無線LANのサービス、セキュリティ設定、トラブル解消について
「無線LAN」と云っても、色々と使われる場所などによって種類があります。
「LAN」とは、ローカルエリアネットワークの事です。このLANに「無線」を付けたのが無線LANだ。 「Wi-Fi」とは、無線LANのサービスの規格の名称、ブランド名の事です。
屋内では、ブロードバンドルーターなどを利用して、家庭内の無線LANネットワークが有ります。 屋外では、公衆無線LAN、モバイル無線LANを利用したネットワーク、スマートフォンからデザリングを利用した無線LAN接続など、色々な形で、WANと接続することが可能になりました。 2,3年前と比較しても、使えるエリアの広さや速度もはるかにアップしています。
そこで、第5回までの連載で無線LANに関する、セキュリティ設定、トラブル解消、サービスについて記載します。
第1回 無線LANって何?
第2回 どうやって接続するの?
第3回 不正侵入されないためのセキュリティ設定について
第4回 無線LANのトラブルについて
第5回 公衆無線LAN(WiFi)サービスとセキュリティ設定について
第1回は、無線LANって何? まず、無線LANの事を「Wi-Fi」と云っていますが。。。なんなの、どう違うの?
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1.Wi-Fi(ワイファイ、wireless fidelity)とは
まず、何でもかんでも「Wi-Fi」と呼んでいますが、広義の「無線LAN」「無線ネットワーク」とは違います。
Wi-Fi(ワイファイ、wireless fidelity)は、 Wi-Fi Alliance によって無線LAN機器間の相互接続性を認証されたことを示す名称、ブランド名。
無線LAN全般を「WiFi」 などと表記される事が多くなっていますが、意味は違います。
通信規格であるIEEE 802.11シリーズ(IEEE 802.11a/IEEE 802.11b)を利用した無線機器間の相互接続性等について、Wi-Fi Alliance(米国に本拠を置く業界団体)によって認定された機器には、Wi-Fiロゴの使用が許可される。
最近では、当初想定されていたノートパソコンなどのモバイルコンピューティング機器のLocal Area Network以外にも、ニンテンドーDSやPSPといった携帯ゲーム機や、PASSAGE DUPLE等のVoIP搭載携帯電話、音楽プレイヤー、デジタルカメラ等の家電製品にも搭載されている。 (ウィキペディアより参照)
正確に言えば、無線LANの「統一規格」のことです。 意味が違いますが、無線LANの事にしているだけです。
Wi-Fiと云う規格で統一された「無線ネットワーク」の中の「無線LAN」の規格の一つです。
2.規格の違いによるチャンネルの性質について
1)無線LANの規格
1997年に登場した第1世代のIEEE802.11(最大2Mbps)から始まり、IEEE802.11b(最大11Mbps)—–>IEEE802.11a/g(最大54Mbps)—–>IEEE802.11n(最大600Mbps)—–>IEEE802.11ac「5G WiFi(第5世代Wi-Fi)」
「IEEE802. 11b/g」方式の無線LANで利用できる周波数帯域は2.4G~2.5GHzですが、チャネル選択の際に注意が必要です。
(1)「IEEE802. 11b/g」方式
2.4GHz帯に用意されている14のチャネルは範囲が少しずつオーバーラップしているため、隣接するチャネル同士では干渉が発生してしまいます。
だが、混信(干渉)を完全に避けるためには単に別のチャンネルを選べばいいというわけではない。
例えば、1チャンネルは、2~5チャンネルが使う周波数帯と一部重複しています。周波数が一部でも重複すると、その部分で電波の干渉が生じます。
隣の家が1チャンネルを使っているのであれば、6チャンネル以上のチャンネルを選ぶ必要があります。
電波が届く範囲で重複しないようにチャンネルを選んでいくと、11g方式では1、6、11チャンネルの組み合わせのように、3チャンネル分しか選択できない事になります。
(2)「IEEE802.11a」方式
これに対して、「IEEE802.11a」の周波数は、合計8チャンネルが利用可能です。しかも、それぞれのチャンネルで周波数の重複がない。ですので、11b/gで電波の干渉がひどい場合は、11aの無線LAN機器を導入すると改善される可能性があります。
(3)「IEEE802.11n」方式
最近、出てきた「IEEE802.11n」規格のルータは少々値段が高価ですが、マンションなどのコンクリートの壁で囲まれた部屋には、反射電波を利用していますので、つながりや速度があまり低下しない安定運用ができると思います。
(4)「IEEE802.11ac」方式
理論上6.93Gbpsの超高速通信が可能な次世代無線LANの規格で、「IEEE802.11n」の拡張技術を使用しており、IEEE802.11nの後継となる第5世代の規格です。
<各規格の比較表>
規格 | 帯域 | リンク速度 | 伝送速度 | デメリット |
IEEE802. 11b |
2.4GHz帯 | 最大11Mbps (理論値) |
多くのメーカーの機器が対応しており、安価に無線LANの導入が可能です。また、ホットスポットにも対応しています。 | 3つの中で一番遅い。 電子レンジなどの周波数と同じ2.4GHz帯の電波を使用するために、干渉により速度低下の可能性がある。 |
IEEE802. 11a |
5.2GHz帯 | 最大54Mbps (理論値) |
速い。 他の電化製品による干渉はありません。 |
障害物に弱い。また接続機器も高価で対応する機器が少ないです。 屋内のみ使用。 |
IEEE802. 11g |
2.4GHz帯 | 最大54Mbps (理論値) |
速い。 現在多く普及している11bと互換性があり。 |
11b同様に他の電化製品による干渉の恐れがあるBluetoothなどの機器と干渉する可能性あり。 |
IEEE802. 11n |
2.4GHz/5GHz帯 | 最大600Mbps (理論値) |
障害物の影響受けにくい。電波干渉に強い。 通信距離は広い。 |
|
IEEE802. 11ac |
5GHz帯 | 6.93Gbps(理論値) | 障害物の影響受けにくい。電波干渉に強い。 通信距離は広く、高速。 |
注意事項!
伝送速度ですが、実速度は理論値の1/2 ~ 1/3だと考えて下さい。
ですので、
(1)Bフレッツ等の速い回線をお使いの場合は、n、acが使用できる機器でしょう。
(2)ADSLで、2Mbps~5Mbps位いの速度しか出ていなければ、b、nで十分でしょう。
(3)マンションなどの距離は離れていないが、コンクリートの壁が有る場合は、n、acが使用できる機器が良いでしょう。
2)電波の強さ、使用環境ついて
▮無線LANルーターを導入する時の注意点。
自分の住んでいる建物の詳細な構造まで、「把握できない」ので注意が必要。
(1)電波をとおしにくい物質-->金属、コンクリートなど遮るものが有れば、位置が近くても、当然、繋がりずらくなる(ガラスや木材はOKです)。
(2)マンションの場合は、コンクリートで仕切られているので、同一階の別室でも届きにくい場合があります。
電波は障害物の影響を受けるため、無線LANルーターは、低い場所に設置すると、家具や人体の影響などを受けやすくなるため、障害物の影響を受けにくい高い場所に設置するのがベストでしょう。
(3)戸建ての場合でも、どこにルータを置いて、どこでPCを使用するかをしっかりと把握してから購入する方が良いと思います。
戸建ての1階の端から2階の端、マンションの端の部屋から端の場合は、機器の値段の安いものは、購入しない方が無難です。
どのメーカー製品が良いか評価を書きませんが。。値段は「NEC」が多分1番高いですね。 その他現在、強力な電波を出すメーカーの製品もあります。
▮本当に電波が届きにくいと言う理由なら対策として(お手軽の順でゆくと)、
1:見栄えを気にしないなら有線に変更する。これが一番速度も速く、安定している。
2:ルータや子機用のオプションで販売されている「アンテナ」を双方に接続する。
3:アクセスポイントを途中に付加して、経由させる(ルーターの機能のない無線ハブ装置も販売しています)。
4:家庭内の電源コンセントを利用したネットワーク構築。
3)無線LANルーターで使われる電波には、2.4GHz帯と5GHz帯の2種類があります。
・2.4GHz帯の電波は、途中に障害物があっても、その裏に回り込みやすく、反射もしやすい性質があるため、遠くまで電波が届きやすいとされています。
・5GHz帯の電波は、直進性が強く、障害物の影響を受けやすい特性があります。
上記の様に同じルーターでも、2.4GHz帯と5GHz帯では電波の特性が異なるため、状況に応じて使い分けるといいでしょう。現在では、両方使える機種も出ています。
次回は、「どうやってWiFi接続するの?」です。 仕組みと接続方法についてです。
—関連記事—
・今時の「無線LANルーター」、自分に合ったものを選ぶとしたら、何を基準に選んだら良いの?
・第2回 どうやって?WiFi接続するの?
・第3回 無線LANのセキュリティ設定
・第4回 無線LANのトラブルについて
・第5回 公衆無線LAN(WiFi)サービスについて
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