコントロールができなくなり、それにより慢性化すると言われています。

更に、最近の研究では「強い恐怖心」も一つの原因ではないかと指摘しています。
長期にわたり「強い恐怖心」状態が続くと、「DLPFC」の神経細胞に疲労をおこし「痛みの回路を抑制する」働きが低下し、そのことで痛みが慢性化し、なかなか良くならないという悪循環が生まれます。

「腰痛」を例に挙げると、ストレスなどで、実際に患部ではなく、脳が、誤信号を出して、抑制できなくなり痛みとして感じてしまう場合があるようです。

ちなみに、「うつ病」患者の場合、脳の状態は、以下のようなことが報告されています。
1)DLPFC(背外側前頭前野)の活動が弱り判断力や意欲が低下。
2)扁桃体が過剰に活動、不安・恐怖・悲しみが止まらない。

補足説明
扁桃体、海馬という脳の部位について、説明が足りませんので補足説明です。

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・扁桃体
ヒトを含む高等脊椎動物(サルも同じ)において、扁桃体は、情動的な出来事に関連付けられる記憶の形成と貯蔵における主要な役割を担う。恐怖条件づけの際、感覚情報は扁桃体の基底外側複合体に送られ、そこで刺激の記憶と関連付けられる。

また、扁桃体は、「記憶固定」の調節にも関わっていて、学習される出来事の後に、出来事の長期記憶がすぐに形成されるのではなく、その出来事に関する情報は、記憶固定と呼ばれる処理によって長期的な貯蔵庫にゆっくりと同化され、半永久的な状態へと変化し、生涯に渡って保たれる。

偏桃体で恐怖を感じると、それが、「海馬」から大脳への長期的な記憶領域へ記憶される。
怖い思いをしたことは、ずっと忘れずに覚えているのは、この仕組みがあるからです。

この脳から、「偏桃体」を取ると、通常の生活はできますが、例えば、暖炉の火のこが床に落ちると、それを熱いと感じる記憶が無いので、平気で手で触って拾おうとするそうです。
そう、「熱い」という恐怖の記憶が、無いのです。

・海馬
海馬の機能は、「短期記憶」や「感情」をコントロール
する機能を有しています。「偏桃体」とも深い関連性があります。

体の細胞は常に入れ替わっていますが、心臓の筋肉や大脳の細胞はあまり入れ替わりません。しかし、海馬の細胞は入れ替わります。ですので記憶は、約1か月くらいの間しか保持できません。そして、忘れる前に大事な事柄は、海馬から大脳に情報が移り、記憶として固定されます。

「一夜漬け」で勉強したことを覚えておけない、身に付かないのは、海馬から、大脳に大事な情報として、情報が記憶されないからです。 正に「一夜漬け」となってしまうのです。

しかし、「偏桃体」で感じた「恐怖」の信号があれば、海馬は、大脳に、生命に関わる大事な情報として保持させるように情報を伝えます。

同じことを何度も、何度も、覚えようとすると、「海馬」は、これは大切な事なんだと勘違いをして、大脳に情報を記憶させるようです。ですので、学習も、何度も、復習して覚えようとすることは、大脳に記憶させるためには必要な事なのです。

ロンドンでタクシー運転手になるための資格をとるのは世界一難しいそうですが、この試験の合格者は、脳内で方向や記憶情報を司る「海馬」が一般の人より大きくなるという調査結果もあります。海馬は、大脳皮質に「情報」を記憶・保持させるための「関所」のような役目をしている処でもありますので、大量に、位置や方向を記憶する必要のある仕事をしている人は、海馬が大きくなるんでしょう。

3)デフォルトモードネットワーク(DMN)とは

いよいよ、デフォルトモードネットワーク(DMN)までたどり着きました。

DMNという脳の活動になにがあるのか?

複数のデフォルトモードネットワークがあると云われています。そして、複数の箇所でつながったネットワークが存在しています。

従来の脳科学では「何もしていない時は、意味のある脳の活動は行われていない」と云う定説がありましたが、これが覆されています。

DMNの状態とは、脳が休息している状態や睡眠時の状態とは違う状態で、何も設定されていない、覚醒時の初期設定のままの、外部から情報処理の課題が与えらていない時の脳の状態である。  脳の別の領域が同期して活動している。これをデフォルトモードネットワークといい、何もしていない時に働くネットワークと考えられている。

DMNの時、実は脳はぼーっとしていなくて意識して課題に取り組んでいる時の「20倍」活発な活動をしています。

脳が使うエネルギーの内訳は
・意識活動に5%
・脳細胞の維持・修復に20%
無意識活動に75%

なんと「無意識の活動」に75%ものエネルギーを脳は使っているのです。

それほどのエネルギーをいったい何につかっているのか? 他をぼーっとさせてまで、脳をフル回転させる理由は?
ぼんやりとしているときには、脳内にあるネットワークが生まれていて、「自己認識」、「記憶」、「情報の統合」など重要な機能を担っていますが、力を脳に集中させ、そのネットワークを働かせ、これまで貯めておいたいろんな断片情報を「ひとつの意味」に組みなおす。結果、新たな「心」が形成されています。

DMNは「内的思考」と「外的思考」の切り替えに関係しているネットワークで、DMNが活性化していると物理的に周りの世界で起こっていることを意識していないということになります。

余計なことを考えず、積極的にぼんやりできる事、なにもしない一人の時間を持つことが、重要になります。

その間は、「ひまつぶし」をしたらダメです。 特に、スマホやインターネットは、脳が休まりませんのでダメです。

お勧めは、音楽! 好きなジャンルの曲を聴いている時、脳ではDMNが活性化されていることが研究の結果分かったそうです。

デフォルトモードネットワーク(DMN)に関わるそのほかの影響
DMNの異常がアルツハイマー病やうつ病などの神経疾患とも関係するようだ。アルツハイマー病患者で顕著な萎縮が見られる脳領域は,DMNを構成する主要な脳領域とほとんど重なっている。

今のところ健常なDMNに関する領域として同定されているのは、4つのコア領域が同定されており
1)内側前頭前野MPFC(ブロードマンの10・24・32野)
2)後部帯状皮質/膨大後部皮質PCC/RSP(ブロードマンの29・30野/23・31野)
3)左右の下部頭頂葉IPL(ブロードマンの39・40野)
特にPCCはDMNでの中心的なハブとしての役割を有していると考えられている。

一方、デフォルト・モードといっても、すべての人間が同じモードであるとは限らず、精神疾患によってはDMNの活動領域や接続度合(connectivity)が異なっていることも示されている。
精神疾患や年齢によって様々なDMNの所見が得られている。

疾 患 デフォルトモードネットワークの状態
統合失調症、鬱病病 DMNは過剰に活動しており、それぞれの活動領域はハイパーコネクト状態です。
認知症 DMNの活動減少やDMNの一貫性の破綻がみられる。
アルツハイマー病 DMNの異常なパターンが、脳内アミロイド沈着のレベルに関連していることも示されている。

加齢に伴い、青年時のDMNのパターンは薄らいでいくことも分かっているようです。
DMNは、加齢に従い、特に60歳以降ではアミロイド沈着とは関係なく脳の前部と後部の間といった遠い接続性が減少するので、その結果、情報処理のスピードが落ちるということなのでしょうか。。。。

4)RIPK2 という遺伝子が活性化

マインドフルネスをすることにより、慢性の炎症に関わる遺伝子「RIPK2」に関係があるようです。 

瞑想の効果には遺伝子レベルでの根拠があった
ウィスコンシン大学のリチャード・デイビッドソン教授は、マインドフルネスをたった1日しただけで遺伝子の活動(遺伝子の発現)が変わることを突き止めました。それはRIPK2という遺伝子です。マインドフルネスをしなかった人ではRIPK2の活動はあまり変わりませんが、マインドフルネスをした人はRIPK2の活動が劇的に下がったのです。

遺伝子の発現とは、 遺伝子の設計図に基づいて体内でタンパク質が作られることです。 炎症を誘発する遺伝子の発現量が減少するということは、炎症が減少するということでしょうか。

最後に、

ちょっと疑問に思ったことは、「認知症」や「うつ病」に大いに関係があるのですが、発達しょうがいという、脳の機能障害とどう関係しているのかと云う事です。

自閉症スペクトラム(ASD)、ADHDなどをもった人たちの脳の中(情動)は、「マインドフルネス」は有効なのか、そもそも「デフォルトモードネットワーク」が、どう機能しているのか?

これは、私の「マインドフルネス」的なストレス回避策ですが、みなさん、気持ちが、もやもやしたり、感情が興奮したり、なにか心の中が落ち着かない時が無いでしょうか?

私の場合、こんな時、何が気になるか、考えをめぐらします。そして、何が一番気になるか、自問自答します。 すると、たいてい他人とのやり取りで起こって事柄、怒りなどが浮かんできます。

そうなんです。 これを忘れよう、忘れようとするから、なおさら、気になるのです。

そこで、その特定した事柄を忘れようとしないで、頭の中で、あえて、集中して考える様にするのです。 すると、集中して考えたとしても、3分と持ちません。

頭の中で、あえて、意識・無意識に避けようとしていることを意識の中に引き釣り出して、考えると、その考えが続かないのです。 ですから、大したことではないんだと。。。。意識できて、忘れてしまいます。

私などは、わりと、言いたいことをはっきり人の前で、平気に言っちゃいますので、いいのですが、特に女性の場合、腹の中と表面とでは180度違いますので、相手が、男性でも、女性でも、注意が必要です。

ストレスが溜まらないように、「腹の中」と「表面」を同じにするように努めた結果、嫌われても、「別に!」と思えて、何も怖くなければ、それが一番ですが、けっこう大変です。

あと、好きな時間は、小樽へ行く中の窓から、なにも考えずに「海」眺めている時間です。
札幌から行くと、「銭函」を過ぎて「朝里」、「小樽築港」までは、もし地震が発生するとヤバい場所ですが、短い時間、車窓から海がすぐそばに見えますので、気持ちが落ち着きます。


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