小規模企業の為の社内LANを構築して、業務で活用する方法について

本日のお題は、「小規模企業の為の社内LANを構築する方法について」です。

長年、お客様の会社に訪問しながら、仕事をしていると、分かるのですが、大体、「デスクトップ」や「マイドキュメント」の中を見ると、その方が本当に自力でパソコンを活用しているかどうか、すぐ分かってしまいます。

これだけパソコンが世の中に浸透していますが、小さい会社ではネットワークをちゃんと活用できている会社と云うか、そんな事務所が少ないですね。

殆どの場合、残念ですが、「経営者」自身の頭が、地球100周分くらい周回遅れになっているからです。

そこで、会社の大小にかかわらず、社内で扱う情報の量が増え、同時に処理する時間も増えて、本来、お客様と接するのに多くの時間を使うべきなのですが、それもままならい状態になっている会社も多いのではと思います。

ただインターネットを共有するだけではなく、社内でどのように情報を共有して、仕事を効率よく遂行するかについても、同時に考えながら「社内ネットワークの構築」を実施すれば、少しの投資で、大きな効果が表れるのでなないでしょうか。

これは「従業員向け」と云うよりは、中小零細企業の「経営者向け」の講座かもしれません。

経営者自身が、ITに関する事柄に「うとい」のが現実ですが、経営者が主導しなければ、従業員だけでは、何も始まりません。100年経っても。。 さあ、どうしますか?

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1.社内ネットワークを構築して、何をするのか?

1)現状

仕事柄、色々なお客様の事務所(仕事場)を訪問する機会があるのですが、パソコンが何台もあるのに、もったいない使い方をしている場合がほとんどです。 なぜなら、ルーターを設置して、FAXプリンター(複合機)を共有で使用しているか、インターネットを共有しているだけで、仕事の情報などは個々のパソコンで完結していて、共有している部分が、ほぼ有りません。

これは、実にもったいないですね。 というより、時間の浪費をしている場合が殆どです。

例えば、「見積書」を一つ作成するにしても、個々人のパソコンで作成した過去の見積書が存在しますが、他の社員は見れませんので、他の社員が見積書を作る場合、一から見積書をエクセルのテンプレートから作成するか、最悪の場合、手書きで見積書を作成しています。

2)失敗する原因について

しかし、何ができるか理解しても、実業務の中で、本当に共有してエクセルの資料をどう使うのか、なぜ共有する必要があるのか、まで考えておかないと、せっかくの社内LAN(ネットワーク)も無用の長物になる可能性もあります。

このように、例え理解しても、みんなで作成したドキュメントをお互いに、どう活用しなければならないかを周知させないと、たまに他社員の作成した資料をコピーした程度で、作業効率のアップとは程遠い状態になり、USBメモリでCOPYすれば十分ででしょうと云う状態から抜け出せなくなります。

中小零細企業での業務の標準化の遅れ
事業が拡大して行くと、複数の人が連携して処理しなければ処理できなくなるのですが、一人一人ばらばらに行ってしまう様な、自然に行われる標準化は、自分の身の回りの単純な事務改善に留まってしまう欠点がある。

又「管理のための人材不足」と「標準化の遅れ」た企業では日々の業務に追われており、本来あるべき姿や専門知識の蓄積ができていない状態に陥っている場合があります。

逆な言い方をすれば、これができていれば、自然に「情報の共有化」が進む方向に向かいます。

「業務の標準化」とは、
「何でもできるスーパーな人」を1人作るのではなく、誰か欠けてもちゃんと業務が進むように、仕事を標準化して、誰でもできる体制を作ることです。

3)これからできる事と

これなど、作成済みの見積書を項目別に分類して、「共有フォルダ」に入れおいて、ネットワーク経由で観れるようにしておけば、誰でも参照できますし、ほぼ同じ内容でラッキーな場合、COPYしてしまえば、断然早く、見積書が作成できますので、別の仕事ができると思います。

このように、社内ネットワークを構築するのは、案外、少ないコスト(数万円から)で開始できるのですが、これを活用する様になるまでの時間の方がかかりますので、「経営者」自身が主導して進めて行けば、導入して活用するまでの時間はそんなにかからないと考えます。

施策を立案(PLAN)—>実行(Do)—>結果を分析(Check)—>より良い施策を策定する(Act

大抵の経営者は、PLAN—–>Doで終わりますが。。。。。

上記のように、Check、Actまでのサイクルですよ。 手抜きすると失敗しますので。。。

2.どのようなハードウエア的な構成が良いのか

まず、
初期段階では、
今、使用しているOfficeソフトなどで作成しているドキュメントをネットワークでつながった共有フォルダに保存して共有して、互いに相手のパソコンのフォルダを参照できるようにして活用する。

これは他人のパソコンに、ネットワーク経由で入り込む仕組みですので、パソコンの電源が入っていないと参照することができません。全員パソコンを起動しているとは限りませんので、ちょっと不便ですよね。

第二段階として、
ネットワーク対応のハードディスク(HDD)を入れて、そこに共有フォルダを作成して、みんなで使えるようにすることすね。

パソコンの電源が入っていないと参照することができないという事が起こりません。

ファイルサーバーとバックアップとして使うのに最適。 セキュリティ上は不十分ですが。

最初は、この方法から始めるのが、一番、手っ取り早いのではないでしょうか。2万円位のネットワーク対応のハードディスク(HDD)を購入し、ルーターに接続して、共有すれば、すぐにでもできます。

第三段階として、
NASを設置して活用する。
会社の規模にもよりますが、十数名くらいでしたら、最終的にNASを設置して活用する処までくれば、十分ではないでしょうか。

ファイルサーバーとバックアップとして使うのに最適。 セキュリティ上はかなり安全。

第四段階として、
Windowsサーバーを導入する(サーバー管理用のOSの入ったマシン、値段は10万円くらいからあるでしょう)。
小さな会社では、ここまでは必要ないと思いますが、ネットワークに接続した各パソコンを制御したり、色々な事が出来るのは確かです。

但し、ネットワーク上のパソコンを管理することができますが、これを管理する為のサーバーの知識が無いと管理・設定ができません。

タブレット端末の利用
iPadから始まって、現在では、Anroid版のタブレットが安い価格で市場に出回っています。

これを使わない手はありません。

「Androidタブレット」は、iPadと違い、パソコンとUSBケーブルで接続すれば、PDFファイルにしたドキュメントを簡単にタブレットに格納できますので、社内で共有して使う、カタログ、技術資料、見積データ、パンフレットなどを簡単に入れて、社外でも活用できるようになると思います。

タブレット端末へのドキュメントの転送方法で云えば、メールを使用して、ドキュメントを添付ファイル付きで送信して、タブレット端末でメールを受信すれば、タブレット端末で参照することが可能です。

パソコン(メール送信)<—–(メール送受信)——->タブレット端末(メール受信)

技術職、営業職の仕事で、おおいに活躍する道具になっています。

関連記事
iPad、iPhone、Androidタブレット、スマホも、両方使ってみて分かる、細部の作り込みの違いについて

3.実際のネットワークの構築

コストを抑えて、できるところから実施するのが一番です。 そんなにすぐに活用できるとは限りませんので、少しづつです。

1)どんなネットワークするか

Windowsで構成できるネットワークには「ワークグループ」と「ドメイン」の2種類があります。

一番、費用が掛からないのが(1)、(2)はHDDの購入で費用は、ちょっとだけ掛かりますが、一番便利な方法です。

(1)ワークグループのネットワーク(サーバー用のPCは不要)
小規模なオフィスで数台のパソコンを「ルータ」や「スイッチングハブ」で接続する。
・各パソコンは互いに対等で、情報を共有しあい、同じような機能を持つ。


これは、通常、社内で、複数台のパソコンをインターネットを使おうとしたときに、使われる方法です。 各PCのファイルも共有できます。 家庭内でも同じ方法でしょう。

ファイル共有 関連記事
家庭内LAN(ネットワーク)の構築について

・Windows Vista ネットワーク接続設定
Windows Vistaの家庭内LANファイルとプリンターの共有

Windowsパソコンのデータバックアップ方法について

(2)ワークグループのネットワーク(ファイルサーバー用のHDDを用意する)

サーバーを用意する前の段階通して、ネットワーク対応のストレージ(HDD)を用意する。

ストレージ(HDD)に、それぞれのパソコンからアクセスして、データの読み書きができるようにする。

ここに、ただのネットワーク対応のHDDではなく、NASを設置すると、細かなアクセス制限などをかけれますので、一層セキュリティの面で高くなります。

サーバーマシンを(PC)持たない、小さい企業では、これが最終形ですね。

後は、ストレージにクラウドを使用するかでしょう。

(3)ドメインのネットワーク(サーバー用のPCが必要) 第四段階の方法です


中規模以上のLANではクライアント/サーバー型のネットワークを構成します。
・サービスを提供する側(サーバー)とサービスを受ける側(クライアント)の
コンピュータが区別されています。
小規模ですと、「ワークグループ」で十分です。
もちろん、サーバー用のパソコンを使用しなくても、費用も低価格で構築することが可能です。

(4)無線LANを選択する場合の注意点

もちろん、セキュリティ対策の為にも、無線LANは注意する点が多々あります。

もう一つ注意する点は、無線LANは、普通の家庭でもそうですが、つまらない理由がほとんどなのですが、「つながらない」へったくれがけっこう発生します。 有線LANより不安定です。「つながらない」等のトラブルたびに、自社の業務が「ストップ」してしまいますよ。

小さな会社で、配線を這わせなくても済むし、便利だからと云う理由だけで、無線LANを選択すると、「トラブル」が発生した時、自分たちで何とかする「能力」を身につけるか、「お金 」を払って解決するしか有りません。

対処できる人材が居ない場合は、最初から無線LANではなく、ちょっと配線が邪魔でも「有線LAN」での構築を選択すべきです。

無線LAN 関連記事
第1回 無線LANって何?
第2回 無線LAN どうやって?WiFi接続するの?
第3回 不正侵入(ただ乗り)されないための無線LANのセキュリティ設定
第4回 無線LANのトラブルについて

無線LAN、有線LANの長所と短所

     長   所       短       所
有線LAN  導入費用が安い
1台当たり1千円から敷設可能
事務所のレイアウト変更等でケーブル 配線工事が必要な為、工事費用が発生する (自分でやればLANケーブル代のみ)。

PCの台数が多くなれば、「スイッチングハブ」で、分岐させる必要が有ります。

無線LAN ケーブルレスなので、社内のフロア内であれば、どこでも使える。

導入費用が高い
1台当たり2万円から設置可能、無線用セキュリティの設定必要あり。

無線LANの「セキュリティ対策」をする必要があります。 社外に電波が漏れますので注意です。

2)ファイル共有する為のストレージを選ぶには

ドメイン管理のネットワーク(サーバー用のPCが必要)までは、まだ構築する気はないが、ファイルサーバーを構築したいという職場にぴったりです。

一番いいのは、ネットワーク対応のHDDを繋げることです。1台2万円位で十分でしょう。

最初は、ネットワーク対応のHDDを1台購入して、ネットワークにつなげるだけでも良いと思います。そうですね、本格的にファイル共有して、ちゃんと使える様になった職場で活躍できるでしょう。 そうでない会社では、ただの「ごみ箱」になるだけですが。。。

本当は、「NAS」が一番ですね。

(1)NAS
NASとは、「Network Attached Storage」の略語で、ネットワークに接続して使うHDDのことです。 パソコンに接続されたHDDではなく、「LANに接続されたHDD」です。

NASはただのHDDではなく、システムもちゃんと入っていますので、パソコン側から、NASの細かなアクセス権を設定できますので、セキュリティ上もただのHDDとは全然違います。


NAS
ですと、もっと良いのですが、HDDの容量にもよりますが、ネットワーク対応のストレージ用HDD(1ドライブ内蔵)が、2万円位で購入できますので、ファイル共有の機能を構築できます。

長年、お付き合いをさせていただいているお客様の社内では、現在、「NAS」を使用しています。なぜ、「NAS」までたどり着いたかと云えば、ネットワーク対応のHDDは、お手軽で良いのですが、何年かすると、突然、壊れてしまいます。 そうすると、バックアップを別にとっておかないと、大変なことになってしまいます。

その点、NASですと、「RAID」を組んでおくと、壊れたHDDを交換すれば、復旧する事が、簡単に行えます。ネットワーク対応のHDDより、少々高価ですが、大切なデータを失う危険が大幅に軽減されますので、安心して長期間使用できます。。。。最後はこれになってしまいます。

NASのメリット
・ファイルを共有することができる。

・各データの共有範囲を細かく設定できる。

・データがNAS上に保存していれば、個人のPCが壊れてもデータは大丈夫。

・セキュリティ上、IDとパスワードが漏えいしない限り、ネットワークに侵入してNASへアクセスするのは非常に困難です。
・RAIDと呼ばれる機能を利用すれば、HDDが壊れた場合でも、復旧が容易です。

NASのデメリット、面倒な点
・外出先からのアクセスに制限がある。
外出先からのアクセスしなければ、何も問題ないし、この方がセキュリティ上、ベストです。

・データの転送速度
この問題は、最近の機器を観る限り、あまり問題ない。

・導入時の初期設定が必要
最近のNASは、専用ソフトをインストールしなくても、ブラウザ経由で設定できるが、どう共有して、どうアクセス制限をかけるかの設定は必要ですので、管理者が最低でも覚える必要のある項目です。

補足説明
 NASとは、ネットワークに直接接続し、パソコンなどからネットワークを通じて、アクセスできる外部記憶装置(HDD)のことです。
通常のネットワーク対応のハードディスク(HDD)と機能的に違う所は、
・単にデータを保存するだけでなく、保存したデータを管理・活用するための様々な機能が搭載されている。
・複数のディスクを備え、RAID機能やホットスワップ機能を持ったものも有りますので、例えば、HDDがダメになった時など復旧が素早く行えるので、故障してもデータが消えにくいのがメリットです。

NAS機能の補足説明
・RAID機能      : 複数台のHDDをまとめて仮想的な単一ドライブとして扱う機能
・ホットスワップ機能 : HDDが複数台有る場合、電源を入れたまま、HDDを交換できる機能(RAIDを組んでいる必要があります)

4.仕事ができる・できないの能力ににかかわらず、社内ネットワークを活用させるには

自力でパソコンを活用する能力の無い方のマイドキュメントの中は空っぽか、他人の作成したドキュメントばかりです。

誰が、このドキュメントをクリエイトできるかどうかは、経営者がちゃんと把握しているべきです。社員の数が、数十人いる会社でも、多分、数名しかいないはずです。 この人たちを大事にしないと、ファイル共有のレベルでは、活用するのは難しいでしょう。

活用事例

1)このドキュメントをクリエイトすることのできない人達を強制的に、社内ネットワークを構築して活用させる方法は、例えば、Accessなどで作成した、データベースアプリケーションを作成して、作業させることです。

特に、顧客を管理する必要のある業務(サービス業務など)の場合、効果は絶大です。

そうすれば、Excelでドキュメントを作れなくても、見積書のアプリを作成したり、顧客を管理する為のデータベースを作成して、システム化することで、そこに情報を入力させることが可能になりますので、結果的にみんなで、活用できる状態になります。

システム化を行う上での注意点
大企業におけるシステム化と中小企業におけるシステム化は目的と前提がまったく違います。
中小零細企業で必要とされるシステム化は、「当たり前のことをできるようにするものであり、戦略的なシステムではないこと」を十分に認識することが最も重要です。

Accessデータベース活用 関連記事
Accessを利用すると、どんなことができるかについて記載してあります。
マイクロソフトの「Access」の便利な機能を使って、業務アプリケーションを作成して活用する。

この程度のAccessを利用したシステムでしたら、サンプルもありますし、いくらでも構築できますので、いつでも相談に乗りますよ。

Accessでデータベース作成講座
実際に、Accessでデータベースを作成する方法、手順を記載しています。
第1回 マイクロソフト ACCESSでデータベースを作成するには
第2回 Accessで、「得意先マスター保守」処理画面を作成してみる。
第3回 Accessで、「得意先マスター保守」処理画面を作成してみる。
第4回 マイクロソフト ACCESS(アクセス)でデータベースを作成 検索・抽出処理
第5回 Access2010でパスワード管理データベースを作成してみよう。
第6回 EXCELで作成した住所録をAccessに取り込んではがき宛名印刷をしてみる。

2)パソコンから、直接「FAX」を送信する

例えば、複合機には、パソコンから「FAX」を送信するためのFAX用のドライバーが、各メーカーから出ています(無料です)。 これを使用すれば、WordやExcelで作成したドキュメントをパソコンから、ダイレクトに相手にFAX送信が可能になります(用紙を印刷してFAXを送信しませんので、紙の節約にもなります)。

(1)必要機器
・ネットワーク対応のFAX機能付き複合機(オフィス向けのプリンター)
・該当製品のFAX送信用のドライバー(無料で入手可能)
・宛先データ管理用のソフトとFAX宛先データの登録(ソフトはほぼ、どのメーカーでも無料でしょう)。

これは、ある会社の「富士ゼロックス」製の複合機を利用した状況でのお話しですが、リコー、キャノン、東芝などの複合機でも、このような仕組みを構築できるでしょう。

(2)送信方法
「Access」で、印刷処理機能を作成して、「印刷プレビュー」で帳票を開くようにする。
印刷を実行するときのプロパティ画面でFAX送信用のプリンタードライバーを選択する。
FAX送信用の画面が表示されて、宛先を選択してFAX送信ができます。

ファックス宛先表管理ソフトで作成した「宛先表ファイル」を指定しておくと、名前などで検索して、宛先を簡単にセットできます。

ファックス送信の指定画面(富士ゼロックス)

上記の例は、「富士ゼロックス」の複合機の場合ですが、「リコー」やその他の会社の製品でも同じように、パソコンからFAXを送信する為の専用ドライバー、ソフト、宛先表を管理するソフトなど、ほぼあると思いますので、いちいち紙を印刷しないで、相手にFAXをパソコンからダイレクトに送信できます。

上記の「複合機」と「ネットワーク(LAN)」が社内にあれば、予算0円で導入できます。


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