本日のお話は、「さよならカッシーニ」です。
無人の「土星」探査機の名前は、天文学者の「カッシーニ」から取られています。 NASAの「カッシー二」が、今月15日最後のミッションを終えるため、巨大な惑星である「土星」に、衛星「タイタン」の引力を利用して最終的にアプローチして、土星の大気圏に突入します。そして燃え尽きて流星のように崩壊します。。。。。
「カッシーニ」が、地球を飛び立ったのは1997年10月、スイングバイ航法を駆使して加速して、やっと「土星」の周回軌道にたどり着いたのは、2004年でした。 遠いですね、実に7年間もかけて、やっと土星の周回軌道に到着するんですから。2005年には、子機「ホイヘンス」が最大の衛星「タイタン」に着陸。そして、12年間という長期にわたって土星系を観測し、多大な成果を残してきました。
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Cassini Makes its ‘Goodbye Kiss’ Flyby of Titan
NASAの研究チームは、タイタンへの最後の接近を「別れのキス」と呼んでいた。
「ラストミッション」は、土星の北半球の大気圏にうまく、突入して、燃え尽きることです。
なぜ、燃え尽きることが、最後のミッションなのか?
「カッシーニ」の燃料が尽きて制御不能になってしまうと、この機体を「土星」上に残しておくことになり、土星の環境保護・保全(なんと、地球からの移住先としても考慮されている土星の衛星で生命が存在する可能性があるタイタンやエンケラドゥスを汚染しないた為に)を考える必要があるそうで、最後は、燃え尽きて原子に帰すしか方法はないようです。 ちょと悲しいですが、人類が搭乗していませんので、致し方ないことだと思います。
余談ですが、できれば「USSエンタープライズ」号から「カッシーニ」に、私を転送して、一瞬で灰になれるのなら、最後の10分間くらいミッションに付き合ってもいい様な気がします。。。ですが、無人探査機ですので、船室も無く、無理でした。
「カッシーニ」が、土星の大気圏に突入後、燃え尽きる最後の瞬間までの電波が地球に届くのが、83分後だそうで、機体の消滅直前のデータが地球にちゃんと届くそうです。
それにしても、「Final mission」が、何故か、物悲しい気がします。
カッシーニが土星軌道に投入されてからの10年間の成果
- ホイヘンスプローブをタイタンに着陸させた。
- エンケラドゥスが氷のプルームを活発に吹き上げていることを発見。
- 土星のリングが活発で動的であることを明らかにし、惑星形成の研究に寄与。
- タイタンが地球のように雨や川、湖、海を持つ世界であることを発見。
- 2010-2011年にかけて土星の北側で起きた大規模な嵐を調査。
- 土星からの電波パターンは従来考えられていた土星内部の回転とは関係性がないことを確認。
- リングの垂直構造を明らかにする画像を初めて取得。
- タイタンの前生物的な化学研究。
- イアペトゥス表面で見られる2重の明暗域の謎を解明。
- 北極の6角形(ヘキサゴン)の様子を初めて完全に観察し、土星両極の巨大なハリケーンを発見。
参照:ウキペディア
<補足説明>
■エンケラドゥス
土星の第2衛星。直径498 km、土星からの距離は約24万km、土星の周りを33時間ほどで公転している。生命の可能性を持つ衛星として知られています。
2005年、「カッシーニ」が地中から吹き上げる間欠泉を発見し、凍った表面の下には水があることを確認した(エンケラドゥスの南極地点の亀裂から氷の粒子と水蒸気、有機分子が噴出している)。つまり、太陽系にある星で生命体が存在する可能性が最も高いということだ。
■「スイングバイ航法」とは、
太陽系の惑星の前を横切ると減速するが、後ろに回り込むと機体が惑星の引力のせいで、加速できるそうで、この原理を使い、金星ー>金星ー>地球ー>木星の順に何度も、惑星を利用して、スイングバイ航法を繰り返し、加速してやっと土星の周回軌道に到着しました。
・NASA サイト
https://saturn.jpl.nasa.gov/
<追記> 2017年9月13日
ドキュメンタリー専門チャンネル、「ナショナル ジオグラフィック」が、長年にわたり宇宙の新しい発見を地球に送り続け、2017年9月15日にその役目を終えるNASAの土星探査機“カッシーニ”の軌跡に迫る番組『土星探査機カッシーニ:最後のミッション』を2017年9月15日(金)午後11時より放送いたします。
・【番組公式ページ】
http://natgeotv.jp/tv/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/2309
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