テクノロジーは貧困を救わない方が多いのではないか?。。。というお題です。
もし、貧困を救う可能性があるとしたら、究極の方法ですが「人工知能」とセットで進化すると怖い「ゲノム編集」ではないでしょうか。
なぜなら、人類の平和な国における「格差による貧困」を救うには、ベーシックインカムのような制度を導入するか、危険ですが生まれや育った環境に影響されない様に人間の「体」と「脳」を改良して性能差を少なくすることによる方法で解消するかです。
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1.去年1年、「人工知能」の話題が大きく取り上げられました。
シンギュラリティ(技術的特異点)に達するのは、何時なのか? と云う前に、何を持ってシンギュラリティなのか? なにかできるて、何ができないのか が重要な定義が無いのです。
分かりやすき云えば「考えている」のではなく、コンピューターの最も得意とする「計算(統計処理)」をしている段階です。
例えば「人工知能(AI)」に、オートファジーやブラックホールの研究をしてくれと伝えて、AIが研究結果を発表する話は、いまだ聞いたことが有りません。
もっとわかりやすく云えば、今の世界中の研究者が、なせ? どうして? と云う疑問を「人工知能(AI)」も同じように疑問を持って、自ら研究してくれるか。。。です。
指示すればデータ処理はしてくれるでしょうが、全然できないでしょう。だから、こんなの「人工知能(AI)」ではない。 まだ、ただの計算機です。
1)「人工知能」の活躍?
2016年、囲碁の世界では、人間に勝つのは、あと10年かかると云われたのが、Google DeepMindが開発したAlphaGo(アルファ碁)が1年で勝ってしまいました。
2)「人工知能」って何?
でも、ちょっと「人工知能(AI)」と云う言い方に違和感があります。 本当に人工知能なんだろうか? ディープラーニング(深層学習)と云っていますが、これは未だ人間の知能とは、程遠い状態なのではないかという疑問が残ります。
人間の脳神経のネットワーク構造を少しまねていますが、「人工知能(AI)」には、側坐核、海馬、偏桃体もありません。確かに細胞(ニューロン)の中に情報伝達はイオンと云うデジタル信号ですが、細胞と細胞を繋ぐシナプスは、脳内の神経伝達物質が放出されて、情報が次の細胞に伝わるアナログ回路でもあります。人間の脳の構造、働きもまだ不明な処がたくさんある中で、まだまだ不完全でしょう。
3)「知能」って何?
まあ、人間様でも「知恵」と「知識」のバランスの良くない人間が大勢いるが、「知恵」と「知識」の両方が兼ね備えられていて、バランスよく機能するのか?
人間の行動は、五感と云うセンサーから脳が情報を受け取り、大脳皮質、側坐核、海馬、偏桃体などの脳内の器官が伝達物質によって作用しあって動いていますが、じゃあ、「意識」がどこにあるのか? まだ正確には分かっていません。
システムでとらえると、人間の場合、情報をインプットするための器官(五感)、それを処理するのは「脳」で、アウトプットするための器官も、五感を含めた「体」です。
情報を処理する脳は、五感以外にも、内臓の中に住んでいる細菌からも影響を確実に受けています。 遺伝子、食べた物、環境も人それぞれ違います。
もっと、言えば、脳の配線(神経ネットワーク)も、人それぞれで違います。配線に障害をもった人もいます。 脳の配線が、人と違っていても優秀な方もたくさんいますが。
人類はこのような、多様性の中で、進化?してきていますが、これが「人工知能」に置き換わった場合、この多様性が確保できるのか? 多様性が無い方が上手くゆくのか?
人類の一番の特徴。。「欲望」をなくした、善意に満ちた「人工知能」が作れるのか、そしてそれが果たして、人工知能と呼べるのか。。。欲望、感情(怒り、悲しみ、喜び)を消し去った「人工知能」が、人間の代わりになるのかです。
2.テクノロジーが、なぜ貧困を救わないか。
1)国が貧しいことによる教育が行き届かない国の格差による貧困
2)戦争で国を追われ、難民になることによる貧困
3)一見、平和で豊かな国で、格差による貧困
この資本主義、民主主義を掲げる豊な国家でさえも、格差による貧困が無くならない。
18世紀後半のイギリスに始まる産業革命以降、確かに豊かな社会になりましたが、いま、富める国の中でも格差の問題が大きく取り上げられています。
コンピューターと云うテクノロジーが、軍事利用から発展して、アメリカを中心とした金融市場をグローバル化して、冨の格差が広がっています。
一番注意しなければならない視点は、テクノロジーは、まず「金儲け」の為に進化するという事です。 ほぼ、慈善事業で進化しません。戦争も云わば、物資が激しく消耗・消費しますので最大の金儲けの手段です。
コンピューターも、スマートフォンと云う小さなデバイスに進化したが、貧困を救ったでしょうか? バカが増えただけでしょう。 「脳」の「貧困」が加速しただけでしょう。
テクノロジーの最たる「人工知能」でも、貧困は救えないのです。
テクノロジーは、強者が、金儲けをするための道具として進化して、その「おこぼれ」を弱者が拾うのです。独り勝ちを絶対に許さない「人工知能」なんて作る訳がないでしょう。
—関連記事—
・ルポライター鈴木 大介さん「貧困に喘ぐ人と「支援者」がすれ違う根本理由」の記事を読んで、支援の難しさについて
・ETV特集 「私たちは買われた~少女たちの企画展」が、放送されたのを観ました。
3.今、一番怖い研究は、「ゲノム編集」です。
このような、人間の遺伝子に関わる研究を「人工知能」が始めだしたらどうなるのかです。
人間の手と頭で行っている様々な基礎研究、特に医学に関する研究では、ゲノムの解析にコンピューターを使っておかげで、飛躍的に進歩しましたが、どの遺伝子が、どこに作用しているかまでは、いまだ不明な部分が大多数です。
それを「人工知能」が解析してくれる? まだまだ、研究者の「頭脳」にはかなわないでしょう。
生物の人類の生命としての根幹である「遺伝子」を変更できるようになれば、人類自体も変わってしまいます。 そうすれば、「人工知能」とは言えなくなる。
「創造主」になってしまいます。
「人工知能(AI)」の進歩も重要な課題ですが、今まで、「ゲノム編集」など、どうしてもできないことまでできる様になったとき、病気の人間を救うどころか、人間を改造できるところまで進歩すれば、初めて貧困を救う事ができる様になるかもしれません。
貧困の原因は、教育の問題だけではなく、劣悪な環境にもよります。 もし、その障害やダメージを受けた「脳」を通常の生活を送っている人間の「脳」に戻す事ができるのなら、その人間を貧困から救えるように思います。
社会のシステムで救えなかった貧困を「遺伝子」を変更することで救う。
もうこの方法しか残っていないように思いますが、余りにも危険すぎて、やってはいけない事のように思います。
自動運転の自動車ができたり、囲碁の世界で人間に勝っても、大したことではありません。
こうなれば便利で良いな。。。のレベルではなく、未だに分かっていない研究まで「人工知能」が、できる様になった時です。
一番怖いのは、生命の人類の根幹にかかわるバイオテクノロジーの基礎研究まで「人工知能」ができる様になることです。
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