Accessの扱い方

第2回 Accessのバージョン、コンポーネンツ、EXCELからの移行、配布形態、拡張性について

第2回は、Accessのバージョン、コンポーネンツ、EXCELからの移行、配布形態、拡張性について記載いたします。

1.ACCESSのバージョン

このシステムアプリケーションは、バージョンがどんどん上がるのが、ちょっと厄介な製品ですが。。。。。

1993年発売。
Access1.1、Access2.0、Access95、Access 97、Access 2000、Access 2002、Access 2003、Access 2007(最新版)とまあ、果てしなく続きます。

一番大きな変更は、「97」から「2000」の時です。ADOが使えるようになり、クラサバに移行可能になりました。 ですので、「ACCESS 97」は、もう「化石?」ですので、対象外とします。

「Access 2000」以降があれば、97のmdbは、2000のmdbに変換できますので。。。諸般の理由で「Access97」を使い続けるのだけは勘弁です。

「Access 2000」 のリリースで、Access プロジェクト (.adp ファイル) という新しいテクノロジが導入されました。この新機能を使用すると、Access 環境で本格的なクライアント/サーバー アプリケーションを開発できます(Jetではなく、後で記述するMSDEを使ってクラサバが構築できます)。
(クラサバ:クライアント/サーバーの略称)

2.コンポーネンツ

1)データベースエンジン

Accessのデータベースエンジンは、Jetデータベースエンジンと呼ばれるものです。
(実績は十分ですし、jet使用時は、DAOでVBを記述できます)。

2)オブジェクト

(1)DAO
「Data Access Objects」で、Jet向けに開発されたインターフェースオブジェクト。

(2)ADO
「ActiveX Data Objects」で、OLE DB プロバイダを介して言語に依存しないインターフェイスオブジェクトとして開発されました。
(SQLServerに移行する予定のある場合は、必ずADOを使用する事。DAOは使えません)。

 

3.EXCELからのAccessデータベースへのデータ移行

・エクセルを使ってデータベース代わりに使用している方が、たいへん多いと思います。
・エクセルから、アクセスのデータベースにデータを移行する作業は、簡単にできます。
・テーブル変換ツールが付いていますので、数分で移行作業が完了します。

注意事項
移行後、テーブルデータ項目の属性定義で「文字」や「数値」等の定義をしますが、「Excel使い」の方は、これがある特定の項目内で「ぐちゃぐちゃ」で適当に入力されている場合がありますので、直してからの方が良いかと思います(文字の項目、数値の項目と)。
Excelの様に、「適当」には入力できないですので注意です。

 

4.ACCESSデータベースの配布形態

Accessを購入すれば、データベースの作成と使用(運用)ができますが、Accessのインストールされていないパソコン(PC)では、Accessで作成したデータベースファイル(mdb)は、起動できません。
ですので、通常、完成したシステムを配布、使用する場合は、別途Access「ランタイム」をインストールして使用してmdbを起動できるようにして、納品します。

・このAccessの「ランタイム」は、条件はありますが無償で配布できます。
通常は「Officeのディベロッパー」バージョン(Office 2000、XP等)に配布権つきの「Runtime」と簡易版の「MSDE」が、開発キットとして付いています。

配布条件
・このバージョンのパッケージを購入した人に配布権が得られます。
・ディベロッパーがAccessで作成した自分の会社のソフトを販売するときに顧客に配布できます。
しかし、Accessのランタイムをヤフーで勝手に売ることや、他人にタダで渡す事は違反です。

「Officeのディベロッパー」バージョンは、ヤフーオークションでもたまに出品されていますが、あまり、値崩れしません。高いです。2002(XP)バージョンで5万円くらいかと。

<ランタイムだけですませようとしても、そうは問屋が卸しませんよ!>
みなさん、ここが分かっていないと思いますが、「Accessのmdb」を使うだけなら、ランタイムでOKですが、自分でシステムを作成する場合は、どうしてもAccessを購入する必要があります。 Runtimeでは、作成ができません。作ったソフトを動かすだけしかできません。

まあ、高価ですが、自分でデータベースを作成して活用できるなら、購入する価値は十分あります。

5.拡張性について

クライアント/サーバー型の本格的なデータベースソフト「SQLServer」に移行可能です。
無償の「MSDE」と有償の「SQLServer」どちらかのデータベースエンジンを使って実験できます。
MSDEとは、SQL Server 7.0と互換性があるクライアント/サーバー型データベースエンジンです。

「移行可能です」と言いましたが、「とって!もたいへんです」。
ACCESSでプログラムを作成できる素人が実施するとしても、下記の作業をするのに多分100時間以上「お勉強」する必要があります。

作業内容
お勉強の為にACCESSで作成したプログラムを移行するなら、「MSDE」を使用(無償のソフトですので、DL、インストール可能)して、ACCESS mdbをアクセスプロジェクト型式(adp)に変換すると、クライアントサーバー型の本格的なデータベースソフトとして動きます。(この変換作業がとてもたいへんです)
初めから、ACCESSでadp型式で作成した方が、早い場合もあります。

MSDEに関する注意事項:
Microsoft SQL Desktop Engineは、Windows VistaとLonghorn Serverではサポートされないことが決まっています。従って、Windows Vistaを使用する場合は、移行する必要があります。

「MSDE」から「SQL Server 2005 Express(MSDEの後継)」へのアップグレードする必要があります。
業務で使用するならVistaはもちろん、Vistaにする予定があるなら、MSDEを使用しない方が良いのではと考えます。
(どちらの製品も、MicrosoftのWebサイトから無料でダウンロードが可能ですが。。。)

 

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