2026-02-10、
本日のお題は、日本の携帯業界において、特典目当てで短期間に乗り換えを繰り返す「ホッパー」の存在が議論を呼んでいます。私が思うに、「これはキャリア側の自業自得ではないか?」という指摘は、業界内やユーザーの間でも非常に多く聞かれる、極めて鋭い視点です。
なぜ「自業自得」と言えるのか、そして業界が今さら慌てて対策に乗り出している背景を整理しました。
日本の携帯業界における「ホッパー」とは、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)や新規契約時のキャッシュバック、端末の大幅割引といった特典を目当てに、短期間で通信会社を繰り返し乗り換えるユーザーを指す言葉です。
1. なぜ「自業自得」と言われるのか?
キャリア側がこれまで行ってきた施策そのものが、「ホッパー」という存在を「育成」してきた側面があります。
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新規優遇・既存軽視の構造 長年、日本の携帯業界は「釣った魚に餌をやらない」スタイルでした。
10年使い続ける長期利用者よりも、他社から乗り換えてくる新規客に数万円のキャッシュバックや端末代1円といった破格の条件を提示してきたため、「同じところに留まるのは損」という学習効果をユーザーに与えてしまった。 -
「数(純増数)」を追う過酷な競争 株主や市場に対して「契約者純増数」をアピールする必要があったため、現場の代理店には厳しいノルマが課された。
その結果、中身(継続利用)よりも、とりあえず契約件数を稼ぐために短期解約のリスクがある層にも特典をバラまくという、量重視の戦略を続けてきたツケが回っている。 -
総務省の施策との板挟み 「解約違約金の撤廃(上限1,100円から0円へ)」や「MNP転出手数料の無料化」など、総務省が進めた「流動性を高める施策」が、皮肉にも「ホッパー」にとってのハードルを極限まで下げてしまった。
2. キャリアが今、危機感を抱いている理由
直近(2026年2月時点)の決算会見などでも、ドコモやソフトバンクの社長が「ホッパー」に言及しています。
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販促費の「流出」への焦り 多額の獲得コスト(AC)をかけて契約を取っても、数ヶ月で他社へ逃げられては、通信料収入でコストを回収する前に赤字で終わってしまいます。
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利益率の低下 獲得コストばかりが膨らみ、ARPU(1ユーザーあたりの平均売上)が伸び悩む中、もはやホッパーを放置できない段階まで収益を圧迫しています。
3. 現在進行中の「対策」という名の軌道修正
今になって、キャリア各社は総務省を巻き込んでルール変更を求めています。
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「継続利用」を条件とした還元 これまでは「契約時に一括で還元」が主流でしたが、今後は「1年使ったら1万ポイント」「毎月分割で還元」といった、長く使わないと得をしない仕組みへの転換を訴えています。
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短期解約者へのペナルティ検討 いわゆる「ブラックリスト」による再契約拒否だけでなく、法的に「短期解約時の利益返還」などが認められるよう働きかけています。
■当然の帰結
キャリアが、まさに「蒔いた種を刈り取っている」状態と言えます。
「乗り換えがお得」というルールを自分たちで作っておきながら、いざそのルールを最大限に利用するユーザー(ホッパー)が増えると「不適切だ」と批判するのは、少し都合が良すぎるという批判が出るのも無理はありません。
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