本日のお話は、「ブラックな会社にシステムを導入しても、効率化を求めるのは無理」です。
中小企業などでも、最近、流行りの「クラウド」を使ったシステムを導入しやすくなっていますが、「パッケージソフト」をパソコンにインストールして使うのと同じように、オーダーを出して作り込みをしたシステムより安いからと云って、Goを出してしまい、トップが、一度、判断を間違えると、後々まで、その会社の業務が、長期にわたり混乱をきたします(元々、こんな会社は、混乱しているのですが)。 収集が付かなくなります。
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なぜ、こんなことになってしまうのか?
1.大企業におけるシステム化と中小企業におけるシステム化は目的と前提がまったく違っている。
中小企業で必要とされるシステム化は、
「当たり前のことをできるようにするものでり、戦略的なシステムではないこと」を十分に認識することが最も重要です。
従業員が、ちんたらこいて、「紙」と「鉛筆」でやっていた仕事をパソコンを使ってするのです。しかも、パソコンを普段、使いこなしても居ない、所有しても居ない、地球100周くらい、周回遅れの従業員たちに、いきなりこれを使って仕事をすれと。。。いうのです。
東京の人たちは、今時、こんな会社、無いだろう!! と思うかもしれませんが、とんでもない認識不足です。 北海道に来れば、こんな会社、山のようにあります。
「発展途上国」並みの会社は、腐るほどあります。 いや「発展途上国」以下かもしれません。
経営者の一番ダメな所は、自分がパソコンを使えないからと云って、従業員にも優しすぎるのです。 自分がダメだから、従業員にも言えないのです。
どんな業種でもそうですが、いま専門にやっていることだけが、仕事ではないのです。
パソコンと云う「道具」さえも使いこなせないという事は、「仕事ができない」のと同じことです。いや、「パソコンは別さ。。」なんて、従業員も経営者も考えているから、ダメなんです。
2.トップが、一度、判断を間違えシステムを導入してしまうと、どうなるか?
システムを導入しようとするとき、トップは、大きな目標、ご立派な目的を唱えるが、自社の業務の中身を認識していない、業務の実態を知らないため、例えば、パッケージソフトを使う時、そのシステムが、自社に合うシステムなのか、自社の組織が、そのシステムの内容に合わせる能力が有るかどうかをちゃんと認識できていない。
自社の業務を「システム」に合わせることができるだろうと云う、希望的観測でしかない、または、そんなことも考えてはいない。 「お題目」だけは一人前。
例えば、何らかの「サービス」を提供する企業で、顧客や生徒など管理する為のシステムを作るとすると、
「顧客の基本データ」 + 「見積、売上、請求管理データ」 + 「支払管理データ」、これに「会計管理用のデータ」として、使えれば、1つの業務用データベースとして、ワンストップで上手く使えるのです。
製造業、商品を販売する企業の場合は、
更に、「生産管理データ」、「在庫管理用のデータ」、「購買管理データ(物を仕入れて製造)」が必要になると思います。
業務の流れとデータの流れをちゃんと、部分的にしか把握できていない。 管理データが、ワンストップで流れて、活用できて、初めて効率化が可能になるのですが。。。。
多分、「段階的に実施しましょう」と言うのです。 しかし、段階的に、どのレベルまで、最終的に到達する為の明確な基準が何もないのです。
経営者は偉そうに言うが、闇雲に進んでいるだけです。
3.長期にわたり混乱をきたすと、どのような影響が出るか?
1)仕事が減るどころか、増えてしまう。
元々、仕事のできない社員には、何も、殆ど、影響ないが、仕事のできる社員にとって、業務量が増えてしまう。
経営者が、仕事のできない社員を首にして、できる社員を雇い入れることを考えても居ないので、仕事のできる社員にとって、業務量が増えてしまう。 そして、「システム」を入れたのだから、効率化ができているのだから、残業するなと言ってくる。
元々、システムを導入する以前に、この様な会社は、勤務時間外に、自社の仕事を社員が、時間外(サービス残業、家に持ち帰り残業)でしている事さえも、認識していない。
この様に、「ブラック」化している会社の社員は、言われたこと以外の仕事は、一切、自ら進んで、絶対にしなくなくなるでしょう。 そして、自ら成長しようという気持ちもないでしょう。
本当に、能力のある成長したい志のある社員は、この会社を辞めるでしょう。 最後に残るのはクズばかりになってしまいます。
2)自社が、「ブラック」かどうかも、現場の作業をトップが認識していないのです。
「ブラック」化を改めることのできない会社で、しかも、最適化できないシステムを導入しても、役に立たないだけでなく、手間が増えるだけなのです。
そして、一度、間違って構築してしまったシステムは、そう簡単には、入れ替えることができず、そのまま、引きずってしまうという、悪循環が延々と続くのです。
現場の意見を聞かない「トップ」、現場の意見を聞かない、トップの言いなり、なし崩しで管理する「情報システム」課が、最悪の業務管理システムを背負ってグダグダと維持・管理してゆく。
ある意味、「仕事が、減らなくて、良かったね」と、グダグダと業務をこなす姿を観て、皮肉の一つも言いたいくらいの状態が延々と続きます。
4.なぜ、仕事が増えてしまうのか?
導入したシステムが、業務の中で使用しているデータをどれだけ取り込んで、連動してシステムを運用できるのかの検討がいい加減だと、システムの中でできない業務が、発生してしまい、管理する「データベース」自体が、分散化してしまい、目的の業務をこなそうとすると、複数の入力作業が発生してしまうためです。
データの入力は、複数の社員が分散して入力する方が、1人の社員に作業が集中しないという点では良いが、入力したデータを一括管理できなく、分散してしまうと、手間が増えるだけです。
5.なぜ失敗してしまうのか
「施策を立案し目標を立て(PLAN)、実行(Do)、結果を分析(Check)し、より良い施策を策定する(Act)する」のサイクルを継続的に行うことができていない。
「経営者」や「情報システム」課が、プラン—>DO—>チェックの内、導入したシステムが、本当に役に立っているかどうか、効率化できているのかどうか、最後の「チェック」をして、ちゃんと「Act」をしない、だから、ほんのちょっとした「改良」しかできない。 導入したことだけを自慢げに話すだけで終わっている。
PLAN、DOは実行力があれば、だれでも可能ですが、Check、Actは分析する情報と能力がなければできないのです。
導入してシステムが業務の中で、活用されているのかどうかも、検証できないのであれば、経営者としては、終わっています。
6.ITと云う道具を導入しようとした時、組織と経営者自身の欠点が見えてくるはずです。
一つ、一つ確実にじっくりと変化させることです。改善されれる方向に向かえば 、IT化はその後でも十分導入 して活用が可能です。
それが将来、会社を成長させるための重要なファクターとなることを忘れない事です。一時的に儲ける事ができても、経営者の指導力や、共有できる知恵の蓄積がない会社は成長し続けれないのではないでしょうか。
IT改革ではなく、ITという「道具」を使った会社や業務自体の改革だという事を決して忘れないことが大切です。
これを忘れると、せっかくのシステムを導入しても、必ず、ほぼ「動かないシステム」になります。 会社の「レベル」が、試されるときが来ているのです。
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