【面白記事】「全身麻酔で人は、なぜ意識を失うのか」、「目覚めるとき覚醒する領域に順番がある」、全身麻酔が効く仕組みから「意識の発生源」が見えてきた

2021-06-04、
本日のおもしろ記事は、全身麻酔が効く仕組みから「意識の発生源」が見えてきたと云うお話です。

色々な記事を観て、まとめようと試みましたが、私の「知能」では、まだ無理があるようですが、この不思議な「脳」の仕組みが、少しでも理解できればと記載しました。

▮1804年、世界で初めて全身麻酔手術に成功したのは、日本人医師の華岡青洲(はなおかせいしゅう)先生で、60歳の患者に対する乳がんの手術に挑んで成功しました。

▮欧米で初めて全身麻酔が行われたのは、青洲の手術の成功から約40年を経てから、歯科医のウィリアム・T・G・モートンがエーテル麻酔を開発し、1846年に頚部腫瘍の患者に対して全身麻酔手術を行った。

しかし、「なぜ、全身麻酔で人は、意識を失うのか」は、現代科学(脳科学)でも未だ解明されていない問題で、麻酔が意識を途切れさせる詳しい仕組みは、いまだ、わかっていませんが、この謎がついに明かされようとしています。

そもそも、ヒトは、睡眠時も意識を失います。脳波を測ると、レム睡眠とノンレム睡眠と云う状態に入ります。そして脳だけでなく全身の生理機能にも大きな違いがみられます。

1.なぜ、全身麻酔で人は、意識を失うのか

米国科学アカデミーのメンバーであり、スクリプス研究所の会長である化学者のリチャード・ラーナー医学博士と同研究所の分子生物学者であるスコット・ハンセン博士。

2人の研究者はナノスケールの超解像顕微鏡とショウジョウバエの生きた細胞を使い、実験を行いました。「全身麻酔」は、生体膜に含まれる脂質ラフトという脂質クラスターを混乱させることが判明しました。

細胞をクロロホルムにさらすと、GM1と呼ばれる脂質クラスターの集まる範囲が大きく広がったとのこと。そしてGM1が広がると、GM1はその内容物であるホスホリパーゼD2(PLD2)と呼ばれる酵素を放出し始めました。

研究者がPLD2にタグ付けを行ったところ、PLD2はGM1から別の脂質クラスターであるホスファチジルイノシトール二リン酸(PIP2)に向かいましたが、その動きは「まるでビリヤードのボールが放たれたかのよう」だったそうです。そしてPLD2によってPIP2の主要分子が活性化され、ニューロン(脳細胞)発火能力が「凍結」されることで、人は意識を失ってしまうのだとハンセン氏は説明しました。

脳神経細胞は、上流の神経細胞から下流の神経細胞へ神経インパルスを「発火(スパイク)」することによって情報を伝達します。

発火とは、外部からの作用により膜電位をある程度高くする(細胞膜の内外の電位差を小さくする)と、 膜電位は正に達した後、再び元の電位に戻る。
この現象を発火または興奮と呼び、細胞が発火(興奮)する臨界の電位の値を閾値という。

ちょっと、「分子生物学」の知識が無いと何を言っているのか、仕組みを認識するのが、非常に難しいのですが、ニューロン(脳細胞)発火能力が「凍結」されることで、情報が伝わらなくなり、人は意識を失ってしまう様です。

2.全身麻酔の仕組みから「意識の正体と発生源」が見えてきた

意識がある時には、脳から1秒間に7回ほど、特徴的なスパイク(電気信号)が放たれていますが、このリズムが低下すると、意識も途切れてしまうようなのです。

MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者たちは可能性を検証するため、健康なサル(マカクサル)の脳の皮質に4カ所、視床に1カ所、電極を埋め込み、麻酔をかけて電気的な反応を観察することにしました。

結果、意識がある時には脳の各所は1秒間で7回ほどの特徴的なスパイクを発していたものの、麻酔が効き始めると頻度が低下し、1秒間に3~4回になるとサルは意識を失い、30分後には、0.2~0.5回にまで低下することがわかりました。

一方、麻酔を中断するとスパイクの頻度は徐々に回復し、1秒間に3~5回になるとサルは意識を取り戻しました。

この結果は、脳の各所から放たれる一定頻度のスパイクが、意識の形成にとって必要不可欠であることを示します。

意識は視床を発火点にして形成される

単純な信号が意識の形成にどのように関与しているのでしょうか?

単純なスパイクが、意識の形成において土台となる役割を果たし、脳の各所の活動を統合させ意識を形成するのに役立っていることを示します。

意識が1秒間で7回ほどの単純なスパイクの存在に大きく依存していることが示されました。

そして同期を打ち破って高周波の干渉状態に移行することで、領域間のコミュニケーションを復活させ、1つの意識を形成していたのです。

3.麻酔後、最初に目覚めるのは「前頭前野

麻酔後、最初に目覚めるのは「前頭前野」で、ヒトで最もよく発達した脳領域であり、認知・実行情動・動機づけなど多様な機能に関わっています。

ちなみに、すぐ怒るバカは、前頭前野が未成熟なのです。 ちゃんと、情動をコントロールできないのです。幼児と同じなのです。 未成熟なのは、生まれつき配線(側坐核、偏桃体を含めた)がおかしいか、幼少期から甘やかされて生きてきたせいでしょう。

即座の反応や注意などを受け持つ領域は回復に時間がかかることがわかりました。
(ミシガン大学の麻酔科医ジョージ・A・マシュール氏らの研究チーム)

前頭前野

「無意識」状態から、脳がいかに回復するかを知ることは、臨床的に重要であるだけでなく、意識そのものの神経基盤についての理解も深めてくれるでしょうと言っています。

4.脳が痛みを認識する仕組み

痛みの種類によって、その情報を受け取る部分が異なり、大きく分けると2つです。
・大脳皮質が、痛みの強さや強度といった感覚的な痛みの情報に関与する。
大脳辺縁系が、不安や恐怖など情動的な痛みの情報を受けもつ。

1)痛みの情報は、感覚神経の伝達路を通り、視床を経由して、大脳皮質の一部である一次体性感覚野へ届けられます。
「一次体性感覚野」は、痛みの処理に関わる部分です。帯状に広がる一次体性感覚野は、場所によってからだのどの部分の痛みを担当するかが分かれています。

2)痛みの情報は、視床の外側にある「大脳辺縁系」と呼ばれるエリアや、人の思考や意思決定に関わる「前頭前野」にも届けられます。
大脳辺縁系(帯状回、偏桃体、海馬、側坐核など)は、記憶や感情をつかさどる部分です。

大脳辺縁系

5.人は覚醒していても「意識のONとOFF」が繰り返されているかもしれない

「意識が継続的である」とは、「意識が絶えずONの状態」を指し、「意識が離散的である」とは、「意識が長いONと短いOFFを繰り返している状態」を指します。

※ちなみに、脳は、身体が使うエネルギーの約20%を使い、「脳」の活動状態が使うエネルギーの内訳ですが、ご存じでしょうか?
■意識活動に・・・・・・・・5%
■脳細胞の維持・修復に・・20%(睡眠がとても大切のです)
■無意識活動に・・・・・・75%

無意識の処理は継続的であり、意識は離散的であるせいでしょうか

ヒトは、覚醒していても、ほとんど「無意識」で動いているのでしょう。

「意識」とは何なのか?
「必要な意識とは何か?」、「無意識では何ができるのか?」など、新たな疑問が生じるのですが、さて、これを「人工知能」に置き換えると、どう作るのか? が見えてくるはずですが、まだまだ、脳科学が、もっと進歩しないと解決しないでしょう。

「人工知能」と騒いで、盛んに研究されています。確かに脳はデジタル的な動作原理を有していますが、まだまだ人工知能はタダの計算機です。

それより、まず先に「脳科学」が、ニューロン(脳細胞)とシナプスだけではなく、「グリア細胞」のアストロサイトなどの仕組みを解明・進歩しないと、「人工知能」は人間の脳に近づくことなど無理でしょう。

参照記事
100年以上謎だった「なぜ全身麻酔で人は意識を失うのか」がようやく解明へ

全身麻酔が効く仕組みから「意識の発生源」が見えてきた

脳が麻酔から目覚めるとき、覚醒する領域に順番があると明らかに

全身麻酔から目覚めるとき脳の「再起動」時間は領域ごとに差があるという研究結果

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