人類学

【サイコパス:反社会性人格障害】サイコパスの再定義  研究者によって色々と違うのです

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2022年7月に映画紹介で、「死刑にいたる病(白石和彌 監督)」を紹介したブログを記載していますが、 サイコパスについての追加情報です。

尚、サイコパスは「DSM5」には記載されていません。 なぜ?

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【映画紹介】死刑にいたる病  櫛木 理宇(くしき りう)のホラー小説を映画化したものです。

『死刑にいたる病』のタイトルにある「病」は、単純に「連続殺人犯の精神疾患」を指しているわけではありません。

むしろ櫛木理宇(作者)は、

殺人鬼・榛村大和の異常性
榛村に惹きつけられる雅也の弱さ
周囲が危険な人物に魅了されてしまう心理
社会がそうした人間を見抜けない構造

これら全体を「病」として描いています。櫛木自身は犯罪そのものよりも、人間の狂気や社会の無関心の方が怖いと語っています。

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「一次性サイコパス」と「二次性サイコパス」に分類しているのですが初めて目にしましたので記載します。

心理学者ロバート・ヘアらの研究では、サイコパスにも大きく分けて「一次性」と「二次性」があると考えられています。

特徴 一次性サイコパス 二次性サイコパス
原因 生得的要因が強い 虐待・トラウマなど環境要因が強い
不安感 非常に少ない 強い
恐怖心 少ない 比較的ある
衝動性 コントロール可能 高い
共感性 根本的に欠如 残っている場合がある
犯罪傾向 計画的 衝動的

 

サイコパスの分類は他にも有るのか?

実は「サイコパス」は正式な精神医学の診断名ではなく、研究者によって様々な分類法があります。

1)一次性・二次性サイコパス(最も有名)

先ほど説明した分類です。

研究者の間では、

  • サイコパス = 一次性サイコパス(Primary Psychopathy)
  • ソシオパス = 二次性サイコパス(Secondary Psychopathy)

(1)一次性サイコパス

「一次性サイコパス(Primary Psychopath)」とは
一次性サイコパス(Primary Psychopath)とは、生まれつきの要因が強いと考えられるサイコパスです。

◼︎一次性サイコパスの特徴

彼らは他人の感情を理解できます。
しかし、「理解する」と「共感する」は別です。

例えば、

「この人は今悲しんでいる」
「こう言えば喜ぶ」
「こう脅せば恐怖を感じる」

は正確に理解できます。

しかし、相手の苦しみを自分の苦しみとして感じないのです。

そのため罪悪感なく人を利用できます。

 

  • 生まれつきの傾向が強い
  • 不安や恐怖が少ない
  • 冷静で計画的
  • 魅力的で社交的

例:

  • 榛村大和(『死刑にいたる病』)
  • 一部の連続殺人犯
  • 詐欺師型犯罪者

(2)二次性サイコパス

  • 虐待やトラウマが背景
  • 怒りや不安が強い
  • 衝動的
  • 感情の起伏が大きい

例:

  • ギャング犯罪者
  • 暴力団員の一部
  • DV加害者の一部

2)成功型・失敗型サイコパス

近年よく使われる分類です。

(1)成功型(Successful Psychopath)

犯罪を犯さないか、犯しても捕まらない。

特徴

  • 高知能
  • 冷静
  • 計算高い
  • 出世しやすい

よく挙げられる職業

  • 経営者
  • 投資家
  • 政治家
  • 弁護士
  • 外科医

もちろん全員ではありません。
研究では一般人よりサイコパシー傾向が高い人が一定数いるとされています。

(2)失敗型(Unsuccessful Psychopath)

衝動性が強く犯罪で逮捕されやすい。


3)犯罪心理学者グロートの4分類

サディズムの強さで分類します。

(1)支配型(Control-Oriented)

他人を操ることに快感。
榛村はこちらに近い。

(2)搾取型(Exploitative)

他人を利用する。

典型的な詐欺師。

(3)攻撃型(Aggressive)

暴力そのものが目的。

(4)サディスト型(Sadistic)

苦痛を与えることに快感。


4)ケビン・ダットンの「機能的サイコパス」

イギリスの心理学者 Kevin Dutton が提唱した考え方です。

機能的サイコパス

  • 共感は低い
  • 冷静
  • 決断力が高い
  • プレッシャーに強い

しかし犯罪者ではない。

例えば

  • 救急医
  • 軍人
  • 企業経営者

などで有利に働く場合があります。


『死刑にいたる病』の榛村はどれか?

榛村は

第一層
一次性サイコパス

第二層
成功型サイコパス

第三層
支配型サイコパス

第四層
性的サディスト

という特徴が重なっています。

だから単なる殺人鬼ではなく、「人間関係そのものを狩りの対象にする捕食者」として描かれています。


興味深いのは、現代の研究では

サイコパス=凶悪犯罪者ではないことです。

むしろ人口の約1〜4%程度はサイコパシー傾向を持つとされ、多くは普通に社会生活を送っています。

問題になるのは、

  • 冷酷さ
  • 支配欲
  • サディズム

が強く結びついた場合です。

『死刑にいたる病』は、まさにその最悪の組み合わせを描いた作品と言えるでしょう。

 

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