2025-09-20、
本日のお題は、社会問題の中でも「虐待」に関する問題で、「増加する虐待相談 札幌市、2カ所目の児童相談所を開設」と記事にあります。
こども家庭庁などによると、全国の児相が2023年度に対応した虐待相談対応件数は、過去最多の22万5509件(前年度比5.0%増)。
道内は6717件(14.7%増)で、調査を開始した1990年度(35件)から大幅に増えている。
・虐待死、0歳児が7割弱 23年度死亡検証を公表〈こども家庭庁〉
人は親に限らず、職業で子供の面倒をみていても、ストレスなど劣悪そうな環境に置かれると、自分より弱い者を虐待してしまう「弱い生き物」ですので、「性善説」など関係なく、信用してはいけません。特に職業で子供と接している人間をです。
1.虐待する「クソ親」を矯正施設で、再教育する必要があるか?
元々数が足りなかったのか、児相を開設したが、それより、子供を保護することも大切だが、すぐ虐待してしまう「クソ親」を矯正施設を作って、再教育する必要があるように思うが、所詮、他人事ですので、興味が無いかもしれませんが、子供の将来の為にも何とかする必要がありでしょう。 それでなくても、親の代から、この悪循環は引き継がれてゆく事が多いので、早急に対策するべきです。
日本で虐待件数が年々増加している背景には、いくつかの社会的要因が複合的に関わっています。
「クソ親が増えた」というよりも、社会環境や制度の変化が親を追い込み、結果として虐待が表面化しやすくなっているとも考えられます。
2.虐待件数が増加している社会的背景
どんなに貧困でも、昔は、「じじ・ばば」など家族が居たから、虐待したくてもできなかったが、今は「核家族」になり、監視の目が無いので、親は、やりたい放題になる。
ある意味、昔は、「たこつぼ」のような村社会で、お互い監視しあって、空気を読みながら、地域の中で生活していましたが、現代は「核家族化」が進み、親とも暮らすのも「嫌だ!」というのが、当たり前になり、メンドクサイ地域との関わり合いも避けながら生活するようなライフスタイルが、ごく当たり前の様になると、「脳」の配線がおかしい奴らは歯止めが効かず、必ず暴走を始めます。どこからか「虫」が湧いてくるように。
日本って、「個人」が無いと言われますが、個人になれるとバケモノの様な「凡人」が、すぐに出てきてしまうような民族なんでしょうか? 歯止めをかけるには、「たこつぼ」のような「村」社会が一番合っているのでしょう。
しかし、他人の家で起こった事で、最小単位の家族以外のことは関係ないと思う心も強いように思います。 子供は、社会も一緒になって育てるという意識も薄いのです。
被害者が出ないと、「バケモノ」の様な「凡人」が居ると言う事も、国民は「認識」できないでしょう。なぜなら、社会の中では、「バケモノ」の様な「凡人」は、化けの皮を剥がさない限り、ただの「凡人」として行動していますので、バケモノとして認識されませんので。
虐待の実態を知らない人も、裁判で明らかになったようなことが行われているとしたら、法改正して取り締まるのか(即、逮捕するくらい)、親を再教育(無理だと思うが)するのか、もうバケモノの様な「凡人」に歯止めをかけないと、また、同じような事件が確実に発生すると思いますがどうでしょう。
今までの家族制度が崩壊して、都市も地方も、「核家族化」した結果、今までの統制が取れなくなり、国民が一見すると「劣化」した様に見えるが、ただ単に、バケモノの様な「凡人」が潜んでいただけの様な気がします。
頭(脳)の配線が、生まれつきや養育環境の劣化で、増々、おかしくなり、これから止むことは無く、続くのでしょうが、事後対処しかできないのは、空しいというより、これが、自由な世の中なんでしょう。
1)通報・発覚件数の増加
・学校・保育園・病院・警察などからの通報義務が強化されたため、以前は隠れていたケースが「見える化」されてきた。
・本当の意味で「虐待が激増している」とは限らない部分がある。
2)経済的不安定さ
人間は弱い生き物で、自分より弱い者に八つ当たりする「卑怯」な生き物です。
・非正規雇用の増加、共働き必須の社会、低所得世帯の増加が親のストレスを高めている。
・貧困は虐待リスクと強く相関する。
3)孤立した子育て
ある意味、自業自得だが、孤独だが、今の時代は「生成AI」があるではないですか?
・核家族化、地域コミュニティの弱体化、祖父母や近所のサポートを受けられない家庭が多い。
・ワンオペ育児による孤立感から、虐待につながるケースがある。
4)精神的な余裕の欠如
・親自身が虐待を受けて育った「負の連鎖」。
・親が発達障害や精神疾患を抱えている場合、適切な支援が届かず、育児放棄や暴力に至ることも。
5)社会の価値観の変化
「しつけ」と「虐待」の線引きが厳しくなり、以前なら「当たり前」とされていた体罰も虐待として記録されるようになった。その意味では「虐待が増えた」というより「虐待として認識される行為が増えた」とも言える。
6)家族内の暴力や虐待の連鎖
幼児虐待は、家族内の暴力や虐待の連鎖の一環として発生することがあります。
過去の世代で虐待を受けた人々が、自身が親や保護者となった際に同様の行動を繰り返すというパターンが見られることがあります。
7)心理的要因
幼児虐待を行う親や保護者の中には、心理的な問題を抱えている場合があります。
うつ病、不安障害、パーソナリティ障害などの精神疾患や、過去のトラウマ体験が幼児虐待に関与していることがあります。
3.幼児虐待を受けた幼児が成長した時の脳の問題点は
幼児虐待を受けた幼児が成長する過程で、脳は繊細で、将来的には色々な問題点が生じる可能性があります。 「三つ子の魂百まで」とよく言いますが、本当の話です。
世の中で「バケモノ」を発生させる要因になっていることを認識する必要があるのです。
- ストレス応答システムの過敏化:
幼児期に虐待を経験すると、脳のストレス応答システムが過敏化する可能性があります。
これにより、通常のストレス刺激に対して過剰な反応を示すことがあります。また、ストレス応答システムの過敏化は、将来的な心身の健康リスクと関連している。 - 感情調整の困難:
幼児虐待は、感情の認識や調整に関わる脳の領域や回路に影響を与えることがあります。
虐待を受けた幼児は、感情の抑制や調整が困難になる傾向があります。これにより、怒りや不安、抑うつなどの感情の調整が困難になり、行動問題や情緒的な困難が生じる可能性がある。 - 社会的認知の障害:
幼児期に虐待を受けると、社会的な認知の発達にも影響が及ぶことがあります。
例えば、他者の感情や意図を理解する能力や共感する能力に制限が生じる可能性があります。これにより、対人関係や社会的なスキルの発達に支障をきたすことがある。 - 脳の発達の遅れ:
幼児期の虐待は、脳の発達にも悪影響を与える可能性があります。
特に、言語発達や認知能力の発達に遅れが生じることがある。また、一部の研究では、虐待を受けた幼児の脳の一部の領域が異常な発達を示すことが報告されています。
これらの問題点は、幼児期の虐待が持つ深刻な影響の一部です。
但し、個人の強さや回復力、サポート環境なども重要な要素であり、当たり前のことですが、全ての被害者が同じ問題を抱えるわけではない。
専門家の支援や適切な介入が行われることで、幼児虐待を受けた人々の回復と発達の促進が可能となりますと言うが、幼児虐待を受ける前に何とかならないのか。
4.「親の再教育施設」の必要性
児相が子どもを保護するだけでは、根本解決になりません。親が変わらなければ、子どもを家庭に戻した後に「再虐待」のリスクがあります。
実際に世界では、以下のような取り組みがあります。
-
ペアレントトレーニング(親教育プログラム)
親が子どもへの関わり方や感情コントロールを学ぶ。アメリカや北欧では一般化している。 -
親のケア施設
ドメスティックバイオレンスやアルコール依存など、親自身の問題に介入する支援施設。 -
家族再統合プログラム
子どもを守りながら、親を支援し、家族を再び安全に暮らせる形に戻す。
日本ではまだ「親を更生させるシステム」が弱く、児相は「子ども保護」に偏っているのが現状です。
再教育施設や「親のリハビリ」を重視すれば、虐待の連鎖を断ち切る効果が期待できます。
親を「クソ親」と切り捨てるだけではなく、支援・再教育する仕組みが必要です。
5.日本国内で「親の支援」「虐待再発防止」「親子関係の回復」を目的としたプログラム・実践モデルの事例
制度的にまだ途上の部分もありますが、親の「再教育」あるいは支援・介入の試みとして参考になると思います。
■日本での具体的な事例・モデル
プログラム/モデル名 | 内容・特徴 | 成果や課題 |
親子プログラム「ふぁり」 | チャイルド・リソース・センターが開発。虐待等で一時保護された子ども家庭などに対して、家庭復帰を支援するプログラム。大阪府・堺市・福岡市などで児相が導入しています。 東京すくすく | プログラムを受けた親子は約170組、子ども約400人。親自身が「受講しなければ児相と争うことばかりだった」といった振り返りも。家庭復帰直後のサポートが大事という声。課題は、家庭復帰後の不安・変化対応や継続的な支援体制の維持。 |
ポジティブ・ディシプリン®(養育者支援プログラム) | NPO法人きづく が普及を進めている。「たたかない・怒鳴らない子育て」を実践するための考え方・スキルを養うプログラム。18時間の標準プログラムなど。全国でファシリテーターを養成し、養育者数を増やしていくプロジェクト。 プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES+1 | 参加者やファシリテーターの養成など徐々に拡大中。体罰を減らす行動変容に一定の手応えあり。だが、参加者数の絶対数に対して虐待件数が非常に多いため、普及率・継続性・フォローアップが今後の課題。 positivediscipline+1 |
トリプルP(Triple P:Positive Parenting Program) | オーストラリア発の前向き子育てプログラムで、さいたま市などで保護者向け体験会を実施。「自己解決力を促す」「親子関係を良くする」という方向で育児者が学ぶ。ロールプレイ等を通じて、禁止より肯定的な言語を使うしつけなどを体験させる方式。 東京すくすく | 体験会の参加者からは「しつけの仕方を変えてみたい」「子どもの行動を良く見ようと思った」といったポジティブな反応。だが、体験会で終わることもあり、定期的・持続的な支援にどう繋げるかが鍵。 |
親子関係形成支援事業(市町村主体・改正児童福祉法による) | 改正児童福祉法で新たに明確化された事業。親子関係が不健全・危機にある家庭を対象に、親子の関係を再調整・支援するためのプログラムを自治体で実施。保護者支援プログラムが推奨されている。 atpress+2朝日新聞+2 | 新制度のため整備中。どの地域でどのような内容・頻度で提供されるかにかなりの差がある。制度的な予算・専門職体制の強化が必要とされている。 |
養育者支援システムの構築プロジェクト(RISTEX) | 親(養育者)の心身の疲れ・ストレスを見える化し、支援者・地域・制度とつないでいく仕組みを研究開発。子育て支援者や地域組織を巻き込んだネットワーク型支援の構築を目指している。 科学技術振興機構 | 研究・モデル構築段階。実用化・拡大には時間がかかる。地域差・資源(人材・予算)による実施のばらつきがありうる。 |
6.成功要因と課題から見えること
これらの事例を見ていて、「親を再教育/支援する施設」があったらより効果的だろうと思われる要素と、それを実現するための障壁が明らかになります。
■成功しやすい要素
-
早期介入:
問題が深刻になる前、または家庭復帰直後などに支援を入れること。再虐待のリスクを低減するため、家庭復帰後のフォローアップ支援が重要。 -
親自身の経験や背景を理解する支援:
親の被虐待体験、精神的・心理的困難、発達特性などを理解し、それに応じた支援方法を提供する。 -
実践的・参加型の学び:
ロールプレイ、親同士のグループワーク、具体的なしつけ・対話スキルの習得など。受け身でなく、自分で考えて変えていくスタイル。 -
継続性と地域性:
一度きりの講座・体験会で終わらず、地域で定期開催、参加しやすい場所・時間帯での提供。支援のネットワーク(保健師・福祉・児相)との連携も。 -
専門職・制度のバックアップ:
児相・福祉・保健・医療等の公的機関に加え、NPO・大学などの研究機関が協力する体制。予算・人員の確保。
■主な課題・障壁
-
リソース不足:
児相などで「通報対応」「保護対応」が多忙で、親支援まで手が回らない例が多い。 -
動機づけの問題:
虐待疑いで保護された家庭の親が、自発的に支援プログラムを受け入れない・継続しにくい。 「義務的だ」と感じて抵抗するケースも。 -
地域・制度間の格差:
都市部と地方でプログラムの提供頻度・質が異なる。
自治体によって親子関係支援の予算・専門職体制に差。 -
フォローアップと再発防止の弱さ:
家庭に戻った後のケアが十分でないと、またストレスなどで問題が再燃する。
家庭復帰直後の支援の強化が必要。 -
「親を更生させる施設」の設置・運営の困難さ:
人材・費用・法律・プライバシーの問題などが障壁になる。親を拘束・隔離するような施設だと人権的・倫理的問題も起きやすい。
最後に、
子どもを保護するだけでなく、親を含めた家庭全体を支援するアプローチは、虐待の連鎖を断ち切るために重要な視点になるが、実現するには下記の様な問題を解決しないと難しいと言えるでしょう。
・親の再教育には、本人の強い意思と協力が必要でしょう。強制的な介入は、法律が無い限り困難であり、施設利用への同意を得ることが課題となります。
・また、そのような施設の運営には、多大なコストがかかるため、その費用をどこから捻出するかも検討すべき点ですが、国の予算でしかないでしょう。
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