総務省 有識者会議が、キャリア(大手携帯電話会社)「2年縛り」の改善を提言について
キャリアは、2年間継続して利用することを条件に料金を安くする、「2年縛り」の契約プランを設けています。
2年縛りは、キャリア3社が、そろいもそろって採用している。
これが、本当に、料金の安いサービスへの乗り換えを阻害し、料金を高止まりさせている一つの要因になっているのか?
「2年縛り」を無くすことで、本当に料金が安くなるのか? なんだか違うように思うのですが?
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1.2年縛りの「更新月」の問題は、問題ではない。
この料金プランでは、1か月の更新月以外で解約する場合、9,500円の違約金を支払いが発生して、他社に乗り換える際にトラブルとなるケースが全国で相次いでいるようですが、この問題と別な事ではないかと思います。
「知らないうちに更新されていた」などと、ほざく、ユーザーもいる様ですが、「更新月」を意識していないのは、ユーザーの責任で、違約金の支払いが発生するのは、契約時点で、分かっている事ですので、自分の思いついた時に解約金なして解約できると思っている方が、おかしいでしょう。
たかが、自分が契約した「携帯電話」の「更新月」も覚えていられないほど、「頭」がぼけているのか?
厳しい言い方をすれば、「自動更新」されるために契約満了がいつか分からないのではなく、更新月を認識していないだけです。
なぜ、「自動更新」されるかって? こんな「グダグダ」のユーザーが、気まぐれに満期で解約するのを防ぐためです。
「あ! しまった、「更新月」。。。もう過ぎた」。。。。このような「グダグダ」なユーザーの特性を見抜いているからです。。。。。。
2.本当は、「2年縛り」の問題ではない。
問題は、キャリア3社は契約後2年間で途中解約しないことを条件に、月額料金を割り引く2年縛りを採用していることです。
音声通話の基本料金は「かけ放題プラン」だと
・期間拘束がないと4200円
・2年縛りだと2700円
割引率は30以上になります。
当然、約9割くらいの利用者は、料金の安い「2年縛り」を選択するでしょうね。
まあ、これで、2年縛りにして、途中解約しないように誘導しているに過ぎないやり方なのです。 2年間解約しなければ、要は、安くしても「たっぷりと儲かる」仕組みになっているだけの事です。
3.「2年縛り」だけに注目していますが、皆さん、「基本料金」もそうですが、「端末代金」の事を忘れていませんか?
2年間継続して利用することを条件に「端末代金」を実質負担金0円にして、タダみたいにして販売していることを。。。。だから、8万円から10万円する「iPhone」などの端末が日本で大きなシェアを占めているのを。
何故か?ユーザーは、どうせ、ダダ同然で手に入るなら、みんなが使っている、かっこいい「iPhone」が欲しいに決まっています。これが、途中、解約すれば、「解約金なし」でも、端末代金の分割分の残金を支払う必要が有る事を忘れていませんか?
誰が、端末代金の分割分の残金を支払ってまで、途中、解約しますか? 普通、しないでしょう。 金をあまり持っていないユーザーは、一銭も払いたくないから、2年間待ちますよね。
ユーザー側にも問題があるのです。 契約する時に、8万円から10万円する「iPhone」などの端末を実質負担金0円なんて、通常ありえないでしょう。 毎月の「利用料金」から、「端末代金」も取るに決まっているでしょう。 分かっていて購入しているはずです。
4.日本のキャリアの「携帯電話」の売り方
日本の場合は、基本料金を安くするから、2年間使えと云う意味に、もう一つ、端末代もタダ同然にするから、2年間使えと言っている。
そうすれば、端末代金の回収も、通信料金からかできて、尚且つ、儲かると云う売り方なのです。
端末代金が高いと、普及しないから、端末代金の負担を減らして、月々の料金を高くして、端末代金も混ぜて、料金を取ってやろうと云う、戦略です。これだと、余り「金」を持っていないユーザーも飛びつくだろう、契約するだろうと云う魂胆から来ている商法です。
だから、端末が、ダダ同然で手に入ったユーザーが、途中、解約できるわけが無いでしょうと云う事です。
確かに解約金は無くても、高価な「端末」の残債が残っているのに解約しますか? と云う事です。
途中解約金の問題ではないのです。
ですが、「2年縛り」を無くすと、「基本料金」を上げて来るでしょう。。。。端末代金、実質0円を維持する為にです。
「実質0円」を維持しないと、高価な端末と共に契約してもらえないからです。。。。「端末の負担金も増額したくない」同じ理由です。
5.高価な「端末」をダダ同然でユーザーに渡して、なんで、こんなに儲かるの?
大体、キャリアが、高価な「端末」をダダ同然でユーザーに渡して、なんで? あんなに儲けが出るんですか? と云うことです。
客にタダで渡して、端末代金を製造メーカーに支払っても、儲かるのは、通信料金を高くして、ユーザーから金を取っているからです。
二年縛りを無くせば、当然の様に「基本料金」を上げてくるでしょう。何故か? 端末代金を回収できなくなるからです。
これ、おかしいでしょう。。。MVNOは設備投資にあまり金のかからないとはいえ、MVNO(仮想移動体通信業者)に回線を貸しておいて、MVNOの通信料金より、遥かに、高額な料金をユザーから取るなんて。。。
日本のキャリアは、ユーザーの為に、頑張っているよなー。。。って思ってます?
ちょっと、データが古いですが。。。。
<2013年4-12月期の大手3キャリアの決算 状況>
キャリア名 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
---|---|---|---|
ドコモ | 3兆3635億円 | 6886億円 | 4301億円 |
au | 3兆1798億円 | 5332億円 | 2686億円 |
ソフトバンク | 4兆5617億円 | 9242億円 | 4882億円 |
「基本料無料」とか、「最大10万円キャシュバック」とか言っているお金の原資は、真っ当に支払っているユーザーの料金です。
しかも、損なんかしていない、「純利益」を見れば、分かるでしょう。。。。ぜんぜん、儲かっている。
6.ユーザーが、料金が安いからと言って、MVNOにしない訳
簡単です。 3つの「不都合な真実」があります。
1)1つ目は、ユーザーの「不都合な真実」
キャリアの場合、MVNOと違って、店頭で、金を一銭も支払わず、契約して、すぐに、通話ができる状態で、端末を手に入れる事が出来るからです。たいして、面倒でもない設定を全部してくれて、めんどくさい事を一切しないで、「はい、どうぞ!」使えるようにしてくれるからです。
これは、スマートフォンなど、ほぼ、使いこなせない大多数のユーザーにとって、「麻薬」の様に止められないでしょう。自分で覚える気が無いんだから。
2)端末代金を別途、支払いたくないからです(端末代金をまともに負担させる会社から携帯を買わないでしょう)。
(分割もできるが。。)キャリアに対しては、高額な金額を毎月、支払ったとしてもです。
要は、特にガラケーしか使いこなせないユーザーは、月額料金の高さよりも、めんどくさい事を一切したくない、できないからです。
しかも、使いもしない、使いこなせもしないスマートフォンなどに買い替える訳がないでしょう。
3)データ通信の料金をいくら安くしても、 データ通信を使いこなせない、通話のみのユーザーが多いから
格安SIMでも、通話できるタイプもあるが、ほとんどデータ通信が安くなるだけで、「通話」のみしか、使わないユーザーにとっては、何もメリットが無いのです。
ガラケーさえ、通話機能しか使っていないユーザーが、なんで、パソコンの機能が付いたスマートフォンが必要なんでしょうか???????
「猫に小判」、「豚に真珠」と云えば、分かりますかね。。。。
4)格安SIMの利用者は半数がガラケーを所持
格安SIMを利用しているユーザーの半数がガラケーを所持していると云うデータもあります。
これは、ある意味、賢い使い方で、通話は、ガラケーで今まで通りの料金で、データ通信用には格安スマホ、SIMで格安で契約して使う。
多分、こんな方は、ちゃんとスマートフォンを使いこなせる方が多いのではと思います。まあ、「SNS」の為だけに使いたい場合もありますが。。。。。
7.結果としては
いずれにしても、「端末代金」が高いと、普及しないから、端末代金の負担を減らして、月々の料金を高くして、料金を取ってやろうと云う、戦略を続けて行くでしょう。
だって、それしか「収益」を上げることができないからです。
1)キャリアの「ユーザー層を見透かした」売り方
この戦略は、余り「金」を持っていないユーザーや、スマホなど殆ど必要の無いユーザー層にも購入させるのに都合のいい契約で、これだと契約するだろうと云う魂胆から来ている。 正に「ユーザーを見透かした商法」がある限り、改善しないでしょう。
それに、今まで、8万円から10万円する端末を利用していたユーザーがいくら安いからと言って、気に入らない1万円~3万円のAndroid端末を使おうとしないでしょう なんせ、使いこなせないんだから、かっこいい端末がダダ同然で手に入るんだから。。。
2)AppleストアのSIMフリー「iPhone」が売れない訳
もう一つ、iPhoneが、SIMフリー端末として、Appleストアで販売されていても、海外旅行を頻繁にする人以外、誰も、SIMフリーのiPhoneを購入しないでしょう。 誰が、8万円から10万円する端末を単体で購入するか? キャリアで契約すればタダになるのに。。。です。
数あるスマートフォンのなかで、「iPhone」が一番安く手に入るのは日本だけです。
ですので、キャリア3社は、Appleが「Appleストア」でSIMフリー「iPhone」を売るようになっても、「ユーザーを見透かして」いますので、何も動揺しなかったのです。
8.日本の「土管屋(キャリア)」の運命について
MWC(Mobile World Congress )2014の会期中に「エリクソン」が開催したプレスカンファレンスで、同社のハンス・ベストベリCEOは、「業界全体が自らの役割を問いなおす時期に来ている」と訴えています。
今後の「通信事業者」のモデルとして、3つのタイプが考えられると。。。。
1)「ネットワーク オペレーター」 :回線だけを提供する。 ただの「土管屋」。
2)「サービス イネーブラー」 :回線に加えてプラットフォームを含めて提供する。
3)「サービス クリエーター」 :回線、プラットフォーム、サービスも提供する。
さあ、日本のキャリア(通信事業者)3社は、「サービス クリエーター」のレベルまで到達できるか? 頑張って、逆立ちしても、絶対無理。。。一生、「土管屋」、「ネットワーク オペレーター」でしょう。
だから、ユーザーから「通信料金」しか取れないから、いつまでたっても、料金を安くできないのです。 3千年かかっても、改善するのは無理でしょう。
日本のキャリア3社の中で、「ネットワーク オペレーター」を抜け出せそうなのは、「ペッパー」を販売した、孫ちゃんの所が、期待でしそうだけれど、今のところは、どっこいです。
—関連記事—
・総務省が、キャリア3社によるスマートフォン端末の安売り規制を強化する販売指針に対して、一般から公募した意見がちょっと的外れで哀れな件。
・今度、iPhoneを買う時は、Appleストアで販売しているSIMフリーの「iPhone 7」にしようかな?
・ガラケーが使えなくなる(無くなる)日は近いのではなく、通話とメールしかできない端末を提供すればいいだけだ!
・今年5月から施行の「SIMロック解除義務化」がなされても、何も関係ないスマホユーザー
・「格安スマホの認知度は約9割、利用率は約1割」、格安スマホを購入しない理由は、「今の携帯電話会社の方が安心だから」56.8%が最多だと。。何だそれ。
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