本日のお題は、最近の「無線LANルーター」が進化しているが、どれが良いのか? 最新Wi-Fi規格「Wi-Fi 6」って何? です。
最近は、一家にPC1台から、家族で複数台のPCを使う機会はもちろんの事、タブレット(iPadなど)、スマートフォンで、家庭内で、「無線LANルーター」を使いインターネットをされている方も増えているのではないでしょうか。
お家でも増々「トラフィック」が増大していますが、最近の「無線LANルーター」は、4,5年前のと比べると、比較にならないほど高速化しています。 光などの固定回線も高速化していますが、未だに「インターネットが遅い」などと、困っている方もいると思います。
余談ですが、
私が、「Wi-Fiルーター」と記載しないのは、元々「Wi-Fi Alliance」という団体が行う、無線LANデバイスに対する認証プログラムのことで標準化された規格の名称です。
「Wi-Fi Alliance」は何をやっているかと云えば、無線LANデバイスの相互接続性の確認と認証です。同団体が相互接続性があると認めた無線LANデバイスに付与されるのが、「Wi-Fi CERTIFIED(ワイファイサーティファイド)」と云う認証なのです。
「Wi-Fi」という規格を分かりやすく言えば、異なるメーカーの無線LANデバイスを組み合わせるとうまく通信できないという問題が発生していましたので、いわゆる「相性問題」が無いように規格を統一したのです。
ですので、通常、機器は「Wi-Fiルーター」ではなく、「無線LANルーター」と呼びます。
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1.光回線を使用しているにも関わらず、「遅い。。」という方は、原因を調べてみましょう。
原因をWAN側から順番にたどれば、
1)ネット回線が遅いのか
これはもう、光回線を引いていて、遅いはずはないでしょう。
集合住宅(古いマンションなど)で、VDSL(建物までは光回線だが、電話回線のジャックを使用して宅内は「ADSL」で各家庭に繋がっている方式)を使っている場合、接続して使用しているユーザーが増えれば、段々、遅くなるでしょう。
2)無線LAN(Wi-Fi)ルーター自体が遅いのか
これも、十分に考えられます。 5,6年前の製品を使い続けていれば、もう、そろそろ買い替え時です。 多分、速度(Mbpsで云えば)が一桁くらい違います。
最近の製品は、びっくりするほど速くなっていますし、昔の様にパソコンだけでなく、今は、家庭内で、スマートフォンの通信容量を節約するため「動画」を観る時に、無線LANルーターを複数の家族で使う機会が多くなっていますので、なおさらです。
TPリンクの商品ですが、1万円しない機器でも、友人とお客様に導入しましたが、間違いなく速くなりましたし、電波の届く範囲も広くなっています。
3)パソコン自体の性能が低いのか
これは、パソコンの状態をタスクマネージャーなどで、表示すれば、どのような状態になっているのか、すぐにわかるでしょう。 CPUやメモリの使用率が高負荷の状態が続いているかどうかチェックすれば分かります。
性能の低いパソコンの場合は言わなくても分かりますよね。 買い替えればいいだけです。
■サイトのコンテンツ自体が重い場合もある
どんなコンテンツを表示しているのかにもよりますが、通常、文章を観るだけのサイトで表示が遅い場合も、十分あります。 広告をたくさん抱えたサイトなどは特に表示が遅いでしょう。
■性能の低いパソコンの場合、実施する必要がある事柄
後は、ソフト的な要因、使用している「ブラウザー」のメンテナンスを怠っていると、性能の低いパソコンの場合は、重くなっている事も十分あります。この場合、履歴やキャッシュを「クリーナーソフト」などを使って、定期的にメンテナンスすれば、ある程度予防できます。
—関連記事—
・インターネットが遅い、原因は何?。
2.最近の進化した「無線LANルーター」の機能
最近の無線LANルーターは、ここ数年で色々な高速化のための機能が出現して、何がどうなっているのか、この辺でまとめてみないと分からなくなりますので、自分の為にも記載してみます。
個人で、最新の無線LANルーターをそろそろ購入しようと考えている方で迷っている場合は、自分にはどんな機能が必要か、懐ぐあいと相談しながら、参考にしてみて下さい。
1)デュアルバンド、トライバンドとは?
無線LAN(Wi-Fi)ルーターの技術で云えば、帯域(周波数帯)のお話です。
分かりやすく「高速道路」に例えれば、走行車線の数とでも言いましょうか。
シングルバンド—->「デュアルバンド」 —>「トライバンド」と進化しています。
4,5年前の無線LAN(Wi-Fi)ルーターを使用していて、遅いとボヤいている暇があるなら、即刻、1万円しなくても購入できる「デュアルバンド」対応の機器を購入してみてください。現状より、数倍速くなっていることに、気が付く人は、気が付くでしょう。。。。通信速度をアプリで測定すれば、すぐに分かります。
(1)無線LANの電波の特徴・特性として、
・2.4GHz帯 速度は遅いが、障害物に強い
・5.0GHz帯 速度は早いが、障害物に弱い
(2)デュアルバンドとは
2.4GHzと5.0GHz、2種類のWi-Fi電波(2つの周波数帯)を使用できる。
(3)トライバンドとは
2.4GHz 帯に1つ、5GHz 帯に2つの帯域、3つ同時に使用できるようにしたものです。
でも、ちょっと、製品の価格が高いので、家族の中で、特にオンラインゲームをするチビが居る場合は、「トライバンド」にすれば、他の家族の「帯域」を別に確保することができますのでメリットがありますが、パソコンとスマホ程度でしたら通常は「デュアルバンド」で十分でしょう。
2)メッシュ対応とは?
2018年の春頃から無線LANルーターの「メッシュ」機能に対応した無線LANルーター製品が販売されるようになってきています。
「メッシュ」対応のネットワークって、何か?と云えば、
「メッシュネットワーク」は、スマートフォンなど通信機器で云えば、「移動体通信」の技術で、従来の無線LANの「中継器」では、通信機器が移動すると切り替えが苦手ですが、例えば、家の中や、広い施設で移動しながら無線ネットワークを使用する場合に、接続がスムーズになり便利な仕組みなのです。 ですので、狭い一部屋では、必要がありません。
中継器(アクセスポイント:ブリッジモードで動作)とは違い、1つのSSID、パスワードで、張り巡らしたメッシュネットワークを構築できて使えます。部屋を移動中でも、SSID、パスワードが変わらず、そのまま電波を維持してくれます。
3)IEEE 802.11ax規格(Wi-Fi 6)とは?
「Wi-Fi 6」とは、次世代の無線LAN規格「IEEE 802.11ax」と呼ばれる規格で、規格上の最大速度は9.6Gbps、実効スループットが1Gbps以上と有線LANに迫る性能だが、現状の製品は最大4804Mbps(160MHz幅×4ストリーム、もしくは80MHz幅×8ストリーム)を実現可能になっている。
2020年4月現在、IEEE 802.11axは、ドラフト状態で正式な規格にはなっていません。
Wi-Fiアライアンスは、IEEE 802.11n、同11ac、同11axの3つの仕様について、「Wi-Fi 4」「Wi-Fi 5」「Wi-Fi 6」という名称を使うことにしたのです。
名 称 | 仕 様 | 策 定 年 | 最大転送速度(理論値) |
---|---|---|---|
Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n (2.4GHz帯/5GHz帯) |
2009年 | 0.6Gbps |
Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac (5GHz帯のみ) |
2014年 | 6.9Gbps |
Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax (2.4GHz帯/5GHz帯) |
2020年(予定) | 9.6Gbps |
「Wi-Fi 6」の優れている所は、最大通信速度のアップ、スループットの向上、遅延の抑制、低消費電力などです。11axとは、2.4GHz帯と5GHz帯を使う無線LANの仕様で、より多数のクライアントと接続を可能にする技術「OFDMA」が導入されたのです。
複数の端末などを同時に利用する環境の小規模なオフィスなどでも導入すれば、効果抜群でしょう。
ただ、ルーターと同じように、スマホ、タブレット、パソコンがこの通信規格に対応していないと、当たり前ですが使えないと言う事になります。
<Wi-Fi 6 対応デバイス>
・パソコン:
Intelの「第10世代Coreプロセッサ」を搭載するノートパソコンを中心にWi-Fi 6対応モデルがリリースされています。 LGの「gram(2020年モデル)」、Dellの「Inspiron 14 7490」
・スマホ:
AppleのiPhone 11シリーズ、iPhone SE(第2世代)、サムスン「Galaxy Note10+」
<Wi-Fi 6対応の無線LAN ルーター>
■TP-Link WiFi 無線LAN ルーター Wi-Fi6 AX6000 iphone11 対応 11AX 4804Mbps + 1148Mbps Archer AX6000 3年保証 【 iphone 11 / iphone 11 pro 対応】
Wi-Fi 6対応の無線LANルーターは、1万円くらいから3万円くらいまでありますが、まだ高価です。 選ぶときに注意が必要なのが、有線LANの速度です。最近のインターネット回線(WAN側)が1GBを超えているサービスがありますので、同じように有線も高速なものを選ぶ必要があるでしょう。
■2020年4月23日、バッファローが、「WiFi 6(IEEE 802.11ax)」に対応するWiFiルーター3モデルについて、今夏の発売を予告しています。
・Start! Wi-Fi 6 バッファローサイト
https://www.buffalo.jp/topics/utilize/detail/start-wi-fi6.html
■WXR-5950AX12
バッファローのフラッグシップモデルです。
■RT-AX56U ASUS
4)MIMO、MU-MIMOとは何か?
■MIMOとは、
Multiple Input Multiple Outputの略称で、複数のアンテナを用いてデータの送受信を行う1対1の通信です。「IEEE 802.11n」規格の無線LANルーターに取り入れられ利用されています。
このころから、「角」の生えたルーターが出てきました!
アンテナを増やすことで、電波も安定しますので、送受信側それぞれが複数のアンテナを用いて、同一周波数帯で同一通信を行うことで、通信を高速化させる技術です。
周波数帯域を増やさなくても高速化できるメリットがありますが、アンテナの数が増えるほど消費電力も増えて、接続する端末の数が増えると通信速度が低下しまうというデメリットも存在します。
■MU-MIMOとは
「Multi User MIMO」の略称で、アンテナごとに異なる信号を複数の端末に送信する1対多の通信です。
またMU-MIMOには端末がある場所に最適な電波を送信する「ビームフォーミング」という機能が搭載されていますので、スマホなどの端末を使う時にメリットがあります。
MU-MIMOを利用するには、無線LANルーターと端末の両方が対応している必要がありますので、買い替える前にまずは対応しているかどうか確認が必要です。
3.どうやって「無線LANルーター」を入れ替える?方法を知らない人のために
無線LANルーターを入れ替えるのは、現在使っている機器の中に設定されているプロバイダーの情報(IDとパスワード)を設定すればそれで終わりですが。。。どうすれば、実際に設定できるのか? これが分からない方は多いのですが、一度、手順を覚えれば、誰でもできるでしょう。 ぜひ、やり方を覚えておいた方が良いと思います。
パソコンと接続している状態で、「無線LANルーター」のプライベートアドレスを下記の要領で入手する。
■コマンドプロンプト」画面を表示してコマンドを入力する。
Windows10の場合は、スタートメニューの「すべてのプログラム」より、「Windowsシステムツール」->「コマンドプロンプト」画面で、「ipconfig」と入力すると「デフォルトゲートウェイ」のアドレスが表示されます、これが無線LANルータの「プライベートIPアドレス」です。 ルーターは、パソコンや自分も含めて、「プライベートIPアドレス」を振ります。
<「コマンドプロンプト」画面>
上記画面より、ルーターの「プライベートIPアドレス」が分かりましたので、ブラウザを起動して、下図の様にIPアドレスをアドレスバーに入力します。
■そうすると、無線LANルーターの中に入り込む為のログイン画面が表示されますので、ユーザー名とパスワードを入力すると、いよいよ、ルーターの設定画面が表示されます。
■無線LANルーターの中に入り込む為のログイン情報は、機器の説明書にデフォルトの値が記載されていますので。。。。尚、自分で書き換えて、忘れたらおしまいです(初期化するしか手は有りません)。
※無線LAN接続のIDとパスワードではありませんので、勘違いしないように。
■これは、入れ替える前に古い方の、プロバイダーの情報(IDとパスワード)をメモする。
■新しい無線LANルーターに入れ替えてから、上記と同じ要領で、無線LANルーターに入り込んでプロバイダーの情報を入力するだけです。うまくゆけば、インターネット(WAN側)に接続できます。 プロバイダーの情報を入力する画面は、メーカーによって違いますので、各無線LANルーターのメーカーのHPから調べてください。
尚、新しい「無線LANルーター」の中に入り込む為のログイン情報は、セキュリティ上、必ず変更しておいた方が良いです。 デフォルトのままだと不正侵入されますよ。
最後に、
一人暮らしなら、5,6千円くらい、通常の木造2階建ての住宅なら1万円前後の最新の無線LANルーターで十分速くなるでしょう。 5,6年前の機器と比較にならないほど速いです。
また、家が大きくて、家族が複数人で通信端末をバリバリ使っている場合や、小規模オフィスで使用するなら、上記の機能を知っておいて、何が必要か判断する材料にしてみて下さい。
<主な、国産ブロードバンド通信機器メーカーの製品サポート専用サイト>
・NEC 121 :http://121ware.com/aterm/
・バッファロー :http://buffalo.jp/support_s/
・IOデータ :http://www.iodata.jp/support/
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