サイボウズ株式会社が提供している「キントーン(kintone)」を中小零細企業向けに、盛んにテレビCMが流れているが、採用するに当たり、業務用データベースとして、どちらが良いのか?
今や、十数人の会社でも、顧客を扱う仕事をしていれば、業務用データベースが必要になります。
業務用データベースと言っても、顧客を管理するデータベース、見積・売上請求(請求書発行)書を作成するデータベース、在庫・発注を管理するデータベースなど、自社の業務で必要なのは色々です。
本来なら、このようにすべての業務を統合できるようにデータベースを構築できれば一番いいのですが。
1.私の場合、中小零細企業に「Access」で作成した業務用データベースシステムを使っていただいています。
私のAccessで作成したシステムは、顧客管理、売上請求管理、在庫管理 発注管理、商品や設備の保守メンテ管理など多数の業務に対応しています。
ただ、会社ではなく、個人事業主ですので、私がいつまでも生きていて、面倒を見ることが、できなくなりますので、このようなお客様には、なるべく、代替えのシステムに移行していただきたいのですが、システムなど作ったことのない社員、経営者に言ってもできるはずもなく、そんな意味では、テレビの宣伝通リ、キントーンは、プログラムなど作れなくてもできると言っているのですが、普通の知能でたした頭の良くない人間でも本当に業務アプリを作れるのかと云う疑問も湧いてきます。
ただ、オフィスソフトのEXCELなどで、データベース的な物を作成している能力が有れば、大丈夫だと思います。 それ以下は、そうとう勉強しないと無理でしょう。
「キントーン」を使い、私のAccessで作ったシステムと同じように、便利な機能もそっくりに「処理アプリ」を作れるかどうか? 多分、無理でしょう。 あとは、どの程度、無理なのか、納得して、指導をしながら自分たちでキントーンを使い、業務アプリを作れるかどうかですが、やる気の無い人を説得するのも、時間の無駄な様な気もします。
「Access」使いの私の立場からすれば、「キントーン」は、エントリー(登録)画面などを作るのは、基本表(データテーブル)があれば、すぐに作れるでしょうが、そのあとの細かな処理が、ちゃんとできるかどうか? です。 この細かい処理と言っても、Accessを使ったことのない人から見れば、便利さを知らないので、何が便利か気が付かずにそれはそれで良いのかと思います。後になってから、こんな事したい、あんなことしたいと機能を思い付けば別ですが。
もう一つ。
マイクロシフト社も言っている様に、「Microsoft Access」も、元々、コンシュマー向けのデータベースを作成する為のシステムで、プロのエンジニアでなくても作れるようになっています。 ですが、データベースの知識もない人間が作るのは、敷居が高いのです。なぜなら、あまりにも覚える事が多いからで、難解ではないが、頭が緻密でない人間には無理でしょう。
2.2つのシステムの違いは
Microsoftのデータベースシステム 「Access」と「キントーン」の違いとメリットとデメリットは。 どんな細かな処理がキントーンでできないのか?
まず、大きな違いはキントーンは、ブラウザを使用したWebデータベースシステムです。ですので、いつでもどこでも、色々な端末からアクセスする事が可能です。
Accessは、事務所内の有線ローカルエリアネットワーク内で共有して使用します。
1)Microsoft Accessとキントーンの違い
Microsoft Accessは、複数のデータベースをリレーション(関連付け)して管理できるデータベースソフトです。
一方、キントーンは、「データベース+ワークフロー+コミュニケーション」が一つになったクラウドシステムで、Accessとはデータベースの得意分野が異なります。
この違い、上記の説明で分かりますか?
Accessはあくまでも、社内のローカルネットワーク上のサーバーにデータを格納して、共有して使用するのですが、キントーンはクラウドのサーバー上にデータとプログラムがあり、種々の端末から読み込んで、共有して使用できるというメリットがあります。
<Accessの場合のネットワーク構成>
Microsoft Accessとキントーンは、それぞれ異なる特性と利点を持つデータベース管理システムです。どちらがより柔軟かは、具体的な使用状況や要件によります。
2)Microsoft Accessについて
Accessはマイクロソフト社によってリリースされたデータ管理ソフトで、GUIを用いて手軽にデータベースを作れる特長があります。
・SQLをサポートしており、高度なデータ操作が可能です。
・VBAプログラミングをサポートしており、カスタマイズ可能です。
しかし、Accessは一定レベルのプログラミング知識が必要で、敷居が高く感じられることがあります。
また、Accessのデータベースは、容量に一定の限界があるため、特に大規模なビジネスや、大量のデータを日々処理するような状況には向きません。レコード数が、数十万件程度でしたら問題ない。
■Accessで作成した顧客情報の入力画面(サービス情報データと連結して連動している)
この画面から、設備の保守専用画面、見積や請求管理画面にも、データを登録して、アクセスして表示することが可能になっています。
3)キントーンについては
ノーコード(プログラミング不要)で業務用アプリを簡単に開発できるクラウドサービスです。
・ドラッグ&ドロップだけで自社の業務に合ったアプリを作れるだけでなく、クラウド上で動作しているためいつどの端末から見ても最新の情報を確認できます。
・キントーンには豊富なプラグインが用意されており、またJavaScriptやAPIを利用して様々な外部サービスや基幹システムと連携できます。
したがって、Accessはプログラミング知識がある場合や、小規模から中規模のビジネスに適しています。一方、キントーンはプログラミング知識がなくても使いやすく、また大規模なデータの管理や関連付け、複雑なデータ操作に優れています。どちらがより柔軟かは、具体的な使用状況や要件によります。ご自身のニーズに最も適したツールを選択することをお勧めします。
3.2つそれぞれのメリットとデメリットは
1)Microsoft Accessのメリットとデメリット
・メリット:
Accessにはデータベースのフォーマットの他、フォーム、レポートの作成機能が搭載されており、システム開発を行うことも可能です。低価格で開発を行うことが可能です。
・デメリット:
まず、覚えることが多すぎて、使えるようになるまで、相当な時間がかかる。
AccessはExcelよりも使い勝手がよい反面、入力方法などの制約や条件が存在しており、作業によってはExcelで事足りるため、データベース作成において万能であるというわけではありません。
2)キントーンのメリットとデメリット
・メリット:
キントーンは、企業の業務効率化に寄与する便利なツールで、各種ネットワーク対応の端末からもアクセスできるのが便利です。
・デメリット:
大きなデメリットとして、各種システムとの連携を強化する際には、作業負担が大幅に増加する可能性があります。
また、管理対象データ量が増えると、キントーン自体がボトルネックとなるリスクがあります。
さらに、誰でもアプリが作成できるということは、データベース設計の知識のない方でもアプリが作成できるということなのです。その結果、適切なマスターデータの切り出しを行わず、重複データがキントーン内に発生する可能性があります。
これは、Accessでも、データベース設計の知識のない方が作ると、後で大変なことになりますので、同じですね。
3)キントーンでできない処理:
キントーンはUI(ユーザーインターフェース)の自由度が高くないです。
プラグインを利用することで多少改善することは可能ですが、キントーン標準のユーザーインタフェイス(UI)は最低限の機能しかなく自由度が高くありません。
キントーンはフィールド数など制限があります。クラウドサービスの都合上、フィールド数は最大500まで等の制限があります。 500あれば何とかなりますが。
キントーンは大量のデータを扱うには不向きです。「キントーンをデータベースとして使う」にも書きましたが、1アプリのレコード件数が100万件を超えるとパフォーマンスが悪化します。 100万件も超える事は少ないでしょう。
4.プログラミング知識が必要ですか?
Microsoft Accessとキントーンの使用に関してプログラミング知識が必要かどうかは、どの程度の機能を利用したいかによります。 キントーンは、ノーコードプラットフォームと言われていますが、使いやすくするために、高度な機能やカスタマイズを行いたい場合は、一定のプログラミング知識が必要になるのですが、問題はどのレベルで使用するかも検討する必要があるでしょう。
1)Microsoft Access:
- Accessは、基本的なデータベースの作成と管理はGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使用して直感的に行うことができます。
- しかし、より高度な機能やカスタマイズを行うためには、VBA(Visual Basic for Applications)というプログラミング言語の知識が必要になることがあります。
しかし、高度な機能でなくても、VBAという言語を使いますが、サンプルプログラムがあれば、同じようにコピーして貼り付けて、項目名などを直せば、一からコードを書けなくても実現可能ですので、プログラムのロジックを記述出来なくても、大丈夫です。
こう記述すれば、この機能が実現出来ると言う事を覚えていれば良いだけです。
2)キントーン:
- キントーンは、プログラミング知識がなくても直感的に業務アプリを構築できるノーコードプラットフォームです。
- ただし、より高度なカスタマイズや他のシステムとの連携を行うためには、JavaScriptやAPIの知識が必要になることがあります。
したがって、基本的な機能を使用するだけであれば、プログラミング知識は必要ありません。しかし、より高度な機能やカスタマイズを行いたい場合は、一定のプログラミング知識が必要になることがあります。
5.Accessとキントーン、どちらがより使いやすいか?
Microsoft Accessとキントーンの使いやすさは、ユーザーのニーズやスキルセットに大きく依存します。以下にそれぞれの特徴をまとめてみました。
1)Microsoft Access:
Accessは、Excelよりも大量のデータを扱うことができるマイクロソフトのデータベース管理ソフトウェアです。
データベースの学習をあまりしたことがない入門者でも、学習しやすく、マクロなどで自動化することで業務の効率化を図ることができます。ですが、ちゃんと「勉強できない方」には無理かと思います。
Accessでは、データの追加や検索、変更、削除といった、データベースを作成・管理できるように工夫されています。
Accessは、関係データベース管理システム(RDBMS)の一つで、プログラマーでない人が使うアプリケーションとしての側面も強く、複雑なコマンドやコーディングをしなくても、データの追加や検索、変更、削除といった、データベースを作成・管理できるように工夫されています。
2)キントーン
キントーンは、プログラミング知識がなくても直感的に業務アプリを構築できる業務改善ツールです。
簡単かつスピーディーに自社システムを作成でき、他のシステムとも容易に連動できる点が特徴です。
一部では「使いにくい」という声もありますが、使いにくい部分は自分たちで改善・改修を行うことができるため導入失敗に終わることはありません。
キントーンを利用するのに、特別なスキルや知識は必要ありません。部署や立場、スキルに関わらず、現場の担当者がマウス操作で使い始めることができます
どちらのツールも一長一短がありますので、具体的な使用目的や、どのような機能が必要かによって選択すると良いでしょう。また、両方のツールは試用版が提供されていますので、実際に試してみることをお勧めします。
6.キントーンでできない処理 とは具体的に別ファイルを項目内の項目で検索して参照して画面を表示することができるのか
キントーンでは、特定のアプリやスペース内でデータを検索することが可能です。しかし、別のアプリのレコードを直接参照する機能は基本的に提供されていません。
具体的には、キントーンの標準機能では以下のような検索が可能です:
- 全体検索: ポータル画面右上の「全体検索」窓で検索をすると、kintone内の情報が全てごったになって出てきます。
- アプリ内検索: アプリ内の情報を検索したい時には、アプリを開いた右上にある検索窓を活用します。
- スペース内検索: 特定のスペース内で全ての情報について検索をかけることができます。
- 絞り込み検索: レコード一覧画面で、「絞り込む」アイコンをクリックすると、レコードを絞り込む条件(フィールド)を指定できます。
しかし、これらの検索機能は同一のアプリ内、または特定のスペース内のデータに対してのみ有効であり、別のアプリのレコードを直接参照することは基本的にできません。そのため、「別ファイルを項目内の項目で検索して参照して画面を表示する」ことは、キントーンの標準機能では難しいと言えます。
ただし、一部のプラグインやカスタマイズにより、別のアプリのレコードを参照するような機能を追加することも可能です。具体的な方法や可能性については、キントーンの公式ドキュメンテーションや開発者向けのリソースを参照するか、キントーンのサポートに問い合わせることをお勧めします。ただし、これらのカスタマイズは専門的な知識を必要とする場合がありますので、ご注意ください。
7.Microsoft Accessとキントーンのセキュリティについては、それぞれ異なる特性と対策があります。
1)Microsoft Accessのセキュリティ
- Accessは、データベースファイルを開くときにセキュリティ警告が表示され、VBやマクロなどの処理が無効モードになります。これにより、データベースファイルに悪意のあるプログラムが含まれている場合でも、そのプログラムの実行を阻止できます。
- Accessでは、信頼できる場所(第三者が侵入できない安全なフォルダー)を設定でき、その場所にデータベースファイルを保存することで、データベースファイルを開いたときに無効モードにならないようにすることができます。
アクセスの場合、プログラムシステムとデータを分離して使用できる。環境は、あくまでも、有線のローカルネットワーク上に、ファイルサーバーにデータを格納して共有できるようにして使います。これが一番安定した使い方です。
2)キントーンのセキュリティ:
- キントーンは、IPアドレス制限やクライアント証明書による制限、サブドメインを利用したURL分散、BASIC認証など二重三重のセキュリティ対策を行っています。
- キントーンでは、データセンターが何らかの理由でシャットダウンしてしまった場合、保存していたデータはすべて消失します。そのため、4重のバックアップ体制でサービス利用者のデータを守っています。
どちらがより安全かは、具体的な使用状況や要件によります。それぞれのシステムのセキュリティ特性を理解し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。また、どちらのシステムも定期的なセキュリティ更新が必要であり、ユーザー自身がセキュリティ対策を怠らないことも大切です。
8.Accessとキントーンの価格は?
予算と言っても、まずシステムを購入するのは、Accessだと¥20,590 (税込)程度です。でもAccessを覚えてデータベースシステムを構築する費用と工数もいれると、使い方を覚えて使えるようになるまで、半年から1年間は必要です。
キントーンは、初期費用は安いでしょうが、使う人数によって、「月額の使用料金」が発生します。
1)Microsoft Access
- Microsoft公式サイトによると、Access 2021の単体価格は、¥20,590 (税込)です。
- また、Microsoft 365のサブスクリプションを利用すると、Accessを含む他のOffice製品(Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)と1TBのクラウドストレージを利用できます。
2)キントーン
- キントーンのスタンダードコースの場合、初期費用は無料で、ユーザーあたりの費用は月額1,500円です。導入は最低5ユーザーからになりますので、最低でも毎月7,500円の費用がかかります。
- ライトコースの場合、ユーザーあたりの費用は月額780円です。
これらの価格は変動する可能性がありますので、最新の情報を得るためには各製品の公式ウェブサイトをご覧ください。また、どちらの製品も追加の機能やサービスを利用する場合、追加の費用が発生することがあります。
最後に、
以前から「キントーン」は、プリンター複合機の会社「リコー」でも、金は掛かりますが、導入支援をしていますので、相談してみると良いのでないでしょうか。
私も導入支援は致しますが、料金はしっかり頂きます。
導入支援と言っても、システムが無いところから、作るのか、今のシステムを置き換えるのかです。 初めて作る場合でも、どの様な業務で、何を管理したいのか、ここから聞き取りをして、提案するところから始まりますね。
■キントーン
https://kintone.cybozu.co.jp/
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