Googleが、自社開発の人工知能ライブラリ 「TensorFlow(テンサーフロー)」 をオープンソース化して公開しました。
商用利用も可能な「Apache 2.0ライセンス」で公開されていますので、人工知能(AI)の研究者、学生、アプリ開発者、企業(家電や自動車などのメーカー)まで、GoogleのWEBサービスで使われるのと同等のソフトウェアを道具として、標準ツールとして導入できる事が可能になります。
Googleのサービスで云えば、音声認識、翻訳、Googleフォトの被写体認識や顔認識、ウェブ検索結果の最適化、Gmailのメール分別、メールアプリ「Inbox」の自動返信文作成、YouTubeや広告事業など、幅広く使用されています。
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・「TensorFlow」サイト :http://tensorflow.org/
<経緯>
2011年に、デミス・ハサビス氏が、人工知能を研究・開発するベンチャー企業DeepMind Technologiesを創設しましたが、人間の「『脳』を研究して作成された高度な学習システム(ディープラーニング)が、企業の目にとまり、「Facebook」と「Google」がしのぎを削って争った末に500億円以上という巨額の金額で、2014年1月にGoogleに買収されました。
<オープン化する意味>
人工知能ライブラリを公開に至った理由は、Googleにとって、都合が良いからだろうと思うかもしれませんが、それにしても、よくぞ、公開してくれました。
ほかの企業は、こんなことは絶対にしないでしょう。 金儲けをする為の道具を公開するなんて。。。。Googleは公開することによって、もっと進歩する事を望んでいると思います。
人間の「『脳』を研究して作成された高度な学習システム(Deep Learning)ですので、この先、優秀なエンジニアと膨大な量のデータが必要になります。学習できるシステムですので、公開した方が、データも集まると云う事です。
<現在のAI技術>
現在のAI技術は、「機械学習」の機能の中で「Deep Learning(深層学習)」のレベルまで到達していますが、これから先は、どうも脳神経を模倣した機能の人工知能(AI)を作ろうとしています。そして、「Deep Learning(深層学習)」を進化させるには、処理能力が飛躍的に高い「量子コンピューター」の存在が必要になってきますが、Googleは、すでに「量子コンピューター」の開発も取り組んで進んでいます。
人工知能(AI)が、「意識」を持ち「自我」に目覚めなければ良いのですが。。。『脳』を研究して作ると云う事は、人間の邪悪さも、きっとこり込まざるを得なくなる様な気がします。
トヨタ自動車などは、人工知能(AI)研究の新会社を設立して、シリコンバレーに5年間で10億ドルを投入することを発表しています。
世界中で人工知能(AI)研究が進んでいますが、現実社会の中で、いつ、「技術的特異点(シンギュラリティ)」が訪れ、人類の知能を超える、究極の人工知能が誕生するのか。。。
このまま行けば、2045年問題(コンピューターの能力が、人間の脳の能力を超えると云われている)が、本当にやってくるのかもしれません。
もし、脳科学などに興味が有れば、私の「ブクログ」の本棚を参照してみて下さい。実に興味深い事が書かれた書籍がたくさん有りますので。
<追記2> 2017年11月14日
Googleは、「TensorFlow Lite」の開発者プレビュー版を発表しました。
TensorFlow Liteは「TensorFlow」の軽量版で、モバイルデバイスおよび組み込みデバイス向けです。「Android」や「iOS」をはじめとするさまざまなプラットフォーム上で動作するよう設計されたランタイムを採用している。
<追記1> 2017年2月15日
Googleが、機械学習ライブラリ「TensorFlow 1.0」をリリース
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・2045年問題(コンピューターの能力が、人間の脳の能力を超えると云われています)
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