本日のお題は、
フリーのデータベースソフト「Base(ベース)」についてとデータベースアプリを作成するには。。。です。
「Base(ベース)」とは、オープンソースの「OpenOffice.org 2.0」と「StarSuite 8」に新たに追加されたデータベース作成ソフトです。
Microsoft社のOffceの上位版に付いてくる「Access」と同じような機能のデータベース作成用のアプリケーションですが、あとで記載しますが、機能的には似ていますが、使い方などは、そっくり同じでは有りませんので、あまり期待しないほうが良いです。 データベースのお勉強で使用するなら、無償で使用できますので十分でしょう。
2010年9月に「OpenOffice.org」のフォークとして、プロジェクトが立ち上がってできた、The Document Foundationのオープンソースのオフィススイート「LibreOffice」にも「Base(ベース)」はちゃんと入っていますので、2015年6月現在、利用するならこちらが良いのではと思います。
—関連記事—
・The Document Foundationが、オープンソースのオフィススイート最新版「LibreOffice」v6.1を公開
「Base」は、値段の高価な「Access」や「ファイルメーカー」を使用しないでデータベースを「勉強」したいと言う方には朗報です。
—全体目次—
1.「Base」とは
2.「Base」のメリット、デメリット
1)思惑としては。。。
2)メリット
3)デメリット
4)Baseを触る前の心構えとして
3.使用上の注意点 : 特に、ACCESSから移行したいと考えている方は必読
1)Accessが使える部分
2)Accessが使えない部分
3)フォーム(画面)やレポート(帳票)を作成するときの「ACCESS」との違い。
4.「Base」入手方法
1)「Base」入手方法1
2)「Base」入手方法2
3)参考書籍など
4)MAC用のフリーのデータベースソフト「NeoOffice」
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1.「Base」とは
データベースシステムを構築する為のアプリケーションです。 データベースの設計機能、構築機能、操作機能、プログラム機能を有したデータベースシステムを作る為のツールソフトになります。
1)概要
・Baseは、リレーショナル機能を備えたデータベースソフトです。
・データベースエンジンには、Javaで実装されたオープンソースのデータベースHSQLDBを使用。
・多くの種類のデータベースに接続できる。
2)データベース接続ドライバー
・ADO (Microsoft ActiveX Data Objects)
・JDBC (Java Database Connectivity)
・ODBC (Open DataBase Connectivity)
・Oracle JDBC
3)利用可能データベース
・Adabas D、dBase、Microsoft Access、MySQL
4)HSQLリレーショナルデータベースエンジン
Base は Java で書かれたデータベースである HSQLDB を標準で利用するため、JRE(Java Runtime Environment)をインストールしている必要があります。
<追記> 2018年8月 ——————————————-
「LibreOffice 6.1」が公開されましたが、Baseの大幅な改善を図ろうとしています。
まだ実験段階とされているが、これまで使われてきた「HSQLDBデータベースエンジン」を非推奨とし、「Firebirdデータベースエンジン」を新しいデフォルトエンジンに採用する方針。ユーザーに移行アシスタントを使ってHSQLDBからFirebirdへの移行を推奨している。
・Firebirdの特徴
http://tech.firebird.gr.jp/firebird/index.php?firebird_xsite=70
——————————————————————–
5)Star Database Connectivity (SDBC)
Accessで云うところのVBA の ADO および DAO ライブラリに相当するものも使用できます。
OpenOffice.org Basicと言われているプログラミング言語を使用すれば、Accessのように細かな処理をプログラムで制御できるようです。
次のページは、2.「Base」のメリット、デメリット
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2.「Base」のメリット、デメリット
1)思惑としては。。。
(1)「Base」で作成したアプリを、「タダ」で使用したい。
(2)「Base」で作成したサンプルプログラムがちょっと、タダで欲しい。
知識があり、少し自分で、さわってみたいと考えているレベル。
(3)ダダで使える「データベースソフト」が出た。。。使えるの?
知識があり、検討しようとしているレベル。
と云うような。。。「都合のいい? おもわく」が、あるのではないか。。。。。と推測されます。
ですが、当記事の対象は、3)までのレベルの方です。「シロウト」でも、理解して使いこなせる方は、多分「調査・分析」の能力の有る方だけでしょう。
皆さん、「タダ」で使えるのですから、「作る」のくらい自分で、努力して作成してみましょう。 世の中そんなに甘くない。。。。
2)メリット
・無料な分、有料ソフトと違い、便利な機能が無いかも知れませんが、「金は無い」が、「努力して使いこなす」意思がある方にはお奨めです。
・「Access」にように、勝手にバージョンアップのタイミングで、大きな仕様変更が少ないので、作成後のメンテが少し楽かな。。
-関連記事-
・Access 2013 の新機能とAccess 2013 で廃止、変更された機能とバージョンアップの必要性について
3)デメリット
・基本的な機能は備わっているが、「Access」には敵わない。
・参考書が、「Access」と比較して、圧倒的に少ない。
「Base」は、誰も教えてくれませんよ。。。「参考書」? どこにあるんですか? 私が聞きたいくらいです。
覚える時間も「金」に換算すると、逆に何倍も高価なデータベースソフトになると思います。
4)Baseを触る前の心構えとして
・「Access」から「Base」に乗り換えようとしている方へ
・「タダ」だから使いたいと、甘い考えでいる方へ
・もう一つ、ACCESSの習得さえ、あきらめた方では、「Base」も同じように使いこなせないと云うことです。
タダで使えるから、こっちの方が良いと考えるのは、ちょっと待った方が良いと思います。
考えてみてください。。。
「初心者」でなければ理解できると思いますが、「ACCESS」で記述したVBを全部、Baseで作り直すんですよ! しかも、どこに、どう埋め込むのか? モジュールの言語仕様は? データの抽出処理方法は? 、検索処理方法は??
「Base」で作りたいとおっしゃる方が、多いと思いますが、所詮「タダ」のアプリです。 参考書籍などあまり、ありません!。
習得するまでに、”膨大”な時間がかかります! 時間もコストですよ!
「ACCESS」 は、「Base」と違って有償のソフトウエアですが、それなりに普及していますので参考になる「書籍」、「参考Webサイト」が山の様に ありますので、困ったときなど、Googleで検索すれば、コードまで説明付きで記載されていますので、たいへん便利な「データベースアプリケーション」 です。
「楽して」覚えるなら、「ACCESS」のほうが、簡単です。 参考書、解説WEBサイトなど腐るほどあります。
「Base」の場合、参考書、WEBサイト ほとんど無い--->自分で努力するしかない。
こんな「時間」があるんだったら、「ACCESS」を1万円で購入した方が百倍マシです。
目先の「金」を気にしていると理解できないと思いますが、時間を「コスト」に入れると、「Base」の方が高く付く事が理解できると思いますが。。。。どうでしょう? 「お勉強」の為ならまだしも、そこまで「金」を「ケチ」る理由が理解できないのですが。。。
データベースを「初めて」扱う方は、「Base」に、どうぞ挑戦してみてください。データベースの仕組みを理解する上では、大変「勉強」になるアプリケーションの一つです。
最近「LibreOffice」では、Accessのように、各種業務(資産、顧客、受注、請求書など)の数は少ないですが、定義済みのテーブル定義のセットが付属しています。又、テーブル、クエリ、フォームやレポートを作るユーザーを支援するウィザードを提供しています。
決して、「Base」を否定しているのではありません。むしろ良い試みだと思います。
後ろ向きな考え方で、言っているのではなく、「タダで使うんなら、覚悟が必要です」と言っているだけです。
次のページは、3.使用上の注意点 : 特に、ACCESSから移行したいと考えている方は必読
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3.使用上の注意点 : 特に、ACCESSから移行したいと考えている方は必読
Baseは、Microsoft Accessとの互換性を目標に開発されたツールではありません。ACCESSで作成したデータベースで使えるのは、テーブルやクエリーだけです。
1)Accessが使える部分
Accessのデータベースに接続して、テーブルやクエリーにアクセスできるし、更新も可能です。
2)Accessが使えない部分
・フォーム(画面)やレポートには互換性がない。
・Accessのmdbファイルを開いたり、Baseで作成したデータベースをmdbファイルで保存できない。
・マクロ、VBも互換性がない。
Accessからの置き換え(移行)を狙っているユーザーにとっては、フォーム(画面)やレポートを新規作成し、マクロやVBに代わるオブジェクトコードを新たに埋め込まなければならないので、大変、手間かかると思います。 1から作るしかありませんね。
3)フォーム(画面)やレポート(帳票)を作成するときの「ACCESS」との違い。
Accessのほうが、フォームやレポートを作成するためのウィザードやサンプルデータベースが充実していて便利ですが、Baseの場合は。。。。フォームとレポートの作成には、同胞のワープロソフトの「Writer」を利用している。
「Writer」と同じ操作で、フォームとレポートを編集可能。つまり、文書中にコントロールとフィールドを埋め込んで作成する。また、帳票のデザインのためにWordファイルを利用したり、レポートをPDFファイルに出力することが可能です。
1レコード分のデータ項目を1ページに細々と罫線を引きながらレイアウト(定義)するなら、ワープロソフトを使用するので、ACCESSのレポートより生産性が高いような気がします。
皆さんも、新規で使ってみたいのなら「OpenOffice.org 2.0」やGoogleの「StarSuite 8」、「LibreOffice」等をダウンロードすると中に入っていますので、「Base」を活用してみて下さい。
次のページは、4.「Base」入手方法
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4.「Base」入手方法
まだ「Base」を入手していない方は、「OpenOffice」又は、「LibreOffice」をインストールしておいて下さい。
1)「Base」入手方法1
2012年9月現在、OpenOffice.org 日本語版のダウンロードはApacheのサイトで配布しています。
http://www.openoffice.org/ja/
・OpenOffice.org 初心者入門講座
http://officehp.com/category/4580735-1.html
2)「Base」入手方法2
2011年1月25日、
The Document Foundationが、オフィス統合環境「LibreOffice(リブレオフィス)」v3.3を無償公開。
2010年9月、OpenOffice.orgプロジェクトの一部メンバーは、The Document Foundation という新しいグループを結成し、Oracle 主導のオープンソースの生産性スイート「OpenOffice.org」 の次期バージョン3.3を開発した「LibreOffice」を作成したそうです。
「LibreOffice」には、「OpenOffice.org」と同じワープロソフト「Writer」、表計算ソフト「Calc」、プレゼンテーショ ンソフト「Impress」、データベースソフト「Base」、ドローソフト「Draw」、数式編集ソフト「Math」の6つのソフトが含まれているが 「OpenOffice.org」には無い独自の機能も搭載しています。
<対応OS>
・Windows
・Mac OS X
・Linux
・「LibreOffice」ダウンロード サイト
https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-fresh/
—関連記事—
・The Document Foundationが、オープンソースのオフィススイート最新版「LibreOffice」v6.1を公開
3)参考書籍など
(1)JA福岡市 LibreOffice マニュアル
2013年7月31日、JA福岡市が、「LibreOffice」のデータベースソフト「Base」を解説したPDF形式の「LibreOffice Baseマニュアル(入門編・実践編)」を公開しました。
PDFファイルをダウンロードして読んでみましたが、実際に利用している所から、このような「Baseのマニュアル」が提供されることは、たいへん頼もしい限りです。
学生の皆さん、データベースについて勉強するなら、ちょうど良い機会だと思いますので挑戦してみて下さい。 パソコンさえあれば、環境は全部、無料で入手できます。
マニュアルは、PDFファイル2つ構成されています。
<PDFファイル>
①Libreoffice_BASE マニュアル(入門編).pdf
入門編は内部研修用に作成したもので、主に「データベースとは何か?」・「データベースの基本的な考え方」について解説しています。
②Libreoffice_BASE マニュアル(実践編).pdf
画面、帳票などを作成する為の使い方を中心にまとめています。
このマニュアルは、非常によくできています。
具体手な使い方まで、記載されていますので、使ってみたい方は、全部ダウンロードしてみると良いと思います。
・JA福岡市 LibreOffice マニュアル公開サイト
https://www.ja-fukuoka.or.jp/libre/
(2)書籍
■「実務で使えるLibreOffice」
■はじめてのLibreOffice―無料で使える「統合オフィスソフト」を使いこなす!
4)MAC用のフリーのデータベースソフト「NeoOffice」
NeoOffice 2015.3 Classic Edition
Mac OS X 用のオフィス・ソフト(ワープロ、表計算、プレゼンテーション、作図)です。
Windowsでは、お馴染みの「 OpenOffice.org 」というオフィス・スイートに基づいたもので、数多くの Mac OS X ネイティブの機能を提供し、 Microsoft Office など他の人気のオフィス・ソフトの互換性があります(文書ファイルの読み込み、編集、交換が可能)。
以前と違い、ビューワーのみ無償です。
簡単に云えば、MAC版のOpenOffice.orgです。
これで個人レベルのユーザーであれば、MAC用のMicrosoft Office を購入しなくても、Office製品を使用できるようになりました。
もう一言つっこめば、Google のDocs & Spreadsheetsを使えば、このようなOffice系ソフトをインストールする必要もなく、ブラウザである程度の機能が実現可能な時代になりました。
<仕様上の補足説明>
1)OpenOffice.orgをベースにMac OS Xネイティブの描画システム(Aqua)で動作するよう拡張されている。
2) 表計算やワープロなど機能面はOpenOffice.orgと変わりないものの、X Window Systemに依存しない仕様により、日本語入力システムやフォントを共有できるなどAqua環境との高い親和性を実現している。 その為、”Macらし い”操作性を持つことが特徴。
3)Javaで実装された機能が含まれるため、Intel Macでは動作しない。
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・第1回 ACCESS(アクセス)データベース作成ソフトを使ってみたいと思っている方へ
・第2回 ACCESS(アクセス)データベース作成ソフトについて