【書籍紹介】 自閉症という知性  池上 英子 (著)

本日の書籍紹介は、「自閉症という知性(NHK出版新書) 池上 英子 (著) です。

発達障害に関する書籍は、たくさんあるのですが、特に「自閉症」について、別の視点から書かれた書籍で、自閉症的な人たちの世界を理解するには、役に立つ情報が沢山含まれています。

■世界保健機関(WHO)による「ICD-10(国際疾病分類第10版)」で云うと、以前は、一般的に『自閉症』や『アスペルガー症候群』、『特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)』といわれるものが広汎性発達障害です。

■2013年に公表された第5版(DSM-5)では、細かな分類をなくし、自閉症の仲間を「自閉症スペクトラム障害障害(ASD)」という診断名に統合しました。「自閉症スペクトラム障害」と「広汎性発達障害」は、ほぼ同じ概念を指します。

スペクトラムとは、「連続体」の意味ですが、ちょっとわかりづらいので、私はグラデーションの方が良いのではと考えます。 その特性が、真っ黒か、グレーか、白か、グラデーションの中のどの位置にいるのかではないでしょうか。

自閉症という知性(NHK出版新書)

1.リコージャパン訪問

先日、私のお客様(会社)のお付き合いで、札幌駅北口にあるビルの14階に「リコージャパン」が入っていて、オフィスを訪問してきました。個人でやっていますのでなかなかこんな機会が有りませんので、大変、貴重な時間でした。

ソリューションビジネスを展開している様子を2時間くらいかけてオフィスの見学も入れて、会議室でレクチャーを受けて、お話を聞いてきました。もう、昔のように「リコー」さん、ただの「プリンター(複合機)屋さん」ではないのですね。

社内の取り組みも素晴らしく、オフィスのレイアウトも、Googleの様な今どきのレイアウトの中で皆さんお仕事をされていました。

やはり、色々な改革をする中で、「試行錯誤」はまだまだ続いているようです。

会議室でレクチャーを受けている中のお話で、本題に関係する、ちょっと気になった点があります。

2.「ダイバーシティ」より大切なのは、「ニューロダイバーシティ

リコーさんの説明会の中で、「働き方改革」のお話の中で出てきたのですが、何を聴いてきたかと言うと、「ダイバーシティ」という言葉をご存知ですか?と聞いてこられましたので、ちょっと、良い所を突いてくるなと関心しましたた。

このキーワード、最近使われるようになりましたが、まだ理解が薄いように思います。

「ダイバーシティ」とは、日本の場合、欧米と違い人種的な問題よりも、ジェンダー的な問題、LGBTの事がが多いように思います。

しかし、もっと踏み込んで、自閉症などの発達障害などを含めると、「ニューロダイバーシティ神経構造の多様性)」というキーワードの方が、この先、重要になると考えます。

日本と云う島国の中で、「同調圧力」の極めて強い中、「神経構造の多様性」の方が、重要な課題になっていると思うのですが、いかんせん、無知な社会人が圧倒的多数を占めていますので、諸外国より、うまくゆかない場合が多いと考えます。

3.同じ脳の配線をした人間なんて、一人も居ないのです。

標準偏差を取ると、数の多い特性を有したグループが多数として存在するのでしょうが、そうではない。生まれつきの脳神経回路に差異があり、世界を認識する方法が違うのです。そして、このような脳の配線(特異性)をした人たちが、昔から存在するのです。

知識の無い人は、「変な人」と簡単に言いますが、どちらが、変な人かは、多いか少ないかでは、決めては行けないのです。

自閉症的「知性」とは?  実は、特異な能力を有しているが、実に多いのです。

以前は、「高機能自閉症」と言われていて、決して知能は低いのではなく、むしろ高い。こだわりが強く、集中力が高く、物の見方も違う場合もあり、何かをするとすごい力を発揮します。

ADHD(注意欠陥・多動症)は、ちょっと社会的には厄介ですが、ASD(自閉症スペクトラム症)の人たちは、通常の人間たちには、理解できない、認識できない方法で、世の中を、世界を見ているところが、ありますので、特定の分野で、彼らの能力をうまく導けば、とんでもない仕事をしてくれる可能性を含んでいます。

例をあげれば、

アインシュタイン、ビル・ゲイツしかり、スティーブ・ジョブズしかり、世の中で、イノベーションを起こすことのできる人間たちは、皆、特異な脳の配線をしています。

物作り大国「日本」で、「GAFA」にの様な会社ができないのは、言わずと知れたことでしょう。

定年まじかの「爺」どもが集まって、合議制でものを決める様なやり方で、イノベーションを起こすことなど、絶対に不可能でしょう。

4.この特異な脳の配線をした人達を理解して、うまく使うのはどうしたらいいでしょうか?

それには、会社組織の中で、このような人たちの特性をとことん知る事です。 まず、それが、どの会社でも、組織でも、できていない。 確かに高度な知識でもあります。

会社組織の中で、例えば、歯車のように使えない人材を大切にしないのです。確かに、歯車のように使える人間の方が手間がかからないが、パフォーマンスの高い仕事ができるとは限りません。

この特性を理解していれば、その人の特性にあった人員配置でも効率よく、配置できる会社も十分あるのではないかと思います。できそうもない仕事を無理に、やらずにやらせて、ダメにしなくても良くなるかもしれません。

人を効率よく、働かせるには、どのような特性を持った人間なのか、十分に理解する必要がありますが、人事管理をする仕事をしている人間でも、自閉症的な人の関する知識は、完全に乏しいでしょう。

5.テレビに、IQ188の青年が出演していました

昨夜、テレビに、IQ188の青年が出演していましたが、両親ともに高卒で、大学までいかせる価値観のなかった家庭で育ったために、24歳になっていましたが、東大ではなく、地方の大学に入るために、現在、勉強中でした。 学力は記憶する能力で、IQ(知能)とは違いますので、大学入試の受験勉強をする環境に居なかったのでしょう。

かわいそうと言うより、「おしいな~」という感想です。 教育に関する考え方が、ちゃんとしている両親のもとで、生活していれば、今頃、東大を卒業して、とんでもない、最先端の仕事を始めようとしているところかもしれません。

どんなに頭がよくても、「天才も二十歳過ぎればただの人」と言われるように、家庭環境で惜しい人は、かなりの数がいるでしょう。 結局、親の価値観、生活環境、教育環境に左右されて、後で苦労するか、そのまま、片鱗を見せながら、タダの人になるか。。。

彼なら、大学で勉強しても、多分、1年で卒業できるだけの能力を持っているようですが、日本の教育制度では、先が見えづらいです。

6.教育現場で教えるべきこと

もう少しで、プログラミング学習が始まりますが、もう少し上の年齢 高校生くらいのレベルで、もう、脳の配線の違いを教えるべきでしょう。 「親」も含めてというより、親が、まず無知なのです。

いずれにしても、発達障害、人格障害、愛着障害などの知識をしっかりと身につける機会が無いため、自分で勉強するしかありません。この知識は、自分自身が何者なのかを知ることにもつながるのではないでしょうか。

最低でも、上記の3つの障害について、社会人として認識すべき事柄でしょう。

いつまでも、ヒトの「性格」を血液型で判断するような、地球100周分くらい周回遅れの無知な人間にならないように注意が必要です。

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何年たっても仕事のできない「ADHD」女子社員。。本人、無自覚、ずっと放置されてきていますが、今更ですが、会社としては、どう扱うべきなのでしょうか?

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