サイトアイコン WEB、IT、BOOK、パソコン講座

【書籍紹介】 世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ  齋藤 ジン (著)

2025-04-30、
本日の書籍紹介は、世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ  齋藤 ジン (著) です。

あのジョージ・ソロスを大儲けさせた〝伝説のコンサル〟初の著書ですが、ヘッジファンドのジョージ・ソロス? そんなの知らんがな。。。。です。

五月連休に入りましたね。皆さん、どこかお出掛けの予定は有りますでしょうか?
さて私の場合、去年の7月に「食道癌」の術後、速いもので、まもなく1年となります。本当は、今年のGWは東北岩手県の花巻に出かけ以前から興味深い「宮沢賢治の記念館」に行こうと計画していました。
ところが、東京に居る娘から、「5月1日にバイクで苫小牧(札幌)に上陸します!」と連絡があり、東北行きはあっという間に中止となってしまいました。 盛岡市には古くからのお客様がいらっしゃるので、そちらにも立ち寄ろうと思っていたのですが、全て中止です。 まあ、生きていれば来年でも行けますので、急ぐことはありません。

さて本題ですが、
私の場合、商学部卒で、経済、特に金融などに精通していると思いきや、一番苦手と云うか、興味がないと云うか、一番嫌いな金儲けの亡者たちを助ける人(コンサル)の自慢話の様な書籍で、最初はちょっと嫌でしたが読んでゆく内に、経済、金融などの書籍内の用語で、私が分からないものがたくさんあり、これは、ちょっとまずい、勉強しておかなきゃと云う思いで記載してみました。 もう一つの紹介したい動機は、本書が現代の動向を社会学的な観点からも考察しており、非常に勉強になる点が多いことです。歴史観や時代感に共感できる部分も多く、きっと皆様にとっても有益な一冊だと思います。

資産運用業界の〝黒子〟に徹してきた私が、なぜ初めて本を書くことにしたのか。
それは、日本の方々に伝えたいメッセージがあるからです。
ひとことで言えば、日本は今、数十年に一度のチャンスを迎えているということです。

東西冷戦後の世界秩序を支えてきた「新自由主義」が崩壊し、勝者と敗者がひっくり返る〝ゲームチェンジ?が起きているのだ。マネーの奔流を30年近く見てきたヘッジファンドのコンサルタントによる初の著書。

■齋藤ジン[サイトウジン]
在ワシントンの投資コンサルティング会社共同経営者。1993年に単身で渡米。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院修士。投資関連コンサルティング業務を営む米国のG7グループを経て、2007年、オブザーバトリー・グループを米国で共同設立。ヘッジファンドを含むグローバルな機関投資家に対し、各国政府の経済政策分析に関するコンサルティングを提供。本書は初の著書(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)。

世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ  

目 次
はじめに 日本復活の大チャンスが到来した
第1章 新自由主義とは何だったのか?
第2章 私はいかにして新自由主義の申し子になったのか
第3章 「失われた30年」の本質
第4章 中国は投資対象ではなくなった
第5章 強い日本の復活
第6章 新しい世界にどう備えるか
—————————————————————–

内容説明
1.新自由主義とは何だったのか?
小さな政府、市場主導の経済、個人の自由を重視する新自由主義の特徴を解説。
1980年代のサッチャー・レーガン時代からの変遷を振り返る。

2.「失われた30年」の本質
日本経済が停滞した理由を分析し、政策の問題点を指摘。
アメリカの経済政策の変化が日本に与えた影響を考察。

3.中国は投資対象ではなくなった
中国経済の変化と国際市場における立場の変化を論じる。
ヘッジファンド業界の視点から、中国の投資リスクを説明。

4.強い日本の復活
日本の生産性向上と経済成長の可能性を探る。
半導体やIT企業の対日投資の増加を紹介。

5.新しい世界にどう備えるか
日本が今後どのように世界経済の変化に対応すべきかを提言。
市場メカニズムを活用し、日本が勝者となる可能性を示唆。
—————————————————————–

 

***************************************************************************
ここから以下は、私が認識していなかった「用語」を調べたもので、本書籍を読んでいて、この用語が理解できないと。。。と云う点をメモとして記載しました。参考までに。
*********************************************************************

1.コンフィデンス・ゲーム(Confidence Game)  p18

コンフィデンス・ゲームは、被害者の信頼(confidence)を悪用して金銭やその他の価値あるものを騙し取る詐欺の手口です。日本語では「信用詐欺」や「寸借詐欺」などと訳されます。

1)コンフィデンス・ゲームの典型的な特徴は以下の通りです。

2)両者の違い

「システム」は、要素間の相互作用によって機能する組織化された全体を指す中立的な言葉であるのに対し、「コンフィデンス・ゲーム」は、他者の信頼を悪用して欺く不正な行為を指す否定的な言葉です。

したがって、「システムは、コンフィデンス・ゲーム?」という問いに対する答えは**「いいえ、全く異なります」**となります。

何か別の意味合いでこの質問をされたのでしょうか?もしそうであれば、詳しく教えていただけますでしょうか?

2.新自由主義の崩壊とは?  p20

1) 新自由主義的政策の限界や失敗が顕在化しているという認識:

2)新自由主義的なイデオロギーや政治潮流の衰退:

3)新しい経済社会システムの模索:

ただし、「新自由主義の崩壊」が完全に起こったと断言することは時期尚早です。
新自由主義的な考え方や政策は、依然として多くの国や国際機関で影響力を持っています。

重要なのは、新自由主義がもたらした課題を認識し、その限界を踏まえた上で、より良い社会のあり方を模索し、具体的な政策として実現していくことでしょう。

これらの情報源から、多角的な視点で「新自由主義の崩壊」について理解を深めることができる。

 

3.ポスト新自由主義とは 

「ポスト新自由主義」とは、1980年代以降に世界的に広がった新自由主義的な政策やイデオロギーの限界や矛盾が明らかになる中で、それらに代わる新たな社会経済システムのあり方を模索する思想潮流や政策の方向性を指します。

新自由主義は、市場原理を重視し、政府の介入を最小限に抑えること、規制緩和、民営化、自由貿易などを主な特徴としてきました。しかし、その結果として、経済格差の拡大、金融危機の頻発、環境破壊の深刻化などの問題が顕在化し、「新自由主義の崩壊」という認識が広まりつつあります。

こうした背景のもとで提唱されるポスト新自由主義は、新自由主義の反省を踏まえ、より持続可能で公正な社会経済システムの構築を目指すものです。その特徴は多岐にわたりますが、主なものとしては以下のような点が挙げられます。

1)ポスト新自由主義の主な特徴

2)ポスト新自由主義の具体例

ポスト新自由主義の具体的な政策や取り組みは、国や地域によって様々ですが、以下のような例が挙げられます。

ポスト新自由主義は、まだ発展途上の概念であり、具体的な政策やその実現方法は議論の余地に多く残されています。しかし、新自由主義がもたらした課題を克服し、より良い社会を築くための重要な視点を提供しています。

4.格差社会とは 

「格差社会」とは、社会の構成員間で、所得、資産、教育、機会、地位などにおいて大きな格差が存在し、それが固定化または拡大傾向にある状態を指します。単に経済的な不平等だけでなく、社会の様々な側面における不平等を含む概念です。

1)格差社会の特徴

2)格差社会の原因

格差社会が生まれる原因は複合的ですが、主なものとして以下の点が挙げられます。

3)格差社会の影響

格差社会は、経済、社会、政治など様々な面に負の影響を及ぼします。

日本においても、バブル崩壊後から格差が拡大していると言われています。非正規雇用の増加、高齢化の進展、グローバル化の進展などがその要因として指摘されています。格差の拡大は、社会の活力低下や将来への不安につながるため、その是正に向けた取り組みが求められています。

5.レッセ・フェール型とは   p62

「レッセ・フェール(laissez-faire)」は、フランス語で「なすに任せよ」「干渉するな」という意味の言葉です。この言葉から派生した「レッセ・フェール型」という表現は、主に以下の2つの分野で使われます。

1)経済学におけるレッセ・フェール型(自由放任主義)

2)リーダーシップ・マネジメントにおけるレッセ・フェール型(放任型リーダーシップ)

このように、「レッセ・フェール型」は、経済学とリーダーシップ・マネジメントという異なる分野で使われますが、「干渉を避けて、個々の主体性に任せる」という共通の考え方を表しています。文脈によってどちらの意味で使われているかを理解することが重要です。

6.アメリカの分断の原因は、価値観と経済だと言われているが、具体的には、何が分断されているのか   p51

アメリカの分断の原因が価値観と経済にあると言われる場合、具体的に何が分断されているのか、以下に詳しく解説します。

1)価値観の分断

2)経済の分断

3)具体的な分断の例

これらの価値観と経済の分断は相互に影響し合い、政治的な対立を激化させ、社会の結束を弱める要因となっています。メディアの偏向やソーシャルメディアの普及も、人々の意見を先鋭化させ、分断を深める一因として指摘されています。

7.エスタブリッシュメントの罠とは     p55

「エスタブリッシュメントの罠」という言葉は、特定の状況や文脈において、確立された権力構造や体制(エスタブリッシュメント)が、意図せず、あるいは構造的に陥ってしまう問題やジレンマを指すことがあります。明確に定義された用語ではありませんが、以下のような意味合いで使われることが多いです。

1)一般的な意味合い

2)具体的な事例で考えられる「エスタブリッシュメントの罠」

3)「エスタブリッシュメントの罠」の特徴

「エスタブリッシュメントの罠」は、社会のあらゆる階層や組織において起こりうる普遍的な課題と言えるでしょう。常に変化する環境の中で、既存の成功体験や権威に固執することなく、柔軟な姿勢と外部からの視点を取り入れることの重要性を示唆しています。

8.ディープ・ステイト  p56

ディープ・ステイト(Deep State)」は、国家の政治指導部とは独立して、自身のagendaや目標を追求するために活動する、潜在的で、未承認で、場合によっては秘密の権力ネットワークを指す言葉です。

この用語は、1990年代にトルコで、民主主義に反する高レベルの連合を指す言葉として生まれましたが、その後、他の国々にも適用されるようになりました。

1)「ディープ・ステイト」という概念は、以下のような要素を含むことがあります。

2)「ディープ・ステイト」の捉え方には幅があり、以下のような議論があります。

3)「ディープ・ステイト」の例として挙げられることのあるもの

注意点

「ディープ・ステイト」は、その曖昧さから、政治的な議論においてレッテル貼りや不信感を煽るために使われることもあります。陰謀論的な側面が強調されることも多いため、その使用には注意が必要です。

9.ビスビューとフェドビューの違いは   p107

ビスビュー(BIS View)とフェドビュー(Fed View)は、金融政策における資産価格の扱いに関する対照的な考え方です。

■フェドビュー(Fed View)

■ビスビュー(BIS View)

 

10.薄なわれた30年  p118

「失われた30年」という言葉は、1990年代初頭のバブル崩壊以降、日本経済が長期にわたる低成長とデフレに苦しんだ期間を指す言葉として広く使われています。単なる経済の停滞だけでなく、政治、社会にも深い影を落としています。

1)経済

2)政治

3)社会

「失われた30年」は、日本経済、政治、社会の各方面にわたる複合的な問題であり、その影響は現在にも及んでいます。この期間の経験を踏まえ、日本が再び成長軌道に乗るためには、大胆な構造改革や新たな成長戦略が必要とされています。

11.ルイスの転換点とは?   p198

ルイスの転換点(Lewis Turning Point)とは、開発経済学におけるルイスモデル(二重経済モデル)において提唱された概念です。

ルイスモデルは、発展途上国経済を、労働力の豊富な伝統的な農業部門(余剰労働力)と、資本蓄積が進む近代的な工業部門に二分して分析します。経済発展の初期段階では、農業部門から工業部門へ労働力が無制限に供給されるため、工業部門では賃金が上がりにくいと考えられます。

しかし、工業部門の拡大とともに農業部門の余剰労働力が吸収され尽くし、農業部門からの労働力の供給が枯渇する時点がルイスの転換点です。この転換点を迎えると、工業部門は労働力を得るために賃上げをせざるを得なくなり、賃金上昇が加速します。

ルイスの転換点は、経済発展の段階を示す重要な指標とされており、この点を境に経済の構造や成長のパターンが大きく変化すると考えられています。具体的には、以下のような変化が起こり得ます。

近年では、中国などの新興国がルイスの転換点を迎えたかどうかについて議論されています。

12.マグニセント・セブン  p219

「マグニセント・セブン(Magnificent Seven)」とは、アメリカの株式市場において、特に大きな影響力を持つ巨大テクノロジー企業7社の総称です。これらの企業は、高い成長性や革新性で市場を牽引しており、投資家の注目を集めています。

一般的に「マグニセント・セブン」と呼ばれるのは以下の7社です。

  1. アップル (Apple – AAPL)
    iPhoneをはじめとする革新的な製品とサービスで世界をリードする巨大企業。
  2. マイクロソフト (Microsoft – MSFT)
    Windows OSやOffice製品、クラウドプラットフォームAzureなどを展開するソフトウェア・ITサービス企業。
  3. アルファベット (Alphabet – GOOGL/GOOG)
    Google検索エンジン、YouTube、Androidなどを運営するインターネット関連企業。
  4. アマゾン (Amazon – AMZN)
    世界最大級のECサイトに加え、クラウドサービスAWSも展開する巨大IT企業。
  5. エヌビディア (NVIDIA – NVDA)
    高性能GPU(グラフィックプロセッサ)で知られ、近年はAI分野でも重要な役割を担う半導体メーカー。
  6. メタ・プラットフォームズ (Meta Platforms – META)
    FacebookやInstagramなどのSNSを運営するソーシャルメディア企業。
  7. テスラ (Tesla – TSLA)
    電気自動車(EV)の先駆者であり、エネルギー事業も展開する革新的な企業。

これらの企業は、時価総額が非常に大きく、S&P 500などの主要な株価指数に大きな影響を与えています。また、その技術革新は経済全体にも波及効果をもたらすため、世界中の投資家や経済アナリストが動向を注視しています。

「マグニセント(Magnificent)」は「壮大な」「素晴らしい」という意味を持ち、これらの7社がアメリカのテクノロジー分野を牽引し、株式市場において目覚ましい存在感を示していることを表しています。

ちなみに、「マグニフィセント・セブン」という名称は、黒澤明監督の映画「七人の侍」のリメイクである西部劇「荒野の七人(The Magnificent Seven)」に由来すると言われています。

関連記事
【書籍紹介】NEXUS 情報の人類史 上: 人間のネットワーク  ユヴァル・ノア・ハラリ著


Sponsored Links




モバイルバージョンを終了