2020年10月2日、
本日は、残念なニュースを一つ、ホンダが、2021年限りでF1参戦を終了する判断を下したと発表しました。
せっかく、F1に復帰して、エンジンのレギュレーション上のタイミング悪く、マクラーレンとの関係は、最後まで、うまくゆきませんでしたが、今年から「レッドブル・レーシング」と「アルファタウリ」で活躍しだした矢先のことで、本当に残念ですが、仕方ありませんね。
しかも、F1には、もう、戻ってこない様な感じです。
ホンダのような自動車会社は、「フェラーリ」や「ポルシェ」と違い、「一般大衆車」を作って売っている会社ですので、膨大な資金が必要なF1には、余裕がなくなると、参戦できなくなるのは致し方ないでしょう。
余裕がなくなると言っても、会社が潰れるという訳ではないのです。
もっと、重大な変化が、自動車業業界に訪れようとしている事があるのです。
▮実は、ホンダは、政府が主導した「日産」との経営統合を拒否したとされるのです。
日産は、「ゴーン問題」ですったもんだしていましたし、経営危機に陥って、これからどうするのか、水面下で政府が動いていたのでしょう。
こんな会社(日産)と経営統合するなんて、とんでもない話です。
これは組織全般に言えることですが、一度、腐った会社組織は、全員、入れ替えないと、ほぼ治らないのが世の常です。 ホンダのDNAは、ボロボロになる所でした。
そんな中、ホンダが自前主義から決別し、米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携を決断した様です。ホンダにとっても、北米の市場はGMと提携することによるメリットも大きいでしょう。
最近、非主流派出身の八郷隆弘氏が社長になってから、ちょっと流れが変わってきている様です。以前の社長たちは、「本多宗一郎」氏にスパナを投げつけられていた側近のエンジニアたちでしたが、八郷社長は、なにが違うのでしょうか?
除雪機、耕うん機から、バイク、クルマは元より、ジェット機まで作る会社で何が、湧いてくるのが楽しみでもあります。
▮ホンダが見据える自動車業界の未来像と云うより、ホンダだけではありません、業界自体が電気自動車「EV化」の波に乗らなければ、この先生き残れないのです。
自動車業界では100年に1度といわれるパラダイム・シフトが発生しており、近い将来、多くがEV化されるのはほぼ確実といわれる。
EV(Electric Vehicle:電気自動車)車は、基本的にコモディティ化された部品で構成されるので、EV化が進むと自動車の価格が急落するとともに、産業構造そのものが変化すると予想されている。
自動車は「エンジン」が有るので、そう簡単には自動車会社になれないのです。 エンジンが無くなり、モーター(電気)で動くようになれば、極端なことを云えば、自動車なんて簡単に作れてしまうのです。
パソコンの世界で云えば、Windowsなどは、すでに、CPU、ストレージ、メモリ、基板、本体(箱)の別々のメーカーでも、組み立てて使える様なって居ます。
自動車も、自前のエンジンではなく「電動」なら、シャシー、モーター、足回り、シート、電装品など、好きなパーツを組んで、使えれば、最高でしょう。
ただ、「フェラーリ」や「ポルシェ」は、どうするか? Appleが有る様に、これはこれで、そのままでいいでしょう。
何も、一社で、製品を一から開発して、パッケージ化して量産する意味がなくなってくるでしょう。
そうなると、自社独自にエンジンを開発する膨大な費用もかからず、エンジンの部品を製造する技術もいらず、下請けの「部品製造」企業も大幅に少なくなるでしょうし、「産業構造」自体も大きく変化するのです。
このような、大変な時代(生き残りをかけた)になってきますので、これから、使いもしないF1エンジン(PU)の開発技術を追い求める時間も余裕も無いのです。
でも、F1もガソリンエンジンが搭載された「レーシングカー」でなくなれば、エキゾーストノート(排気音)の無い、ただただ速いだけのクルマになって、自分の頭を切り替えないと、全然、面白くもないF1レースになってしまうかもしれませんね。 私が、それまで生きていればの話ですが。
尚、現在も、モーターを使って人間がドライブするフォーミュラーレースもあります。また、パソコンのグラフィックボードのメーカーの「NVIDIA(エヌビディア)」が製造するCPUを使ったロボットつまり人工知能(AI)が操縦するフォーミュラー「ロボレース」もあります。
人間が乗っていませんので、時速300Kmで、ガンガンぶつかって、バトルを繰り広げる、サドンデスレースも面白いかもしれません。
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