2025-10-08、
本日の書籍紹介は、『ホモ・サピエンス30万年、栄光と破滅の物語 人類帝国衰亡史』 ヘンリー・ジー著
私の大好物の人類学の書籍です。人類学とは、人類の進化や生物学的側面を研究する「自然人類学」と人類の社会的・文化的側面を研究する「文化人類学(社会人類学)」の大別されます。
私の場合、この「人類学」というジャンル、自然人類学、文化人類学(社会人類学)、更に言語学や考古学、民俗学や民族学、芸能も包括するのですが、どちらかと云えば、生物学的特性について研究対象とする「自然人類学」の方が好みですが「文化人類学」も大切です。
私の知っている学者で云えば、「ジャレド・ダイアモンド(進化生物学・生物地理学)」博士は「自然人類学」ですが、「デヴィッド・グレーバー」氏と「クロード・レヴィ=ストロース(故人)」氏はどちらかと云うと、文化人類学(社会人類学)の巨匠で、彼らの著書は読んでいます。
人類の歴史を壮大な成功物語と捉えつつも、実際には「借りものの時間」を生きてきたという警鐘を鳴らし、人類が絶滅に向かう運命にあることを科学的に考察するサイエンス・ノンフィクションです。
人類は「借りものの時間」を生きている
- 地球規模の支配を築いた人類の歴史は成功に見えるが、その成功の裏で、ホモ・サピエンスは本質的に脆弱な種であり、ずっと「借りものの時間」を生きてきたと論じています。
- 何千年も続いた栄光は今や終わりが近づいているという危機感を示しています。
■前作『超圧縮 地球生物全史』:
地球誕生(46億年前)から生命の誕生(約38億年前)を経て、ホモ・サピエンスの終末(未来の絶滅)に至るまでの全歴史をわずか一冊に凝縮して記載したサイエンス書です。
【目次】
プロローグ
第1部 台頭
1章 人類という家族
2章 ヒト属
3章 横並び、そして生き延びた者
4章 最後に生き残った人類
第2部 凋落
5章 農業―最初の犠牲
6章 病弱で、寄生虫まみれ、感染症にも悩まされる
7章 崖っぷち
8章 崖っぷちを越えて
9章 崩壊の先にあるもの
第3部 脱出
10章 未来への鍵を握るのは…
11章 新たな一歩を踏み出す
12章 人類の生存領域を広げる
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第1部 台頭、第2部 凋落、第3部 脱出の3部で構成されており、人類の起源から絶滅を回避するための方法までを探求しています。
著者紹介:ヘンリー・ジー (Henry Gee)
専門分野:古生物学、進化生物学
学位:ケンブリッジ大学にて博士号 (Ph.D.) を取得主な職歴
1987年より科学雑誌**『ネイチャー (Nature)』の編集部に参加し、現在は生物学シニアエディター**を務める
受賞歴前作:『超圧縮 地球生物全史』で王立協会科学図書賞を受賞
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