11.社会一般

【面白記事を紹介】 仕事せずゴマすりばかりの社員が、ナゼか高給取りになる生物学的理由

本日の面白記事紹介は、 

仕事せずゴマすりばかりの社員が、ナゼか高給取りになる生物学的理由」です。

人類学的、生物学的と云う言葉が数多く出てくるのは、私の興味をそそります。何故なら、人類学的、生物学的と云う言葉は、正確な「エビデンス」は分からないにしろ、血液型で人の性格を判断するよりか、遥かに、信憑性が高い様に思います。

人の行動を生物学的、人類学的に、俯瞰してみると、悲しくなるほど、人の弱さが見えてきます。その弱さの中で、繁栄してきたのが人類ですが、そろそろ限界地点に到達しそうになり変えなきゃならないと考えても、如何せん、これで人類は繁栄してきたので、そう簡単には、変更できません。

そうです。 「人工知能」を使って変革しよう。 いっその事「人工知能」に乗っ取られてしまえば良いんです。 でも、そうはゆきません。

その中で、人工知能の機能には、全く無い、人間の弱さゆえに、無意識のうちにやってしまっている感情・情動のに伴う行動について、紹介するようなものです。

意味のないクソ仕事/BullShitJobsをする人は、なぜか本当に社会に必要な仕事をする人よりも給料が高いという問題点」にも触れていますので、本当に面白い(仮説)記事です。

 

人工知能が、会社組織の中で、うまく機能すれば「意味のないクソ仕事/BullShitJobs」が無くなるでしょうか?

人間とは、どんな生き物か? 脳が発達したおかげで、普通の生物とは異なる行動をしてきます。 「人間観察」以上に面白いです。

1.「誠意を見せる」とは、どういうことか?

まずは、

「誠意を見せる」とはどういうことか?

こんな言葉から始まり、進化心理学的な視点から言えば、「めんどくさい」という感情はなぜ存在するのか? という処から説明されています。

私たちに「効率を追求させるため」というのが、進化心理学の回答だ。

めんどくさい」という感情は、われわれサピエンスに〈効率を追求させる〉ように機能する。

何のための効率か?究極的には、個体の生存・生殖の成功のための効率だ。

例えば、空腹の動物は“狩り”を面倒臭がらないが、しかし動物園の動物たちはみんな「めんどくさそう」なのだ。ムダなエネルギーは使わないに越したことはないのです。

逆の言い方をすれば「めんどくささ」を感じない人間は、一生 “非効率の罠”に囚われたままになり、それが進化上不利であったがために淘汰され、「めんどくささ」を感じる人間ばかりが生き残ってしまったということである。

人類の発明の歴史を振り返れば、このようなサボり心(=効率化欲求)がイノベーションの源泉ともなってきた。

これが、「誠意を見せる」とはどういうことか?。。。に繋がっているのです。

 

2.「非効率さ」をあえて他人に示すことが「誠実さ」のシグナリング

さてここから先が、実に面白いのです。

進化心理学の理論によれば、面白い「逆転現象」がここに生じる。サピエンスの集団の中では、「非効率さ」をあえて他人に示すことが「誠実さ」のシグナリング(=証)になるというのだ。

「めんどくさい」ことをすることが、まさに「誠意を見せる」ことで、「非効率であっても、これが自分にとっての「評価」で、「評判を勝ち取る」ことに繋がっているのです。

良い例が、

ニッポンが得意とする 「おもてなしビジネス」 とは、「手間がかかっている」「非効率である」ということを「あえて」示すことで「あなたには『効率重視』の対応はしませんよ」という「誠意」を見せる仕事である、といえる。

“非効率”をシグナリングすることで、愛や誠意を伝えることができるというわけだ。

 

3.会社組織内の「意味のないクソ仕事/BullShitJobs」

ここから、会社組織内の「意味のないクソ仕事/BullShitJobs」までつながっているのです。

あくまで筆者の観測範囲の話ではあるが、あえて部下にムダに労力のかかる非効率な仕事をやらせて、“上司であるオレへの誠意”や“勤め先への誠意”を示させようとするサピエンス個体が、日本の名だたる大企業や官僚組織には沢山生息しているようだ。

この言葉に尽きるのです。「犠牲を払って、評判を勝ち取る」

信頼を勝ち取ろうとする習性がある由縁んで、「あえてラクをせずに非効率なやり方をする」という振る舞いが生じる。

さて、「あえてラクをせずに非効率なやり方をする」という振る舞いが生じるのは、上司から半ば強制されるようなケースに限らない。

われわれは、自ずから、部族の皆に、会社のために精一杯の「非効率さ」を示すことで信頼を勝ち取ろうとする習性を有した動物なのだ。

「犠牲」には、社会的な魅力があるからだ。

どちらのほうが、よい同盟相手になるだろ?
1)ナンバーワンになることばかり考えている人
2)他者の利益のために喜んで犠牲になる忠実な人

明らかに2)のほうです。
そして犠牲が大きければ大きいほど、大きな信頼が生まれる。

サピエンスはしばしば、会社が「事業を行い、利益を追求する法人」であることを忘れて、生物学的動機に無意識に駆り立てられて行動する。

サピエンスが生物学的に特異な点は、

コミュニティ内で、高い評判を勝ち得た者が、生存−生殖ゲームを有利に進めることができる」という「評判選択」の淘汰圧に晒されて進化してきた動物だ、ということだ。

サピエンスの群れでは「他個体からの評判」が生き延びやすさを左右するのである。

 

だからこそ、われわれは誰もが、所属するコミュニティにおいて「高い評判を得ること」を努力して追い求める心的傾向を進化させている。

低い評判に貶められた者は、地位競争に敗北する。結婚できなくなるなどして適応度(=遺伝子の成功度合い)が引きさがり、淘汰の憂き目を見てしまう。

ただ、会社組織の中で、脳の配線が「自閉症」気味のボスだと「犠牲を払って、評判を勝ち取る」なんて云う戦略をとっても意味のない場合も十分あります。なぜなら、「犠牲」だと感じ取る配線が「脳」に無い、ボスも居ますので。。。

多分、ホモサピエンス的には、ガールフレンドや結婚相手がいない奴は、この「めんどくさい」ことをしないが為に、1人ぽっちなんでしょうね。

相手に、自分の「誠意を見せる」と云う事ができないんでしょう。

「他個体からの評判」を無視するからです。

 

4.「愛社精神」の正体

ホワイトカラーのサラリーマンたちも、「所属コミュニティ(会社)で高い評判を得るため」に、自らの時間や労力を犠牲(コスト)として「支払いたがる」。

会社への忠誠心が高い者ほどそうする。それは、サピエンスという種特有の生物学的動機にトリガーされた行動である。

「もっと会社に尽くしたい!」「上司に頑張りを認められたい!」「献身的な人だと思われたい!」。こうした「愛社精神の発露」は、サピエンスの“宗教的犠牲”行動が形を変えたものだと言える。

問題は、このたぐいの努力や情熱は、当然ながら「さっさと仕事を片付けて定時帰宅する」という方向にはけっして向かないことである。

この「より大きな犠牲を払う」という方法で所属コミュニティの構成員から高い評価を獲得するためには、コミュニティのために支払う「非効率さ=誠実さ=ムダにかけるコストの大きさ」をアピールする必要がある。

自分の仕事だけをさっさと終わらせて帰ったり、ラクをするために効率化したやり方で仕事をこなしたり、皆がめんどくさいと思っている飲み会を一人だけ欠席したりすれば、コミュニティの皆はその人を「利己的」「ワガママ」と感じる。その人は評判がガタ落ちになり、(利他的とみなされないために)信用を得られなくなる。

どこかにもいますよね。

無理・無駄が、大っ嫌いな人。。。。。上の方には少し行けますが、ほぼ、そこでストップでしょう。

「飲み会」が嫌だと欠席したりする奴が、コミュニティの皆はその人を「利己的」「ワガママ」と感じるのです。 この無駄を我慢しないと出世できないのです。出世したくない人は、どんどん「飲み会」を欠席していいのです。

自分にとっての「メリット」は、人それぞれ違うので、「利己的」「ワガママ」と思われようが、自分には関係ないと思うかどうかです。

「飲み会」が好きな奴は良いが、嫌いなくせに出席する奴はコミュニティの皆から「利己的」「ワガママ」と思われて、評判を落としたくないからだけなのです。

「非効率さ=誠実さ=ムダにかけるコストの大きさ」を無視する人は、出世できないのです。

何回も言いますが、別に、万年「平」で、出世したくない人は、どんどん「飲み会」を欠席していいのです。評価されることを放棄しているのですから。

 

そう、われわれサピエンスの社会で繰り広げられる“評判選択”のゲームを有利に進めるためには、効率を追求し、ただ成果を上げまくるだけでは足りない。他人から利他的に見えるように振る舞う必要がある

内心では「早く出世したい」「地位を高めたい」という利己的な欲望を燃やしている人であっても、だ。

そしてこの「利他的か否か」は、組織内においては「めんどくさいことをめんどくさがらずにやれる人かどうか」で判断・検証される。

会社というコミュニティのために、その人が費やした犠牲(コスト)が大きいほど、コミュニティのメンバーからの評判は高まる。

経営者としては、従業員にはあくまで経済価値を第一に追求してほしいはずだが、従業員はもれなくサピエンスなのであり、生物学的価値(たとえば「評判」)の方をついつい追求してしまうのだ。

 

5.なぜ「働かない人」は給料が高いのか

デヴィッド・グレーバーは、「意味のないクソ仕事/BullShitJobs」をする人は、なぜか本当に社会に必要な仕事をする人よりも給料が高いという問題点をあげていた。

生物学的ファクターに着目すれば、

いくらサピエンスたちが口先では否定しようとも、社内政治によって出世や報酬が決まるという現実は存在する。

筆者の仮説は、結局のところ、チンパンジーの群れなどにおけるボス(アルファ)からの「評価配分の傾斜」が、そのままサピエンスの群れ(=会社組織)の給与報酬配分にも反映されているのではないか、というものだ。

グレーバーのいう「実際には何もしていない人のほうが、具体的に役立つことをしている人よりも、はるかに給料がいい。仕事が社会に貢献している割合と、もらっている報酬が、逆相関になっている」構造が自然と立ち現れてくるのではなかろうか。

もちろん、“実際には何もしていない人”は、本当に何もしていないというわけではない。彼らは日々、真剣に、社内政治に取り組んでいたりするのである。

故に、「クソ仕事」の克服は難しい。。。と。

著者は、更に皮肉を込めて言う。

ここまで述べてきたような生物学的ダイナミクスを克服し、このおかしな状況を “是正”しようと動く企業は、この先あらわれるだろうか?

筆者の予想としては、難しいだろうと思う。

おまけにわが国ニッポンには、礼節と慣習とタテマエを何よりも重んじる素晴らしき風土がある。東大を出たエリートたちが日々どんな仕事をして稼いでいるかというと、“ハンコ・スタンプラリー”だったりするのだ。

「意味のないクソ仕事/BullShitJobs」は、これからも、のうのうと社会にのさばりつづけるだろう。

この生物学的な呪縛を克服しない限り、ニッポンは「先進国生産性ワースト」ポジションを彷徨い続けるのかもしれない。

 

今の若い人達は、入社後、段々、この構造を無意識に発動出来る人は競争に勝ち残って行ける素質を持っているのでしょうが、脳科学的に、優秀な頭脳をしていても、空気を読めないタイプの労働者は、優秀でも、このクソ「メインストリーム」に入れず、外れて出世でないのでしょうね。

小さな会社にいても、同じようなことが起こります。
「非効率さ=誠実さ=ムダにかけるコストの大きさ」が大事になるのです。組織が小さいとすぐに出世できます。

 

これは、「会社員」だけではなく、私のような「自営業者」にも言えるような気がします。

「誠意を見せる」。。。金になりそうでも、「誠意を見せたくない」奴には、見せないのです。 ですので、余り金儲けが上手ではありません。

出世できる奴、金儲けできる奴は、この非効率なことを将来のために、我慢できる人間たちなんでしょうね。

コツコツと自分で勉強はできるのだが、将来、得るだろう「メリット」を、他人に対して非効率なことをして「誠意」を見せてる、そして「信頼」を勝ち取る。

このクソみたいな時間を待てない。。。。。そこが分かれ目の様です。

 

6.これからの変動

歴史社会学者の「小熊 英二」さんなどは、昭和、平成と、現代日本での生き方を「大企業型」「地元型」「残余型」の3つの類型に分けて説明していますが、とりわけ、昭和から平成とあまり変化、変動の無い「大企業型」にも、「AI」などの影響で、大量のリストラなどが行われて、変動が起き始めているのかもしれません。

現在、大企業の中高年の「リストラ」が、本当に始まっています。
朝日新聞、味の素、カシオ、ファイザー、LIXIL、KIRIN、日産自動車、損保ジャパン日本興亜など。

少子高齢化で、人手不足と言われていますが、矛盾していますよね。

実は「意味のないクソ仕事」をしている階層は、人が余っているのです。

早期退職の実施理由は、業績悪化という企業もあるが、それより、儲かっているが、AI時代の到来に備えるためとしているところが、なんとも時代の変化を感じるのすが、要らない人たちが切り捨てられる時代が、もうすぐそこに来ているのです。

日本大企業の採用は「メンバーシップ型」と呼ばれ、専門スキルを見込んで採用しない。だから、どこの大学に入ったかで、何を学んで卒業したかなんて関係ない。

企業の共同体の一部になり、「ジェネラリスト」が求められている。「ジェネラリスト」と聞こえはいいが、「何でもできる人」ではなく、「コミュニケーション能力」のような、周囲と軋轢なく調整を進める能力が重視されている。

結局、できることは「調整」と「報告」と「管理」しかない。

そして調整と管理の能力は属人性が低く、代替可能な業務である。

然るに、首を切って(リストラ)も会社側は何も困らない。 しかし、リストラされた当の本人は、専門性のスキルの無い、どこにでもいるオッサンになってしまう。 だから、転職するのが、非常に大変である。

そうです。

40代のこれからという時に、途中で「リストラ」されるのなら、「意味のないクソ仕事」を我慢して続ける意欲も無くなってしまいますね。

さあ、「大企業型」に属する、40代、50代のお父さん、すでに変動が始まっています。

現代日本での生き方で「大企業型」「地元型」「残余型」の階層の内、「地元型」「残余型」の階層は、昭和から平成の時代に、嫌というほど、変動・変化してきましたが、変動の少なかった「大企業型」の階層がいよいよ動き出したのかと思うと、わくわくします。

これでやっと「大企業型」に属する人たちも追い込まれ、平等になります。

このような状態に、本当になるなら、「人工知能」の進歩も悪くないような気もします。
「大企業型」に属する人たちが没落してゆく。


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