新型コロナウイルス 出口戦略とエビデンスはどこに?

本日のお題は、新型コロナウイルス 出口戦略とエビデンスはどこに?

日本の社会では、「コロナウイルス」の事を「コロナ菌」と言っている「バカ」が結構いるそうですが、菌とウイルスの区別のつかない、このレベルはさておき、この撲滅できないウイルスと、どう共存することができるのかをちょっと考えてみたいのです。

私も、パンデミックなんて生まれて初めての経験ですので、ウイルス関連の書籍は、暇に任せて、十数冊読みましたが、今一、分からない「キーワード」が沢山出てきますので、状況を交えて、エビデンスと出口戦略について、現状分かっている事を記載してみます。

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■2020年5月13日、
鈴木直道北海道知事は、札幌市を含む石狩地方のみ休業要請を延長する方針を示しました。

■5月14日、
WHOが、新型コロナ「消滅しない可能性」 終息に長い道のり という見方を示した。

■5月21日、
政府は、8都道府県で継続している緊急事態宣言を解除するかどうか判断しますが解除の目安を満たしていない北海道では継続する方針です。

道内の20日の感染確認は札幌市の1人のみでしたが緊急事態宣言解除の判断基準の1つとして政府が示す「直近1週間の新たな感染者数が10万人あたり0.5人程度以下」の目安に0.69人と達していません。
このため政府は北海道で首都圏の1都3県とともに宣言を継続する方針です。

北海道と東京都、神奈川県の緊急事態宣言が解除にならず、ほっとしている人、ちょっとイラっとしている人、立場によっては、死活問題の関係者もいるでしょう。

他県の様に、もう解除しても良いのではないか。。と考えてしまいます。

なんで、感染者数が減らないんだ!! と疑問に感じる人も、PCR検査をすれば、むしろもっと感染者は居ると考えている人も大勢いるでしょう。

1.100年前の日本での「スペイン風邪(H1N1)」

第1波は、1918年の春に起こり、第2波は秋にやってきて、第1波より重傷者を多く出しています。
終息するのに約2年もかかっています(第3波までありました)が、その間、45万人以上死者を出していますし、全世界で、8000万人から1億人と推定されている。

当時は、第一次世界大戦の真っ只中で、この大戦での戦死者が1000万人、実にその5倍以上もの人間が新型インフルエンザで死亡しています。

「ウイルス」の存在も知らず(電子顕微鏡はまだ無い)、「ワクチン」も無い状態でした。

なぜ、終息したのか?

集団免疫」を獲得したからそうです。 丸2年かかったのです。
人口の大半が感染すれば、免疫を獲得して、「感染拡大」が抑制されると言う事です。

これも、しっかりとした「エビデンス」があるのでしょうか? 本当にみんな罹ったのでしょうか?

思うに、感染者が増加して、「医療崩壊」するのを防いで、治療が遅れ死者が出ないようにするには、急激な増加は、まずいが感染者数を抑えながら、緩やかな「集団感染」を広げて「集団免疫」状態に持ってゆかないと、ワクチンの無い状態で、この流行は収まらないでしょう。

現代なら、治療をする余裕を設ければ、死者を出さずに、「集団免疫」状態に持ってゆくことが可能で、規制を解いて、緩やかに感染者を増やしてゆく方法もあるのではないかと思うのですが。

規制を解くと言う事は、終息したのではなく、緩やかに感染者を増やすことも目的なのです。

自分だけ感染しないで、終わらせようなんて、ちょっと考え方が甘いような気がします。そんな奴は、一生、部屋にひきこもっていれば、いいのですが。


2.現在、どれだけ罹っているかの判断

そもそも、この
直近1週間の新たな感染者数が10万人あたり0.5人程度以下」と云っているが、陽性と判定される「PCR検査」の分母は、いくらなのでしょう?

1000件やって5人なのか、5000件検査を実施して、出た数値なのか?

この辺が、不明瞭のままの数値で、「直近1週間の新たな感染者数が10万人あたり0.5人程度以下」と言われても、ほんとかいな!!  になってしまうのですがどうでしょう。

役に立つ指標なのか?  エビデンスはどこに?

1)陽性率

日本のデータ「母数が変化」 状況把握が難しく、あいまい過ぎる。

濱岡教授は「日本では陽性率を算出するときの母数である検査数や検査の方法が変動しているので、傾向を正しく判断することは今も難しい」と言い切った。

「政府や自治体が公表している数字は、定義がコロコロ変わるし、検査人数と検査件数が混在するなど集計方法もあいまいです。厚労省の専門家会議が出す数字も、どのように推定しているかが公開されていません。厚労省の新型コロナクラスター対策専門家が、GitHubで詳細を公表するというので楽しみにしていたら、PDFの説明資料が出ているだけでした。GitHubはプログラマーがデータを共有する場所なのに、PDFなんですよ」

5月12日になって実効再生産数のプログラムは公開されました。しかし、『接触を8割減らす必要がある』などとした根拠は今も公開されてない。そうした基本的な情報を公開しない一方で、『新しい生活様式』など、本来なら政治家が言うような提言をしています。科学者として踏み越えた面があり、疑問を感じます」

欧米の状況を見ると、日本のマスコミもよく引用するアメリカのジョンズ・ホプキンス大学は「GitHub」でデータを公開している。インペリアル・カレッジ・ロンドンやハーバード大学などはシミュレーションのためのソースコードも公開している。

「推定した結果だけでなく、そのために用いたモデル、データを公開してもらわないと妥当性を検証できません。公開すれば、第三者が確認したり、もしかするとより良いものにできたりするかもしれない。何よりも、『数字が操作されているのではないか』といった変な臆測を呼ぶことも少なくなると思います」

2)緩やかに、感染者を広げてゆくには、

クラスターを発生させないようにして、再生産数を少なくする必要があります。

■再生産数
あるウイルスが1人の感染者から平均何人にうつるかを示す数値で、ウイルス感染状況の目安だ。数値が1なら、平均で患者1人が別の接触した1人に感染させることを意味する。

1を下回れば、流行が下火に向かっていることを意味する。1人が感染させる人数が1人未満だからだ。1を上回れば感染が急増していくことを意味する。1人から複数にうつしていくからだ。

再生産数には、基本再生産数(R0)と実効再生産数(Rt)の2種類がある。

■基本再生産数
「感染者が、まだその感染症の免疫を1人も持っていない集団人口に入ったときに生み出す新規感染者数の平均値」。いわば、その病原体が持つ「素」の感染力に相当する。

■実効再生産数
「実際に現実の社会で起きている再生産数」と言うことができる。


3.重症化してゆく人たちの傾向

1)重症化メカニズム

重症化の傾向は、男性、高齢者、持病もち(高血圧、心疾患、糖尿病、ぜんそく)などだった。 持病もちなどは、生活習慣病も含まれます。

2)無症候性の低酸素症が発生している。

炎症がいっそう進むと、より多くの肺胞が虚脱する。ついには肺炎が悪化して、酸素レベルが急激に低下する。

3)サイトカインストーム

サイトカイン」とは、わたしたちの免疫システムが病原体と戦う際に放出されるたんぱく質のことで、細胞が病原体から攻撃を受けるとサイトカインシグナルを出して免疫細胞を呼び出す。これが過剰に産生されると免疫系の暴走、すなわち嵐(ストーム)が起こり、正常な細胞まで攻撃されてしまう。これを「サイトカインストーム」と呼ぶ。

容態がある日突然悪化するのは、サイトカイン・ストームが起こり、急速に進行する場合があるからだ」という。


4.「自然免疫」と「獲得免疫」

日本では、他国と比較して、死者数が少ないのは、免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」がありますが、「獲得免疫」を持っている人が多いのではと云われています。

・新型コロナウイルスに感染した日本人の免疫反応は、既に同種のウイルスに感染済みのパターンを示した
・日本人に免疫学習をさせたのは風邪コロナウイルスだった可能性がある
・感染症の発生源から遠く離れた地域の生物は、感染症に耐性がない

日本と中国の結論は多くの点で一致しており「断続的に発生する弱毒化したSARS(日本の説)」または「古くからの風邪コロナウイルス(中国の説)」といった他のコロナウイルスからの感染が、新型コロナウイルスに対する、一種のワクチンとなったとしています。

■2種類の免疫 「自然免疫」と「獲得免疫」の違い

■「自然免疫」とは、
受容体を介して、侵入してきた病原体や異常になった自己の細胞をいち早く感知し、それを排除する仕組みです。

■「獲得免疫」とは、
感染した病原体を特異的に見分け、それを記憶することで、同じ病原体に出会った時に効果的に病原体を排除できる仕組みです。
自然免疫ではカバーしきれない例えば、血液中に流れている毒素分子や小さな病原体、また細胞の中に入り込んだ病原体などです。獲得免疫は、こういう事態に対処できます。

自然免疫は警察官、獲得免疫は軍隊のようなイメージです。

自然免疫は最前線(主に血管)を常にパトロールし、ウイルスなどの外敵が侵入してきたらすぐに潰していく役割を担っています。代表的なのがリンパ球の一種であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)や、白血球の一種である好中球やマクロファージなどがあります。

「自然免疫」が外敵と戦っている段階では、特に症状はありません。そして自然免疫が勝利すれば、人間は外敵が自分の体に侵入してきた事実にすら気付くこともないのです。

ところが、自然免疫、特にNK細胞は、色々な要因で戦力ダウンすることがあります。その結果、「自然免疫」だけでは勝ち目がなくなった時、今度は「獲得免疫」が出撃していくのです。

「獲得免疫」は軍隊なので、攻撃も大掛かりです。そのため、この戦いが始まると人間も気付くことになる、つまり症状が出るのです。

おもな症状は「発熱」です。熱が出るということは、獲得免疫が働いていること、言い換えれば、免疫が本気で外敵と戦っていることを示しているのです。

5.新型コロナウイルスによる日本人の致死率、感染率の圧倒的な低さ

PCR検査の実施数が少ないが、日本はかなり感染が広まっているにもかかわらず、致死率、感染率の圧倒的な低さはなぜなのか?

仮説1:BCGワクチンを接種しているから日本人はコロナに強いのではないか。

仮説2:欧米諸国に比べ、近隣の東アジア地区で流行した「風邪ウイルス」に感染していて、すでに抗体を持っているから。

参照:日本人は新型コロナウイルスに対して免疫を持っている可能性 低い死亡率の原因?

が、果たして、そのエビデンスは?

■集団免疫

人間は感染から回復した後、免疫を獲得し、同じ病原体によって再度発症することはまれになる。既感染者が増加すると再生産数は自然に低下するが、この事象を「集団免疫」と呼ぶ。

集団免疫は、ある感染症に対して集団の大部分が免疫を持っている際に生じる間接的な保護効果であり、免疫を持たない人を保護する手段である。多数の人々が免疫を持っている集団では感染の連鎖が断ち切られる可能性が高く、病気の拡大は収まるか、緩やかなものとなる。

「集団免疫」が、うまく広がらない場合、
感染は、第一波では終わらず、冬に向けて第二波が、やってくるでしょう。それまでに、このくらい規制を緩和した時に、感染が広がるかのシュミレーションもできる様になると思いますので、また規制をかける必要が出てくるでしょう。

6.抗体、抗原と免疫  病原体からの防御の仕組み

この抗体と抗原の違いも、しっかりと認識する必要がありますので、記載しておきます。

1)抗原

「抗原」は、病原性のウイルスや細菌、カビ、花粉、卵、小麦などの生体に免疫応答を引き起こす物質で、免疫細胞上の抗原レセプターに結合し、免疫反応を引き起こさせる物質の総称です。抗体やリンパ球の働きによって生体内から除去される。

通常、細菌やウイルスなどの外来病原体や人為的な注射などで体内に入るタンパク質などが「抗原」となるが、「自己免疫疾患」では自分の体を構成している成分が「抗原」となって免疫反応が起きてしまう。

2)抗体

抗体は、体内に入ったウイルス(異物(抗原))を体外へ排除するために作られる免疫グロブリンというタンパク質の総称です

抗体は主に血液中や体液中に存在し、例えば、体内に侵入してきた細菌やウイルス、微生物に感染した細胞を抗原として認識して結合する。

抗体を体内に持つことで、再度同じウイルスが体内に入ってきても抗体がウイルスにくっついて排除してくれます。

抗体検査が陽性だと、以前に新型コロナウイルスにかかったことが証明されます。

しかし、抗体の中には少なくとも
「善玉抗体」と「悪玉抗体」と「役なし抗体」の3種類のものがあります。

ですから単に抗体の量だけを見ても、本当にどの程度、正しい免疫ができたのか、よく分かりません。

現状は、抗体の量だけ測って、抗体の機能は測っていません。

3)ウイルスに対するからだの防御

ウイルスに対するからだの防御というのは、獲得免疫だけが規定しているのではなくて、われわれの免疫は「自然免疫」と「獲得免疫」の2段構えになっています。

自然免疫が強かったら獲得免疫が働かなくたってウイルスを撃退できる可能性があります。

自然免疫だけでウイルスを撃退することもあるから、抗体の量や陽性率だけを見ていても集団免疫ができているかは判断できない可能性があります。

今回はそういうことが起きているのかもしれません。

大阪大学免疫学フロンティア研究センター 宮坂昌之教授

4)ワクチン

抗体を作るために打つ注射がワクチンです。
身体に害のない範囲で弱毒化した新型コロナウイルスを体内に注入し抗体を産生させる。


7.社会的な問題

ヒトには、伝染病にかかっている可能性がある人と接触し続けることを避ける、「寄生回避」と呼ばれる反応が備わっていて、この反応によって、自分の健康を脅かすものかどうかにかかわらず、嘔吐や皮膚病変など疾病の兆候に対して嫌悪感を抱く傾向があります。

スティグマ」は、罹患者だけでなく、病気と関わりのある人や、関わりがあるとされる人々にも影響を与え、避けられる。

患者の家族、患者の治療をする医療従事者は、感染症流行時に他者からのスティグマを経験するリスクが高い。

新型コロナウイルス感染症においては、アジア系米国人や、感染流行地域から戻った人々、医療従事者の子が通う保育園や幼稚園でもスティグマの対象になって、来ないでほしいと言われている。

医療従事者の皆様が、大変な思いをしているのに、世間は冷たいのです。

特に日本は、「同調圧力」が強いために、規制のさなか、それを破る奴が居ると、徹底的に叩こうとする傾向も強くあります。

■スティグマ

スティグマの語源は、ギリシア語で奴隷、犯罪者、反逆などにつけられる烙印の事を指す。烙印を押された人が反道徳的であったり、穢れているという事を明確にする事を目的として押され、烙印を押された人との交流は避けるべきだという社会規範が背景にはあったようです。

社会的スティグマとは、
一般と異なるとされる事から差別や偏見の対象として使われる属性、及びにそれに伴う負のイメージの事を指す。社会的スティグマは特定の文化、人種、ジェンダー、知能、健康、障害、社会階級、また生活様式などと関連する事が多い。

差別や偏見の源、原因は、ほとんどが、「無知」からくるのです。

ですが、
この民衆の無知を責める時、「無知」な奴が多勢に無勢の為に、できなくなるのです。


参考書籍

 

  

ウイルス、病原菌と歴史、ウイルスは、人類にとってどんな存在なのか?

この機会ですので、じっくりと、読んでみるとよいのではと思います。

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