2016年、キャリアの携帯電話料金は値下がりするか?
予想通りユーザーをなめた料金プランをだしてきたキャリアもいます。
1月7日、ソフトバンクは、データ通信をあまり利用しないユーザー向けに、データ量1ギガバイトのプランを新設すると発表した。1回5分以内の国内通話し放題プランと合わせ、月額4900円で提供する。
Sponsored Links
スマートフォンは、白物家電と違い、パソコンを小さくして、通話機能をおまけで付けた商品です。
1.スマートフォンのような新製品・新技術を市場に浸透させるには
「新製品・新技術を市場に浸透させるため」と有りますが、ここが重要なポイントで、マーケティング理論では、「購入」したかどうかが、市場に浸透したかどうかの判断基準で、購入した人々が、「活用」できているかどうかまでは、ほぼ考慮されていないのではないかと思います。
※「イノベーター理論」とは
1962年、スタンフォード大学の社会学者エベレット・M・ロジャース教授が、『Diffusion of Innovations』(邦題『イノベーション普及学』)で提唱した「イノベーター理論」で、消費者の商品購入に対する態度を元に新商品に対する購入の早い順から、5つのタイプに分類しています。
「イノベーター理論」では、イノベーターとアーリーアダプターの2つの層を合わせた状態にまで普及した、この普及率16%超の段階で、新技術や新流行は急激に市場に拡散して行き、いかに、この2つの層に、アピールするかが新製品普及のポイントである(「普及率16%の論理」) とされてきたこの理論。
<参照記事>
http://marketingis.jp/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%90%86%E8%AB%96
・イノベーター(Innovators:革新者) ・・ 全体の2.5%を構成(しかし、数百人〜1000人程度)
新しいものを進んで採用する革新的採用者のグループ ちゃんと活用する努力ができる。
・アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者) ・・・・全体の13.5%を構成(実際は1%にも満たない)
流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断する初期少数採用者のグループ。
・アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者) ・・・全体の34.0%を構成(実際は30%以下)
新しい様式の採用には比較的慎重な初期多数採用者のグループ。
・レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者) ・・・・全体の34.0%を構成(実際は35%以上)
新しい様式の採用には懐疑的で、周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。
<実態>
※ネットで買い物は、たまにモールで。必要なときのみアクセス。
※ソーシャルはLINEなど身内のみでやっている → バカッター存在域。
※テレビはよく見るけど、年齢が高い層は新聞も読む。
※芸能人のブログとかは見るし、モバイルゲームはする。
※マイルドヤンキー、主婦、若い女性に多い感じ。
・ラガード(Laggards:遅滞者) ・・・・・ 全体の16.0%を構成(実際は30%以上)
採用遅滞者のグループ。
世の中の動きに関心が薄く、流行が一般化するまで採用しない。
中には、最後まで流行不採用を貫く者もいる。
<実態>
※ガラケーで一応天気予報とかは見ている感じ?
※ほぼテレビのみ
2.日本のキャリアのユーザーの見方は
キャリアは、もちろん日本のユーザーの殆どは、レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)、ラガード(Laggards:遅滞者)だと思っている為、訳の分からない料金プランを平気で出してくるのです。
まあ、もっと安い、MVNOには、頭が悪いから、移動できないだろうとしか思っていないのです。 現にそうですが。。。。。。
これで、MVNOに移行するユーザーが大量に発生すれば、焦るだろうが、移動しないと、たかをくくっているのです。
でも、レイトマジョリティ、ラガートが、サッサとMVNOに、地球がひっくり返っても移動する訳が有りません。
だって、この階層のユーザーは、何にも、訳わかんないんですから。。。。
3.料金を高止まりにしてくる訳は?
結局、端末代金「実質0円」はできなくなるが、「端末を安売りしないと、誰も契約してくれない」と云う事が分かっているので、端末代金を安くするための原資を確保する目的が有るのです。 端末の実質負担金というやつです。
使いこなせもしない、レイトマジョリティ、ラガートが、ハイエンドの10万円もする端末を安くしないと、購入してくれる訳が無い事を、十分承知しているからです。
4.通話と1GBまでのデータ通信が利用できる月額4900円(税別)のプラン? 誰が使うの?
他のキャリアも、まあ、ユーザーの見方は、同じですので、平気で、トンチンカンなプランで料金を取るのでしょうね。
1GBで、4,900円(国内の5分以内の通話がし放題。。。5分はちょっときつい)だと?
何故、何だこれ。。。。か?
AndroidもiOSも、スマホは、バックグラウンド(自分が使用していなくても裏で通信をしている)での通信が、けっこう多いし、毎日使うとすると、1GBはあっという間に超えてしまうので、もちろん外出先でスマホを頻繁に使う人には1GBプランは、ありえないでしょう。。。
家では、固定回線のネットワークを使用したとしても、1GBは危ない。
※ソフトバンクの場合、子会社の「Y!mobile」の方が、断然、安い!
10分以内の国内通話が、月300回まで無料
・スマホプラン S 2,980円 (1GBまで)
・スマホプラン M 3,980円 (3GBまで)
・スマホプラン L 5,980円 (7GBまで)
同じ、1GBのプランだと、4,900円 – 2,980円 = 1,920円も安い。
5.結果、こんな、ざまになってくる。
「お前、どう考えても、スマートフォンなんて必要ないだろう!!」と云う奴まで、ユーザーになっているので、らちがあきません。。。。。
大多数を占める、レイトマジョリティ、ラガートが、賢く変わらない限り、「土管屋」のユーザーを「なめきった」考え方は、一生変わらないでしょう。
–関連記事—
・2016年、キャリアの携帯電話料金は値下がりするか?
・総務省の「携帯電話値下げ議論」が決着、「値下げ」提言 本当に安くなるか?
・ついに出ました!! 総務省が、携帯端末の過剰な値下げによる「実質ゼロ円」での販売を禁止に、違反なら業務改善命令、総務省が指針制定へ
Sponsored Links