格安SIM、スマホ乗換方法

ドコモ回線を使用している、同じ「MVNO」でも、どうして回線スピードが全然違うんだろう??

nvtrlab / Pixabay

NTTドコモの回線を使用している、同じ「MVNO(仮想移動体通信事業者)」でも、どうして回線スピードが全然違うんだろう??。。。。です。 

最近、「MVNO」が、かなり無理している様にも思いますが、いい感じで、ユーザーが増加している様ですので、水を差さないように情報を記載して行きたいと思います。

 

なぜ、回線スピードが気になったかと云うと、お客様のWEBデータベースシステムで、サービスマンに「8インチ Androidタブレット」を持たせて、「OCNモバイルONE」のデータ通信専用のSIMを使い、システムを運用しているのですが、タブレットで処理するのに遅くて時間がかかると、複数、小言をいただいているのですが、原因が、Androidタブレットの処理能力なのか?、通信回線なのか? サーバーの処理能力なのか? 判断が付かない状態でいました。

 

Androidタブレットでアプリの反応が遅い要因は。。。
・Androidタブレットの処理能力なのか? —>そんなに性能の低いマシンではない。
・サーバーの処理能力なのか?—->Microsoft社のWEBデータベースサーバーですので。。
・1年前に契約した「OCNモバイルONE」—->通信回線なのか?

この中で、疑わしいのは、やはり、通信回線ですかね。 確かに「OCNモバイルONE」のSIMは、ちょっと遅いのは分かっていますが。。。。。データベースサーバーの混み具合も有りますが。。。

この現象を調べる前に、まずは、「MVNO」が、どのような形で、回線をかりて運用しているのか? について、認識しないと始まりませんので、前置きが長くなりますが、必要な事ですので記載します。

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1.「MVNO(仮想移動体通信事業者)」は、設備が無くても、どうして回線サービスを提供できるのか?

NTTドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリアは、国から周波数帯を割り当てられており、その周波数帯を使って通話や通信サービスを提供しています。

MVNE仮想移動体サービス提供者)、MVNO仮想移動体通信事業者)は、キャリアに金を支払って、「通信帯域」を借りて、サービスを提供しています。そして、法で、MVNOなどに回線を貸してと云われたら、MNOは断れないようになっています。

MVNEは、MVNOの参入障壁をなくすための支援事業している。


スマホ—–>MNOの回線(無線)——>MVNO—-(有線)—->WWW—>SVER

移動体通信の無線の通信設備を借りる、借りると云っても「帯域」を借りるのです。
借りると云っても、タダではなりません。キャリア(MNO)に金を支払います。

例えば、「道路」で分かり易く云えば、車が走る為の「車線」を借りるのです。
無線通信は、電波ですので、「通信帯域」を借りると云います。

 

2.通信事業者のパターン

1)MNO(Mobile Network Operator):移動体通信事業者

「NTTドコモ」、「ソフトバンク モバイル」、「au」などのキャリアが、MNOです。
但し、回線を貸出しているのは、ほぼ、NTTドコモ、auです。

いわゆる「土管屋」と呼ばれている業者です。。。。ほぼ、「土管(回線)」からしか、収益を得る事の出来ない企業ですので「土管屋」と揶揄されます。

ですので、総務省から、いくら突っ込まれても、ガンとして、通信料金を下げません。
なぜなら、これしか儲ける道具、システムが無いからです。まあ事実ですので。。。

 

ところで、Y!モバイルは、MVNOか?。。。ソフトバンクの子会社ですが、自社で回線を持っている立派なMNOです。 MNOで唯一、安い料金でやっているのが、Y!モバイルで「ニャンキュッパ」です。

ソフトバンクモバイルだけ、「MVNO」に貸出ししていませんが、貸出しそうな動きを見せています。 ただ、回線の貸出料金が一番安いのはNTTドコモです。だからドコモ回線を利用しているMVNOが多いのです。

 

(1)NTTドコモの場合

NTTドコモには、「LTE(FDD-LTE)」と「3G(W-CDMA)」という2つの通信規格があります。このLTEと3Gには、それぞれ周波数帯が決められており、NTTドコモは、下記の周波数帯を使用しています。
【LTEの周波数帯】
・2.1GHz帯:バンド1
・1.7GHz帯:バンド3
・800MHz帯:バンド19
1.5GHz帯:バンド21
・700MHz帯:バンド28

【3Gの周波数帯】
・2.1GHz帯:バンド1
・800MHz帯:バンド6
800MHz帯:バンド19

ドコモ系のSIMフリースマホ端末を購入時の注意点
SIMフリースマホは、機種によって対応する周波数帯が異なります。

まず、チェックしておきたいバンドは、
・LTEの「2.1GHz(バンド1)」に対応しているか。
日本全国に基地局があり速度も高速。海外でも使われています。

・LTE、3Gの「800MHz(バンド19)」に対応しているか。
プラチナバンドと云われ、電波が届きにくいエリアで使われているバンドでもあります。

・3Gの周波数帯「800MHz(バンド619)」を「FOMAプラスエリア」と呼んでいます。

 

(2)auの場合

注意事項
au系の格安SIMは、3Gによるデータ通信は行っておらず、「4G LTE」だけで通信をしていますので、「4G LTE」に対応した機種(端末)でしか利用できませんので注意です。

田舎(失礼!)だと、auの「4G LTE」があまり使えない地域が有るので、au回線での格安SIMは使えない場合が有りますので注意です。

※auのネットワークを利用してサービスを提供している「MVNO」は現在3社あります。
・ケイオプティコムの「mineo」
・UQコミュニケーションズの「UQ mobile」
・STNetの「Fiimo」

 

2)MVNE(Mobile Virtual Network Enabler):(仮想移動体サービス提供者:一次業者)

:IIJ、OCNモバイルONE、mineoなど

MVNEは具体的にどんな事業なのか? MVNOの参入障壁をなくすための支援事業(課金システムの構築、MNOとの交渉など)を行っている会社です。

MVNEは、通信回線の品質を決める要素となっていますので、各MVNOの回線の内容、スピードなどが左右される。

・MVNE IIJ系——-> IIJmio、DMM mobile、BB.exciteモバイルLTEなど

・MVNE OCN系——->OCNモバイルONE、ぷららモバイルLTE、NifMoなど

 

3)MVNO(Mobile Virtual Network Operator) :(仮想移動体通信事業者:二次業者)

:U-mobile(U-NEXT)、楽天モバイル(フュージョン・コミュニケーションズ)、NifMo(ニフティ)、その他。

 

 

3.回線を借りると云っても、2つパターンが有ります。

1)MNO → MVNE → MVNO → ユーザー

2)MNO → MVNO → ユーザー

上記の様に、MVNOと云っても、一次業者と二次業者が存在しています。

一番下が、二次業者のMVNOですが、MVNOは直でNTTドコモ、auカら借りているのか? 一次業者から借りているのか? 秘密です。。。言いません だって不利になりたくないですから。。。

 

4.ネットワーク上の繋がり方

スマホ—–>MNOの回線(無線)——>MVNO(有線)——->WWW——->SVER

1)MNOの回線を借りる場合、「帯域幅」に応じた接続料金がかかリます。

要は、分かり易くい云えば、2車線の道路を借りるか、4車線の道路を借りるかです。
車が増えた時に、4車線の道路の方が混まないでしょう。。。でも、金がかかるから、初めは2車線の道路を借りるでしょう。

2)MNOの接続帯域幅
MNOの接続帯域幅をどのように設定するかは、MVNO各社のポリシーにかかわる部分であり、経営上の秘密です。 チューニングの余地は有るようです。

 

5.格安SIMが遅くなる原因

下記の様なアプリで、スピードテストをしますが、参考程度にしかならない場合も多いのです。

rbb_today_001

複数の調査で、常に低速の結果しか出ていない「MVNO」のSIMは、MNOとの帯域が不足していることも疑われる。。と云った判断の材料にできることは確かですが、まだ他にも要因はあります。

1)契約者が増えると遅くなる

MNOの回線を借りる場合、「帯域幅」に応じた接続料金がかかる仕組みになっていますが、契約数が増えたからと言って、MVNOが、金を払って「帯域幅」を増やしているとは限りません。

「OCNモバイルONE」が、いい例で、一次業者にもかかわらず、回線スピードが、本当に遅いです。

2)時間帯

通信量の多く発生する時間帯があります。 そうです、みんなが一斉に使いだす時間、昼休み、会社から帰る時間帯などです。

SNSなどのテキスト(文字)データの送受信では、そんなに通信量が多くなるはずが有りません。

この通信量が多くなる原因は、動画の視聴でしょう。 まあ、自業自得と云うか、みんなで観れば、遅くなる。。。。当たり前の事です。

この様に、スマホを使いこなせもしないレベルのユーザーが、多くなると、このような事が起こるのです。 そう、このレベルのユーザーの為に、回線の速度を上げる必要があり、お金が掛かるのです。

 

6.あくまでも参考値ですが、17サービスのドコモ系MVNOの通信速度をリポートしたサイトが有りますので紹介します。

ランチタイムでも「FREETEL SIM」が速い――「格安SIM」18サービスの実効速度を比較(ドコモ回線6月編)
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1607/06/news132.html

FREETEL SIM」が、結構、平均して速いではないか。。。。

このテストは、東京近郊のテストですので、札幌市内でも同じ結果が出るかどうか?。。

どのMVNOのサービスを契約するか。。。「当たりくじ」を引けるかどうか?。。。。
個人的に、Googleの「Nexus 5」に、格安SIMを契約してに入れて使用しようと考えていますが、ヨドバシカメラ札幌に「FREETEL」のブースが有りますので、「FREETEL SIM」にしようかと。。。。

まあ、バカ動画、エロ動画も観ないし、バカゲームもしないので、テキスト情報の送受信だと、そんなに速度を気にする必要も無いのか。。。と思います。

 

7.どの業者を選べば良いのか?

まあ、仕組みが分かれば、「通信帯域」に余裕のあるMVNOを選べば良いのですが。。。どの業者が、「通信帯域」に余裕のあるのかなんて、ユーザーは分からないでしょう。

どこの業者が、ユーザー数が多いのかは、大体ですが、分かりますが。。。。ユーザー数については、値段やサービスで人気が出れば、「通信帯域」に余裕がなくなる前に、すぐに「通信帯域」を増強する力を持った業者なのか。。。と云う事もユーザーが知りようが有りません。

「OCNモバイルONE」の様に、ユーザー数が多くなり、「通信帯域」を増強しても、大幅に増強したわけではないため、いまだに、最下位レベルの遅い業者も有りますので、何とも言えません。

色々な要素が、月単位で、変動しますので、MVNOの「通信速度」を調査しているサイトの情報と、MVNO各社のサービス内容と料金を考慮に入れながら判断するしかない様です。

 

そんな意味で云えば、キャリアからMVNOに、なかなか移動できないのは、パソコンを使いこなせもしない、スマホをオモチャにしかできない低レベルのユーザーは元より、使いこなしているユーザーでも、どこと契約しようかと考えると、難しい選択になりますね。

まあ、MVNOの場合、2年縛りなどが、無い契約が多いので、乗り換えようと思えば、キャリアより、ローコストで可能ですので、失敗はしたくありませんが、気楽に行きましょう。

SIMもそうですが、SIMフリースマホは、機種によって対応する周波数帯が異なりますので、ドコモ系の「SIMフリースマホ端末」を購入時、どのバンドを使えるのかの注意点も忘れずに!!

 

追記】 2016年7月5日
ついに、郵便局(日本郵便)が、格安スマホの販売に参入します。

郵便局に、IIJの格安スマホのカタログを設置する形で販売します。
申し込むと、「SIM」と「スマートフォン本体」がセットで、自宅に「ゆうパック」で配達されます。

セット内容 :IIJmio高速モバイル/Dサービス「ミニマムスタートプラン」の音声機能付きSIM(みおふぉん)を、富士通製SIMロックフリー端末「arrows M03」とセットにして提供するものです。

販売開始   :2016年8月1日から

取扱う郵便局 :東海地方(岐阜県・愛知県・静岡県・三重県)の2050局。
順次全国の郵便局に展開していく様です。

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設定済のSIMとスマートフォンが、セットでユーザーの手元に郵送で届き、電源を入れるだけで使用可能。

・IIJ リリース ニュース
http://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2016/0705.html

 

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