2025-08-20、
本日のお題は、生成AIを役に立つように活用する上でのコツや秘密について
ただ単に、何気なく、生成AIの「プロンプト」に質問を投げかけていましたが、調べてみると色々なコツと云うか、独特のやり方がありますのでそれを記載してみましたので、AIに質問をするときに参考にして下さい。
1.プロンプトエンジニアリングのテクニック
生成AIから正確で役に立つ回答を引き出すには、「プロンプトエンジニアリング」のテクニックが不可欠です。AIへの指示は、人間への指示と同様に、具体的であればあるほど良い結果につながります。
1)役割(ペルソナ)を与える
まずAIに、そのタスクにおける役割や立場を指定することで、回答のトーンや内容をより適切に誘導できます。これにより、AIは質問の背景を理解し、その役割に合った質の高い回答を出力してくれます。
例:
悪い例: 「シチューの作り方を教えてください。」
良い例: 「あなたは一流の料理研究家です。家族が喜ぶ美味しいシチューの作り方を、プロの視点から教えてください。」
<補足説明> ペルソナの意味
■ペルソナは元々、ユングの提唱した心理学用語です。
仮面を意味する「Persona」からうまれた言葉で、人間の「外的側面」「内側に潜む自分」がペルソナだと定義されています。
「社会に適応するために身につける、外向けの顔」これは、私たちが社会生活を送るうえで、役割を演じるための仮面のようなものです。
■「マーケティング用語」としては、商品やサービスを利用している典型的なユーザー像のことを意味します。
この文脈では、「理想の顧客像」を意味します。
単なる「20代女性」といった大まかな顧客層ではなく、より具体的で詳細な人物像を設定します。
・氏名、年齢、職業、家族構成
・趣味、ライフスタイル
・価値観、悩み、目標
・情報収集の方法(SNS、雑誌、Webサイトなど)
このように詳細なペルソナを設定することで、その人物がどのような商品やサービスを必要としているのか、どのようなメッセージが響くのかを具体的にイメージできます。その結果、より効果的な商品開発やマーケティング戦略を立てることが可能になります。
2)具体的な条件と制約を設ける
「具体的な状況」「文字数」「形式」などを明確に指示することで、あいまいな回答を防ぎ、求めている情報に絞り込めます。
例:
悪い例: 「ウェブサイトのデザイン案を教えてください。」
良い例: 「モダンでミニマルなスタイルのポートフォリオサイトのデザイン案を3つ提案してください。使用する色は白と青をベースにし、ナビゲーションがシンプルで視覚的にクリーンなものにしてください。」
3)肯定的な表現と具体例を提示する
「〜しないでください」といった否定的な表現よりも、「〜してください」という肯定的な表現を使うことで、AIはポジティブな方向で解釈し、意図を汲み取りやすくなります。また、いくつかの具体例を示すことで、AIはどのような回答を求めているのかをより正確に理解できます。
例:
悪い例: 「専門用語を使わないでください。」
良い例: 「小学生にもわかるように、やさしい言葉で説明してください。」
プロンプトを組み立てる際のテンプレート
これらのポイントを踏まえ、以下のテンプレートを参考にプロンプトを作成すると、より効果的です。
(1)役割設定(Role) : 「あなたは〜です。」
(2)指示(Instruction) : 「〜してください。」
(3)背景情報(Context): 「〜という状況で、〜を考慮してください。」
(4)出力形式(Format) : 「〜な形式で(例:箇条書き、300字以内)回答してください。」
テンプレートの活用例:
「あなたは優秀なデジタルマーケティング担当者です。
若年層向けの新しいマーケティングキャンペーンのアイデアを5つ提案してください。
キャンペーンはソーシャルメディアでのプロモーションに適しており、予算は10万円以内とします。
各アイデアについて、ターゲット層、具体的なプロモーション内容、期待される効果を箇条書きでまとめてください。」
このように、具体的で明確な指示を積み重ねていくことで、生成AIはあなたの意図を正確に理解し、期待に応える回答を出してくれるでしょう。
プロンプトエンジニアリングは、一度で完璧な答えを得ようとするのではなく、試行錯誤を繰り返しながらより良いプロンプトを設計していくプロセスです。ぜひ色々なパターンを試してみてください。
2.ハルシネーション(AIが事実ではない情報を生成すること)の抑制
生成AIをより効果的に活用するためには、ハルシネーション(AIが事実ではない情報を生成すること)の抑制や、回答の質の向上を目的とした様々なテクニックがあります。
私自身は、このハルシネーションを防ぐ方法の一つとして、普通の人は中々できないと思いますが、色々なジャンルの書籍を読む事だと思います。 AIに質問して、たまに間違っている事に気が付くことがあり、速攻、違うのでは、こうではと入力すると、「すいませんでした」とちゃんと謝ってきます。 一番良いのは、自分が詳しく知っていることを質問してみると面白いでしょう。間違い探しをするのです。
■ハルシネーションを抑制する方法
ハルシネーションは、AIが学習したデータに基づいて最もらしいが事実ではない情報を生成する現象です。これを防ぐためには、以下のようなプロンプトエンジニアリングの工夫が有効です。
1)参照元や情報の制約を与える
AIに回答の根拠となる情報源を明確に指定することで、不確かな情報の生成を防ぐことができます。
例: 「以下の文章の内容に基づいて、要約を箇条書きで作成してください。もし文章にない情報であれば、その旨を明記してください。」
この手法は、AIを情報の「要約者」や「抽出者」として使う際に特に有効です。
2)回答の不確実性を表現させる
AIに「わからない」という選択肢を与えることで、誤った情報を断定的に回答するリスクを減らせます。
例: 「もし確信が持てない場合は、『この情報については確信が持てません』と回答してください。」
3) ステップバイステップの思考を促す
複雑な問題に対しては、いきなり結論を求めるのではなく、段階的に思考させることで、論理の飛躍や誤った結論を避けられます。
例: 「まず、この問題の前提条件を3つに分解してください。次に、それぞれの条件がどのように関連しているか説明してください。最後に、それらの分析に基づいて結論を導き出してください。」
これは「Chain of Thought(思考の連鎖)」と呼ばれる手法で、AIの思考プロセスを可視化し、論理的な回答を促します。
3.回答の質を高めるその他のテクニック
1)肯定的な指示と否定的な指示の組み合わせ
「〜しないでください」といった否定的な表現は避けるべきですが、特定の文脈では組み合わせることで、より望ましい回答に誘導できます。
例: 「製品の特徴を説明してください。ただし、技術的な専門用語は使わないでください。」
この場合、否定的な指示は「簡潔でわかりやすい説明」という肯定的な目標を達成するための制約として機能します。
2)回答の意図を明確に伝える
なぜその回答が必要なのか、その回答をどのように利用するのかを伝えることで、AIは質問の背景をより深く理解し、適切な回答を生成できます。
例: 「新入社員向けの研修資料を作成しています。AIの基本的な仕組みについて、専門知識がない人にもわかるように、わかりやすく説明してください。」
「新入社員向け」「研修資料」という情報が、AIの回答のレベルやトーンを決定する重要な手がかりとなります。
3)具体例やフォーマットを提示する
求めている回答の形式や文体を具体的に示すことで、AIはそれに沿った出力を行います。
例: 「以下のフォーマットに従って、本のレビューを書いてください。
・タイトル: [本のタイトル]
・要約: [50字以内の要約]
・感想: [具体的な感想を200字程度で]
・おすすめ度: [5段階評価]」
これらのテクニックを組み合わせることで、AIを単なる情報検索ツールではなく、より信頼性の高い「共同作業者」として活用できるようになります。
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