第1回目のお題は、Accessデータベースに、何らかの興味を持っている方向けに連載します。
ACCESS(アクセス)データベース作成ソフトを使ってみたいと思っている方へ です。
「自分でデータベースソフトを作成(開発)してみたい」とお考えの方が、アクセス解析でキーワードを見ると多いですね。
とは言え、「タダ」でデータベース作成ソフトを使って作成したデータベースは、ここには置いていませんのであしからず。要は、人の作った「Accessデータベース」をあわよくば、COPYして使用したいと、たくらんでいる場合などがあるでしょうが、それも無理です。
後は、この有料のデータベース作成ソフトを購入して、自分で作成するかどうか、そこが分かれ目で「目的」次第ですね。 自分で一から作ってみたい人向けです。
ACCESSを購入して、初めてアプリに触る方は、まずサンプルのデータベースが入っていますので、それを触ってみる事です。 そして、簡単なサンプルを1つ、どんな構成要素で、どんなふうに出来上がっているのか、把握するのが一番、学習するのに良いのではと思います。
今回は、マイクロソフト社のデータベース作成ソフト「ACCESS」について記載しましたので、検討資料にして下さい。
▮Accessデータベース作成講座は第8回まであります。
▮Accessに関する情報記事は第10回まであります。
1冊の書籍には全て掲載されていない、今まで自分が経験した事を踏まえて記載していますので、最後まで読んで参考にしてください。
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1.目的・機能による選択基準
Microsoft社のOffice「EXCEL」で管理しきれなくなったので、本格的にデーターベース化して、データを操作してみようと考えているなら、大丈夫です。
ただ、何をどうしたいのか? 。。。をよーく考えてください。
1)手書きやEXCELの帳票をデータベースから印刷したい程度。
多分、「タダ(無料)」で、データベースが使えるなら、使ってみたいと考えている方が大勢いるのではないでしょうか?
有りますよ!。タダで使えるデータベース作成アプリ「Base」が。
スタンドアロン(PC1台)で使用するなら十分でしょう。但し、Accessより、覚えるのにハードルが高いですよ。なぜなら、参考書などはAccessは履いて捨てるほどありますが、「Base」は、本当に少ないです。
自分で探求しながら覚える能力のある方ならお勧めします。
お勉強する程度でしたら、「Base」が最適でしょう。
無償のオフィス統合環境「LibreOffice(リブレオフィス)」などに、付属しています。
—関連記事—
・フリーのデータベースソフト「Base(ベース)」についてとデータベースアプリを作成するには。。。
・JA福岡が、「LibreOffice」に含まれているデータベースアプリ「Base」の新しいマニュアルをリリースしました。
2)複数人で、大量のデータを扱い、集計したり、データ分析まで幅広く活用したい。
「タダ(無料)」のソフトでは、処理機能を徐々に拡張する予定が有るのなら、限界がすぐ見えてくると思いますので、あまり、お奨めできません。
やはり、Accessがお勧めですが、業務内容によりますが。
研究中のデータをまとめるのと、汎用の売上・請求管理、見積管理などとは、複数人で、大量のデータを扱うと云う意味では、同じですが、使い方、運用が違いますので、考慮する必要があります。
画面を作成して、データを入力して、データを管理しますので、誰でも使えるようにするには、データベースソフトで作成する方が、システムとしての効率は高いと思います。
1人で、データをいじくるだけなら、Excelで十分ではないでしょうか。
2.素人が手を出しても、何とかなるデータベース作成用のソフトは、どんなのがあるの?
1)「Base」(ベース) (無料)
オープンソースのオフィススイートソフト「OpenOffice.org 2.0」や「StarSuite 8」(スタースイート 8)に、新たに追加されたデータベース機能を有したソフトです。
・WindowsやMacでも使えます。
「Base」の場合、「素人が手を出しても」と云いましたが、Accessと違い、まだ新しいソフトですので、使い方は自分で試行錯誤して覚える必要があり、自分で調べる「覚悟」が必要です。Accessのようにサンプルプログラムやサポートサイトが、いくらでも有るデータベースソフトでは有りません。
—関連記事—
▮「Base」についての情報は、下記の当ブログページを参照して下さい。
MS ACCESSとの互換性についても記載しています。
▮「Base」でアプリ作成も参考にして下さい。 Baseを初めて使う方用に解説しています。
・フリーのデータベースソフト「Base(ベース)」についてとデータベースアプリを作成するには。。。
2)「ファイルメーカー」 (有料)
Windowsやmacでも使えます。
・新版「FileMaker 19」がリリースされています。 2020年12月現在
http://www.filemaker.co.jp/products/
・下記のサイトから、30日限定の評価版をダウンロードできます。(Win、Mac)
https://www.claris.com/ja/trial/
▮Claris FileMaker Pro 19
▮FileMaker 19 スーパーリファレンス Windows&macOS&iOS対応
3)「ACCESS」 マイクロソフト社 (有料)
単体版又は、Microsoft社のOfficeの上位バージョンに同胞されています。
この講座は、このAccessを使用して、データベースアプリを作成する為の情報を記載してみました。
<Accessには、正規版とランタイム版があります>
■正規版(有償)
アプリケーションを動作させる機能とデータベースアプリを構築する機能も付いている。
■Microsoft Access 2019 (最新 永続版)|カード版|Windows10|PC2台
2020年現在では、「Office 365」か、単体でも購入可能です。
習得するまでの「時間」を「コスト」と考えると、「Access」なんて、全然、安いもんです。
■ランタイム版(無償):Microsoft社のサイトから、バージョンごとに入手可能。
作成したアプリケーションを動作させるだけの機能で、アプリを開発・編集する機能は無い。
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3.Microsoft ACCESS(アクセス)
1)Accessの能力評価
本格的に業務で運用する場合、初めから、クライアントサーバー型の「SQLServer」にするか、Accessで作るか迷うところです。
どんな形態の業務、どんな運用するのか、開発予算がたくさん有るのか、自社で面倒を見ることができる人間を育てる余裕があるか、で検討する必要があります。
社内のローカルネットワークで使用するのでしたら、Accessが最適でしょう。但し、複数の距離の離れた拠点間で同じデータを扱う場合は、あまり向かないでしょう。
(1)スタンドアロンでAccessを使用する。
本来は、一人でしか使用しないならこれでOKですが、企業内のネットワークを利用して、複数台のパソコンで、データファイルを別途ファイルサーバーなどで、共有して使うことも可能です。
(2)Windowsのファイル共有を利用して、ACCESSを使用する。
「データmdb」と「システムmdb」を別々のファイルで管理、運用する使い方が可能です。
例えば、1つだけ「データmdb」をサーバーなどに置いて、リンクを取った「システムmdb」を復数コピーして、配布すれば、複数人で使用できます。
Accessは、作ったプログラム(画面や帳票)とテーブル(データ)を分離して使用することが可能なんです。 一緒に作った後でも、簡単に分離することが可能です。
スタンドアロンで使用する場合は、データとシステムを一緒に抱え込んでも問題ありませんが、データーを共有したい場合は、データとシステムを分割(別ファイルにするだけです)してリンクを張って使用するのが一番です。
<利点>
下記の条件で使用するなら、十分とは言えないがコストパフォーマンス的には良いのでは。
データmdbを格納するPCは、誰も使用していない、できればサーバー的使用状態が理想です(つまり誰も使用していないPC)。
・クライアントPC端末10台位で、同時に使用(データにアクセス)するタイミングが3台~5台程度。
・データ件数 数万件~10万件程度。
<欠点>
・データmdbを格納しているPCが、「こける(ダウン)」とデータが壊れて読めなくなる恐れがあります。復旧できる場合と、できない場合がありますので、毎日バックアップを自分で取ります。
・データ量(レコード)が増えるとデータベースが重くなります。
原因は、例えばデータ表示画面を開いたとき、データを全件クライアントPCに読み込んできます。
本格的なクライアントサーバー型のデータベースソフトは、問い合わせた1件しか読み込まない処理になっています。(表現が難しいので、分かりやすく言えばですが。。。)
・定期的に、データmdbは肥大化するので、「最適化」する作業が発生します。
保守作業が定期的に発生するので、簡単な作業ですが、小さな会社では「誰がやるの?」状態になります。
(3)クライアントサーバー型のデータベースシステムソフト「SQLServer」とAccessを使用する。
利点 :「ファイル共有利用」時の欠点をクリアーできます。 大量のデータを扱えます。
欠点 :コストがグンと上がります(ソフトや開発費用)。
2)作成後の保守メンテ、改良作業の発生について(業務で使用する場合)
定型的な業務、見積、請求管理のDBならパッケージソフトのように、そのまま使い続ける事が可能でしょうが、顧客管理業務やデータ分析が必要な業務は、完成後、、修正、変更、改良作業がどうしても出てきます。
なぜなら、「初めから仕様が決まるような業務レベルで仕事をしていない」からです。
もう一つ、ファイル共有で運用すると、データmdbのメンテも必要です。
ですので、「金」も無く、「いじれる」人間が社内にいないと業務がSTOPしてしまいます。
小さな会社で、Accessを使うには、絶対に「いじれる」人間を育てるか、雇うか、外注する必要があります。
素人が「いじれて」、たいへん便利なデータベース作成ソフトですが、能力の無い人間に「やれ!」と言ってすぐに使えるほど、このソフトは「甘くはありません」。
最低でも1年くらいは、使いこなす(開発する)には、時間がかかるでしょう(能力次第ですが)。
3)「甘くない」理由を。。最低でも、おぼえる必要のある項目
(1)開発するなら「リレーショナルデータベース」の概念をまず、理解する。
・デーブル、概念と設計(一番重要)。
・大げさに言えば、リレーショナルの概念が理解できていないと各テーブルの項目定義ができない。
(Excelで言えば、ある目的のデータの表の定義です)
・これを元に項番2)の作業に行きます。
失敗しないと、理解できないかも知れませんが。。項番2)まで行って、失敗に気づいた時は、項番1)からやり直しです。
元々、EXCELなどで、データを管理している人であれば、テーブルの使い方は、すぐ理解できるでしょう。
(2)クエリの使い方
データ抽出・分析・加工するために、データを操作する必要があるのですが、色々な方法がありますので、画面の種類、帳票の種類などによって、使い方を覚えれば良いでしょう。
これも、難しい、コーディングを覚える必要など、殆ど有りません。
(3)フォーム(画面作成)、レポート(帳票作成)の作成方法
▮連結フォームの使い方
伝票や請求書など1つのデータに、復数明細行を溜め込む必要がある画面を作成する場合に必要な手段ですが、一つの画面の中に、もう一つ画面を作成して、埋め込むのです。そして、連結させるだけですので、覚えてしまえば、簡単です。
・テーブルの項目をきれいに並べるこの作業は、難易度は低いが、根気が必要です。一度、同じような機能画面を作成すれば、ある程度、COPYして使い回しがききますので、生産性は、後から上がるでしょう。
・画面や帳票は、自動生成する「ウイザード」がありますので、生成後に1項目ずつ、配置や大きさなどを調整して作成して作れば、手間が少し省けるでしょう。
・項番1)のテーブルの設計を「誤る」と2)の作業が「グチャグチャ」になります。確実に!
(4)関数、マクロ、VBAのコーディング方法
「VBA」までくると、プログラミングの技術です。関数とはわけが違いますが、EXCELなどで、すでに使用していれば大丈夫でしょう。
ファイル処理をする場面などでは、どうしても、VBでコーディングする必要があります。これも、イベントドリブンで、数行のコーディングですので、定型文として、覚えれば良いだけです。
一度、作ってしまえば、これも使い回しがききますので、生産性は、後から上がるでしょう。
・サンプルの記載された書籍が沢山あります。
■(アクセス書籍の「Access2002 表現百科」がお奨めの一冊です)
▮Accessマクロ&VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本
マクロとVBAの違いなど、基本的に覚えておきたいことから、サンプルアプリを作成しながら学べる一冊です。
▮Access VBA 実践マスターガイド~仕事の現場で即使える
付属のCD-ROMには、カスタマイズすることで、読者の環境でも利用できるアプリケーションが収録されています。
▮AccessVBA逆引き大全 600の極意 Office365/2019/2016/2013/2010対応
この処理、どう記述すれば良いんだっけ?という時、コピペで使用に耐えうるサンプルがたくさん掲載されていますので、一冊は持っていたい、欲しい参考書です。 多分、ずーっと使うでしょう。
▮(無料電話サポート付)できるAccessクエリ データ抽出・分析・加工に役立つ本
<まとめ>
素人で、私の知っている限りでは、このようなことをできる方を知っていますので、決して不可能ではありませんが、少しの「能力」と相当の「努力」が必要でしょう。
さあ、チャレンジしましょう!!! 応援しますよ。
あまり、脅しては、誰もやらなくなってしまいますが。。。。業務で使用する場合は会社から、1年間の猶予をもらいましょう。
分からない時など、何か調べたい時の情報量は「Access」が圧倒的に多いですので、検索エンジンで調査できる能力があれば、ほぼ問題ないでしょう。
大きな書店に行けば、「Access」関連の書籍は、腐るほどありますので大丈夫でしょう。
—Accessでデータベース作成講座—
実際に、Accessでデータベースを作成する方法、手順を記載しています。
・第1回 マイクロソフト ACCESSでデータベースを作成するには
・第2回 Accessで、「得意先マスター保守」処理画面を作成してみる。
・第3回 Accessで、「得意先マスター保守」処理画面を作成してみる。
・第4回 マイクロソフト ACCESS(アクセス)でデータベースを作成 検索・抽出処理
・第5回 Access2010でパスワード管理データベースを作成してみよう。
・第6回 EXCELで作成した住所録をAccessに取り込んではがき宛名印刷をしてみる。
・第7回 郵便局の郵便番号簿データをダウンロードして、郵便番号・住所検索用のアプリをAccessで作成してみる。
・第8回 マイクロソフト ACCESSでデータベースを作成する時のプログラムソースのコーディングについて
––Accessについて 関連記事—
・「Office 2019」に入っている データベース作成 Access 2019 の新機能について
・32Bit版から、64Bit版の「Windows 10」にパソコンごと入れ替えた時に、Office365(Office2016)のAccess2016を使用する場合の注意点。
・マイクロソフト「Access」の便利な機能を使って、業務アプリケーションを作成して活用する。
・Access 2013 の新機能とAccess 2013 で廃止、変更された機能とバージョンアップの必要性について
・第2回 ACCESS(アクセス)データベース作成ソフトについて
・第3回 ACCESS 2007の情報
・第4回 ACCESS トラブル対処の情報1「mdbが壊れてしまった時」
・第5回 ACCESSを「ファイル共有」で使用する場合の注意事項
・第6回 ACCESS トラブル対処の情報2 「メモリ不足」エラーについて
・第7回 ACCESSで Jet 4.0 データベースの動作環境を最適に保つ方法
・第8回 Access 2000とMSDEを利用してクライアント/サーバーシステムを構築する
・第9回 ACCESS 2010の情報
・第10回 Access2000(mdb)からAccess2010(accdb)に変換する
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